叶わぬ願い

「ルフェナ、どこ行ったの……?」


 ルフェナを追い掛けて森の奥まで来た。


「みんな……無事だよね……」


 先に行けと言ったみんなの事も気掛かりだ。


「しっかりしろ私! ルフェナの事を任されたんだ! 私がやらなくちゃ!」


 荒い息を何とか鎮めて目を瞑る。

 焦りに縛られていく心を、深呼吸をして無理やりにでも抑えつける。


「……」


 ドクンドクンと私の鼓動が、うるさいと思ってしまう程耳に届く。

 少しずつ、少しずつ鼓動が治まっていく。


 風の音、風で木々が揺れる音、虫の鳴き声、鳥の鳴き声が、次第にはっきりと聞こえるようになってくる。


 そして……。


 うっうう……嫌だよ……どうして……私は……。


 女の子の泣いている声が聞こえてくる。


「……ルフェナ」


 声のする方へと走る。


 そして……、膝をつき、顔を抑えて泣いているルフェナを見つけた。


「ルフェナ」


 ゆっくりとルフェナに歩み寄り、声をかける。


「――メノウ?! 来ないでっ!! お願い、それ以上……近づかないで……」


 私の姿を見てルフェナは強く拒絶し、ゆっくりと後ずさる。


「みんなの所へもどろう? あの人達がルフェナに言ったことは、きっと何かの間違いだよ。ね? ほら、一緒に戻ろう」


 そう言って、再びゆっくりとルフェナに近づく。


「違う、違うんだよメノウ! 止まって……。止まってメノウ!!!」


 ルフェナは首を横に振り、ゆっくりと下がっていき、最後、叫ぶように大声を上げた。


 ルフェナの悲痛な叫びに、思わず足が止まる。


「違うのメノウ。私……私――!」


「落ち着いてルフェナ。いくらでも話は聞くか――」


「私はっ! 口に残った血を美味しいって思ったのっ! メノウの袖についた血を見て、私は……もっと欲しいって思って……思っちゃった……の……」


「……」


「だからメノウ……。近づかないで……」


「何だ、そんな事か……」


 私は、今度はゆっくりとじゃなく、全速力でルフェナの下まで走り、ルフェナをぎゅっと抱きしめた。


「メノウ?!」


「私の料理とどっちが美味しい?」


「え?! え……それは、メノウの料理の方が美味しい……よ……?」


「ほんとー?」


「当り前……じゃない……」


 少しずつ、私の腕の中で強張っていたルフェナの体から、力が抜けていくのを感じる。

 すると、


「……私。私、なんでこんな体なんかに……。やだよう、ぐす、どうして……うう……」


 私の背中に手をまわし、胸の中で嗚咽を漏らした。


「ごめん……ね? ほんとは、話すつもりだったの。騙すつもりはなかったの。信じて……」


「大丈夫、大丈夫だから。落ち着いて、ね?」


 泣きながらルフェナは、自身が隠していたことを話してくれた。


「冒険者に助けられたって話したでしょう? 目が覚めた時には、私はもう今の姿になって檻の中にいたの……。胸には宝石みたいなのが埋め込まれていて、左手には腕輪」


「……そうだったの」


「耳は大きくなって、耳もそうだけど、部分的に毛深くなってるし、尻尾まで生えてる。最初は酷く混乱した。でもね、助かったんだって、その時は思ってたの。それでね、私をこんな姿にした奴が言ったの。失敗作だって。何を言ってるか、私にはわからなかった。何日も檻から出してくれないし、説明もしてくれない。だから、私は隙を見て逃げ出したの。怖かったのもあるけど、三人の遺品も回収したかったから」


