第32話 マジックモンキー
モンキー達が逃げて行った方へ急いだ。お姉さん達の服が脱がされて間一髪で救出がかっこいいし、目の保養にもなるけどそんなに上手くはいかないよね。シェリーが叫ぶ!
「います」
だーかーらー、ってもうしつこいね。気配探知ってスキルなのかな?シェリーについていくと、いるわいるわモンキー達。こんなにいるの?リリィが喚く。
「ちょっと多すぎないこれ、100匹はいるわ」
そうこうしているうちに猿に円陣を組まれた。うっそだろ、円陣は武田八陣のうちの1つで武田信玄が得意にしてた戦法だ、って猿に円陣を組まれるのって元武田勝頼としては複雑だ。よくみると円陣とはいえ横と後ろはラージモンキーとテールモンキーしかいない。正面にコングとグレートモンキー5匹、その他大勢に加え見慣れない猿がいる。杖持ってるな、魔法使い?シェリーが説明し始めた。
「あれはマジックモンキー。Bランクだけどコングとは違った進化ルートで強くなったモンキーです。ギルドの書物で見た事があります」
「それってやばいだろ、この戦力じゃ。逃げるぞ」
36計逃げるが勝ちだ。もし範囲魔法でも仕掛けられて円陣総攻撃食らったら瞬殺されるぞ。お姉さん達には申し訳ないけど全滅した上にリリィやリコまで犯されるのは耐え難い。カツヨリは撤退を指示して後方のモンキー達に魔法攻撃を仕掛けさせた。退路が開けた時、
「リコ、ファイヤーウォールを出してくれ。敵が火にびびってるうちに逃げるぞ」
「はい、お兄ちゃん。ファイヤーウォール、続けてもういっちょファイヤーウォール!」
リコがファイヤーウォールで正面に炎の壁を出した。それを見たメンバーが後方へダッシュする。横方向にいたモンキー達が突っ込んでくるのをカツヨリ、シェリーが倒し、ノイルは後ろ向きに走りながら魔法で援護する。リリィも左右にウィンドカッターを連発した後走り出す。上手く逃げ30mほど行ったところでマジックモンキーの水魔法でファイヤーウォールが消されてしまった。
モンキー達が追ってきた。木の上を尻尾や手を使って上手に伝わって追ってくる。リコはファイヤーボールでところどころ木を燃やしてモンキー達の足を止めている。今は逃げるのが優先なので直接モンキーを狙わずに足止めをしているようだ。
「リコ。うまいぞ、その調子だ」
それを見たシェリーもファイヤーボールで木を燃やし始めた。ところが追いついてきたマジックモンキーにまた火を消されてしまう。逃げながら放つノイルや他のメンバーの魔法でテールモンキーは徐々に減っていくがグレートモンキーは無傷だ。ラージモンキーにはダメージは与えているものの倒すには至っていない。さらに森の中の移動速度はモンキー達の方が速い。徐々に追いつかれ始めた。
「さっきと違って敵の円陣が無くなった。やるしかないか」
リコに水筒を渡し飲むように言ってから、ゴニョゴニョと秘策を伝えた。
「ここで仕掛けるぞ。全員配置につけ!」
サンディが仕掛けた。森の中とはいえ戦闘時の素早さではウサギ獣人に分がある。格闘でモンキーを減らしていく。カツヨリは加速を使い一気にマジックモンキーに斬りかかろうとしたが護衛のラージモンキーが立ち塞がり邪魔をされてしまう。そこにマジックモンキーの稲妻が降り注ぐ。
「ダーン!」
光とともにカツヨリをラージモンキーごと稲妻が貫く。
「お兄ちゃん!」
リコが叫ぶがリコは秘策の準備で動けない。そこにリリィが飛び出した。カツヨリを抑えていたラージモンキは魔法の直撃で死んでいた。近くにいたグレートモンキーが雷で痺れて動けなくなったカツヨリを襲おうとしていたのだ。
「ウィンドカッター、そしてもういっちょウィンドカッター!」
リリィは左右の手からウィンドカッターを連発してグレートモンキーを牽制した。ウィンドカッターはグレートモンキーを傷付けたが致命傷にはほど遠い。グレートモンキーは矛先をリリィに変えて襲いかかった。リリィは素早く動き、攻撃をかわしながら短剣を使う。徐々にダメージを与えていくがグレートモンキーのパンチを食らってしまう。勢いよく飛ばされるリリィ。木に激突するかと思いきや
「突風」
自分の背後から自分に向けて風を出し勢いを殺した。勝ったと思っていたグレートモンキーは慌てて再度リリィに近づこうとしたがその瞬間グレートモンキーの首が飛んだ。
「このシュラウスの剣、本当によく斬れる」
カツヨリが痺れから復活していたのだ。リリィに助かったよ、ありがとなと言ってから再びマジックモンキーを探す。マジックモンキーは再び魔法を使おうとしていた。カツヨリは意識を集中する。そうすると黄色い魔力がマジックモンキーから見えた。それが指先に集まった瞬間、雷魔法が発動しカツヨリを襲ったがタイミングがわかっていたカツヨリは難なくかわした。カツヨリはマジックモンキーに向かいながら叫んだ。
「リコ、今だ」
リコの手から魔法が飛び出してモンキーが集中しているところを直撃した。
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