「うん」


「ちゃんと、ちゃんと話そうと思ったんだよ?! ほんと、ほんとだから!」


「わかってる、わかってるから。怖くて言えなかったんだよね? 大丈夫! 私はそんな事で怒ったり嫌いになんてならないから! 大丈夫だから安心して」


 ルフェナを強く抱きしめ、頭を撫でて宥める。


「どうして……どうしてこんなことに……。わた、私、人殺しになっちゃった……。お世話になった人まで殺しちゃった!」


 だけど、ルフェナはまた泣きじゃくる。


「ルフェナ? 人を殺したって、あなたは覚えてるの?」


「そんなの、覚えてないよ! 何も知らない! なんにも私知らない! でもっ! メノウの血を飲もうとしたのは本当だったじゃない! それに美味しいって……思っちゃったもん……」


「じゃあルフェナはしてないよ」


「……え?」


「そもそも、ルフェナがやったって証拠がない。あいつらは間違いないっていってるけど、本当の所はどうかわからないじゃない」


「……さっきメノウを襲った時みたいに、私の記憶にないだけだったら?」


「それは、ルフェナの意志でやったことじゃないから、ルフェナはやってない」


 ……すごく苦しいことを言っていることは自覚している。

 それでも、自分の意志で人を殺しているわけじゃない。

 意識も記憶もないのだったら、ルフェナがやったとは言えないと、私は思う。


「……ありがとう、メノ……ウ……」


 ルフェナが私を抱きしめる力が強くなった。


「さあ、みんなの所へもどろ――」


 私がそう言いかけた時、ルフェナが私の首筋に軽く噛みついてきた……。


「……ルフェナ?」


 話しかけても返事が返ってこない。

 少しずつ、少しずつ、首筋を噛む力が強くなっていく……。


「……」


 私は覚悟を決め、


「いいよ」


 と、つぶやき、来る痛みに耐えようとした……。


 どん!


 突然ルフェナが私を突き飛ばした。


「……はあ……はあ……。私……今……何を……」


「ルフェナ? 私はいいよ?」


 手を伸ばす。


「……あう……あー……。や……だ……。止め……て、やだ!」


 朦朧とし始めていたルフェナが、後ろへ飛びのいて、空間収納から剣を取り出した。


「わた……私は、人間……なの! 普通の、人間でいたいの!! 人を襲う、化け物になんか……に……なりたくない!」


「ルフェナ! 何をしてるのっ?!」


 取り出した剣を鞘から抜き放ち、自身の首に添える。


「だめ! やめてっ! ルフェナっ!!!」


 ピシ

 パキン


 そしてルフェナは膝をつき、剣を落とし、崩れ落ちた。


「いやああああああああっ!!!」


 ピキッ

 パリン


 ルフェナに駆け寄り、


「ヒーリング!」


 急いで治癒魔法を使う。


「ルフェナ! ルフェナっ!!」


 手から青い光は出るけれど、傷を治癒する感覚がない。


「……ぐっ」


 ルフェナから呻き声のような声が漏れる。


「ガアアアアアアアアッ!!!」


「――っ?!」


 突如唸り声をあげて、ルフェナが私に飛びかかった。

 肩をとてつもない力で握られ、地面に抑えつけられる。


「ガッ! ガウウウッ!!! ガアア……がああ……あああ……ううっ」


 だけど少しずつ少しずつ力が抜けていき、ルフェナの紅く怪しく光っていた瞳が元に戻っていく。

 私の顔にルフェナの涙が、ぱたぱたと零れ落ちてくる。


「……にげ……て……。から……だ……が……言う事を……きか……ない……の……。いし……き……も……、もう……ろう……と……し……て……」


 また、少しずつ抑える力が強くなっていく。


「ルフェナ。大丈夫。大丈夫だから……」


 私はルフェナの首に手をまわし、抱き寄せようとした。


「……い……や……だ!」


 ルフェナは絞り出すように言うと、ルフェナは私から転がるように離れていった。


 今度は両手を地面について体を起こした。


「ガアアアアアアアッ!!!」


 次の瞬間には、先ほどとは比べ物にならないほどの素早さで、起き上がった私に飛びかかってきた。


 私はそれを、手を広げて迎え入れる。


 ルフェナは私に飛びつくと、躊躇することなく左肩に噛みついた。


「ぐうううう……」


 ルフェナの歯が食い込み、服の上からメキメキという骨が潰される音が聞こえてくる。


 ブチイイイイイイイイイ。


 嫌な音が聞こえたと思った瞬間、あまりの激痛に意識が遠のいた。


 服ごと、私の肩の肉を引き千切られた。


「――っぐうう!!!」


 思わず叫び声を上げそうになるのを、必死で堪える。


 じゅるるる。


 肩から溢れ出す私の血を、ルフェナは音を立てて啜っている。


「……あう……う? 私……なにして……?」


 啜る音が少しずつ収まっていくと、まるで寝起きのようなルフェナの呟きが聞こえてきた。


「ル、ルフェナ。だいじょ……ぶ……?」


「あっあああ!! メノウ! わっ私、私なんてことをっ!」


 ルフェナが元に戻ったことを確認できたことにほっとしたのか、足から力が抜け、膝をつく。

 意識が少しずつ遠のいていく……。


「メノウ! やだ、やだ! メノウ!!!」


 私は大きく息を吸い、朦朧とする意識を何とか奮い起こして、抉れた左肩に手を置く。


「巡り廻る命のせせらぎたる赤き血よ、我が呼びかけに応えよ。生命の根源たる水青の加護の下、汝のあるべき姿を示せ。その身に受けし惨禍を、今こそ癒そう。さあ歓喜せよ。黒き暗澹たる虚無から汝は解き放たれん。祝福せよ。再びおとなう生誕を。癒しの光に導かれ、今此処に蘇れ。リジェネ……レイト」


 私の肩が、触れている右手が青く強く光る。

 抉れた肩は少しずつ形を取り戻し、元に戻った。


「……はあ……はあ……」


 痛みが消えた瞬間、体から汗が吹き出し、突然眩暈が起こり、気持ちが悪くなって両手を地面につける。


「メノウ……ごめんね……。私、なんて酷いことを……」


「……はあ……はあ……ううん。ルフェナが受けた苦しみに比べれば、こんなこと、大したことないよ」


「メノウ!」


 ルフェナは私を強く抱きしめた。


「これで、しばらくはもちそう……だね……」


 私もルフェナを抱きしめ返し、ほっとする。


「……」


 だけどルフェナは私を抱きしめる力を緩め、肩を押し私を引き離す。


「ルフェナ?」


「……だめ……みたい」


 力なく笑うルフェナ。


「……え? どう……して……?」


「わからない。でも、もう意識が朦朧としてるの……」


「わかった。そのたびに血を飲ませてあげる」


「メノウが死んじゃうよ……」


「大丈夫! ほら、私の肩を見て? 傷すら残ってないんだから!」


「ふふっ。本当にメノウは、すごいね? でも、傷が残らなくてよかった……」


 露になった私の左肩を、ルフェナは泣きそうな表情で優しく撫でる。


「……メノウ。お願いがあるの」


「何? 何でも言って?」


「……私を……終わらせて……ほしいの……」


「――っ?! 何を言ってるの?!」


 思わず私は叫び、ルフェナの肩をつかんで揺さぶった。


「私ね? もう思うように体が動かせないの……。それに、魔法も……」


 そう言うルフェナの右手には拳大の氷の塊が現れるが、一瞬にして青い光の粒子となって霧散してしまった。


「魔法を使おうとしたら、一気に意識も朦朧としてきちゃって……。このままだとまたメノウを襲っちゃう」


「いいよ! いくらでも襲って良いからっ!!! そんなこと……言わないでよ……」


「メノウ、私を人のまま、あなた達の仲間の一人のまま、終わらせてほしい。……お願い。このままじゃ、私は……人じゃなくなっちゃう。あなた達の仲間ですら、なくなっちゃう。私は、それが凄く……すごく怖い……」


「やだ! やだっ!!! これから一緒に旅をするんでしょ?! 海を見て! ガラク皇国に行って! オルケストゥーラ王国へ行って! 世界を私達と一緒に見て回るんでしょ!!!!!! そんなこと言わないでっ!!!!!!」


 ルフェナに縋り付いて、私は泣き叫ぶ。


「そうね、楽しみ……だった……。でも、無理なんだよ。もう、無理なんだよ……」


「私が、私達が! 何とかしてあげるから! 血なんていくらでもあげる! だから……お願いだから……そんな事を言わないで……ルフェナぁ」


「私は……たぶん、もうそんなに長くないとおもうの……。なんでって聞かないでね? 直感なんだから。このままみんなに助けられていたとしても、すぐに死んじゃう。きっとその時私は、もう私じゃなくなってる。それは……嫌なの……」


「――っ」


「それにね。大好きなみんなに、迷惑かけながらなんて、生きたくないよ。対等でいたかったんだから……」


 ルフェナは出会った時もそう言っていた。

 対等でいたいと。


「メノウだったら、……どうする? メノウが私みたいな状態だったら、無理にでも……生きていたいと、そう思う?」


「……でも、でも!」


「ごめんねメノウ。辛いことを押し付けて。でも……で……も……、わかって……欲し……い……」


「……まだ、まだ海だって見てないんだよ?」


 声が震える。


「まだ全然ルフェナに料理を教えてないよ?」


 涙で前が見えない。


「まだルフェナに食べてもらいたい料理、沢山あるんだよ?」


 嫌だ。

 嫌だ嫌だ嫌だ。

 そんな言葉ばかりが頭の中に浮かび埋め尽くす。


「まだ旅を始めてすらいないんだよ? もうすぐ、もうすぐなのに。なんで、なんでよう……」


「メノウ……お願い……。メノウにしか、お願いできないの……」


「やだ……、やだ! やだやだやだやだやだやだやだ!!!! やだあああああ!!!!」


「メノウ」


「やだっ!!!」


 私は駄々っ子のように同じ言葉を繰り返し、首を横に振る。


「……メノウ。私を化け物に……しないで……」


「――っ!!!!」


 ルフェナの静かな一言が、私の駄々を押しとどめた。


「ああっ。あああああっ。うわああああああああああ!!!!!」


 思い切りルフェナを抱きしめて私は叫ぶ。

 私はルフェナのために、力を解き放つ。


「わ、私ができる。さい、最後のプレゼント……だよっ!」


 私の体から青い光の粒子が溢れ出し、私達の周囲を埋め尽くす。


 そして、パキパキパキと高い音を立てて、地面が凍り付き、白く輝く霜柱を作り出す。

 白氷は少しずつ広がり、木の表面を上っていき、やがて周囲の木全てを覆いつくし、まるで水晶で出来ているかのように、微かに入る月明りを反射してきらきらと煌めいている。


「……なんて、綺麗なの」


 呆けたような、そんなルフェナの声。

 でも、力なく淀んでいたルフェナの瞳に輝きが戻る。


「すごい……すごいよ! メノウ! こんな綺麗な景色、見たことない!」


 さっきまでの呆けたような声じゃなくて、子供のようにはしゃいだ声をだす。


「……これ……だけ。何とかせめて! これだけええええ!」


 突然ルフェナは声を荒げ、片手を何もない空間へと突き入れる。

 そして、四枚の金属製のカードを取り出した。


「はあ……はあ……。やった。とり……だせ……た……。メノウに、託すね……」


 苦しそうに息を荒くして、私にそのカードを渡す。


「冒険者カード……」


「うん。私と、私の仲間のカード。それを、連れて行って。私達の、私の代わりに……」


「……うん。……うんっ! わかっった……」


「……それじゃあ、お願い。……痛く……しないでね?」


 私の顔を見て、ルフェナは冗談っぽく言う。


「……まかせて」


 私はゆっくりと頷き、ルフェナの手を強く握り、言の葉を紡ぐ。


「天よ、我ここに願い奉らん。降り齎されし凍てつく白よ、彼の者の生なる息吹に終焉を告げ給え。地に降り栄え、白銀と為せ。死に行く者よ、天を仰ぎ見ろ。汝苦無く、安らかに逝け。願わくば、汝の歩し旅路の果てに、光在らんことを……。ブライニクル」


 私から青い光が零れて、周囲を満たす。

 まるで海の底に沈んだようだった。

 そして上空から白い冷気が降りてきて、全てを凍てつかせていく。


「ルフェナ!」

「ルフェナ!」

「ルフェナお姉ちゃん!」

「ルフェナ!」


私の後ろからみんな声が聞こえた。


「みんな、ありがとう――!」


 ルフェナは涙を流しながら、それでも精一杯の笑顔を浮かべ、次の瞬間には全身が凍り付き、バラバラに砕け散って、文字通り、跡形も残らず消えた……。


 パキン


 一際甲高い音が聞こえた――……。



 ――――――――――――――――


「天よ、我ここに願い奉らん。降り齎されし凍てつく白――……」


 メノウが魔法の詠唱を始めた。

 聞いたこともない詠唱の文言。


 ごめんね、辛いことをさせちゃったね。


 申し訳なくて、苦しくなる。


 それでも、みんなと出会ってからの日々は、すごく楽しかった、幸せに満ちた日々だった。


 せめて、せめて最後に、リステルと、ルーリと、ハルルと、サフィーアの顔が見たかった。

 さよならを言いたかった。


 そんな事を考えると、どんどんしたい事が頭の中に浮かんでくる。


 もっとみんなと料理をして、メノウの美味しい料理が食べたかった。


 同じ宿で寝泊まりして、夜遅くまで話をしたかった。


 ああ、みんなと海が見たかった。

 ビスマ、ジル、ミモル、ごめんね、私も海、見れなかったよ。


 もっと旅をして、もっともっと旅をして、みんなで知らない世界を見て回りたかった。


 もう、叶わない。


 やだ、やだ。

 死にたくない、死にたくない!


 思わず叫びそうになる。


 出そうになった言葉を息を吸って、ぐっと飲みこんだ。


 その瞬間だった。


「ルフェナ!」

「ルフェナ!」

「ルフェナお姉ちゃん!」

「ルフェナ!」


 もう会えないと思ったみんなが現れた。


 みんな泣きそうな顔をしているけど、私は心底嬉しかった。


 私の大好きで大切な、世界一の私の仲間!


 最期に会えた!


「みんな、ありがとう――!」


 精一杯、私ができる、最後の贈り物……。



 ――――――――――――――



 ルフェナが瑪瑙の魔法によって、最後を迎えた。

 涙を流していたが、笑顔で逝けて幸いだと、妾達は思う事にした。



 色々と事情を説明することに難儀をしたが、門を無断で通り抜けたことはお咎めなしとなった。


 少々非道なこともした。


 妾達は今回の事件の顛末を、ジェリー達四人に全ての罪をかぶせる事にした。

 彼女らが密かに街に侵入し、人を殺害していたのだと、そう説明した。

 その際に、ルフェナは四人との戦いで命を落としたと話した。


 冒険者ギルドや警備隊からは、事件が解決したことを大いに喜ばれた。

 誰も妾達が嘘を言っていると、思ってもいないようだった。


 妾達はトライグルの街をすぐに去ることにした。


 お祝いをしたいと言われたり、お悔やみを言いたいと言われたが、全てを断り、街から逃げるように去った。


 誰も何も話さない。


 妾も口を開かない。


 新しい街につき、すぐに出て、また新しい街へと向かう。


 トライグルから出て、もう十日は立つだろう。


 ……瑪瑙は未だ、目を覚まさない。

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