宝珠と宝輪を解析した結果、面白い事がわかった。

 特に宝輪は、ワタシにとって可能性に満ちたものだった。

 宝珠に関しては、まだ十分な解析が出来ていない事も大きいが。


 宝輪を起動した時に発生するマナの光に酷似した粒子。

 これは、マナに非常に近い性質を持っていた。


 マナが濃い場所では、そこに生息する動植物は大きく変異する。


 例えば、地のマナが濃い場所では、動植物が巨大化し、皮膚や表皮といった体の部位が硬質化する傾向にある。

 水のマナが濃い場所では、繁殖力が劇的に増え、傷を負っても驚くべき治癒力を見せる。


 このように、その属性の特性を表すような変異が起こる。


 ただ、これはよほどマナの濃い場所でないと、そしてかなりの時間をかけないと起こらない。

 誰かがこの現象の事を魔化と呼んでいたと、そう記憶している。


 話を戻そう。


 宝輪から出ている光の粒子を長時間立て続けに浴びることにより、体が急速に変容することがわかった。

 魔物の凶暴化の原理を調べている時に、この現象に気づいた。

 変容のしやすさは、どうにも個体差があるようだったが、総じて体の先端、耳や足と言った部位が真っ先に変容していった。


 長時間と言っても、魔化による変異が数百年をかけて行われることに比べて、宝輪から出る粒子を浴び続けたことによる変異は、七日から十日ほどで始まってしまう。

 どうも断続的ではだめらしく、途切れることなく浴びる必要があるようだ。


 魔物の四肢が人の手足のように変質した後も、継続的に宝輪からでる粒子を浴びせていると、思った通りさらに人の形に変容しようとする。

 だが、大半がその不規則で歪な変容に、体がねじ切れたり内臓が潰れたりと、耐えられずに絶命してしまった。

 変容する時の歪さも、個体差が激しいようだった。


 同じ実験を人間に対して施してみたが、全く何の変化も起こらない。


「何で人みたいになろうとするんだろうな? 人間のこの形が、生きるのに最適ってわけではないだろうし。つーかさ、魔力石がそろそろなくなるんじゃないか? 魔石で宝輪って作れないのかよ……」


「それならもう作っているのです。ですが、どうやら失敗だったのです」


「へ? そうなのか?」


 起動する前の宝輪を手に持ち眺めていたルアラが、首をかしげている。


「他の魔物は変異しているのに、魔石で作った宝輪を使うと変異しないようなのです。凶暴化もしないようだったのです」


「それ、なんかおかしくないか? 動作自体はするんだろ?」


「動作はしているのです」


「そっか。まああんまり私は詳しくわからんから、あんたが失敗だって言えば失敗なんだろうな」


「……せっかく魔石をとってくれていたのに、申し訳ないのです」


「ん? 私がとって来た魔石を使ったのか。しゃあないしゃあない。突撃狼コマンドウルフの魔石じゃダメなのかとも思ったけど、違うんだろ?」


「……ええ。あの魔石は突撃狼コマンドウルフのものだったのです?」


「そうだけど。実験した魔物も同じ突撃狼コマンドウルフだったっけ?」


「――!! 他の魔物の魔石はあるのですっ?!」


「あるけど? これくらいの大きさの緑の魔石は大半突撃狼コマンドウルフだったけど、こっちのちっこい黄色いのが跳ね兎バウンスラビットだったはず……」


 ルアラの一言がなければ、実験はこのまま徒労に終わってしまうところだった。

 そこから一気に研究が進んだ。


 突撃狼コマンドウルフに、跳ね兎バウンスラビットの魔石で制作した宝輪を使用したところ、耳が兎のように長くなったり、後ろ足が異様に発達を始めた。

 他の魔物でも試してみると、やはり体の一部が兎のような形になろうと変質を始めた。

 そして、四肢動物として体の作りに類似点が多いからか、途中で絶命する実験体の数は、魔力石を使った宝輪を使用していた時より遥かに少なかった。


 ただ魔力石と比べると、粒子を発生させる持続力と、広範囲に広げる出力が圧倒的に少ない。

 魔石で変質できるのは、一つの宝輪で一匹が限度で、それも途中で失敗する場合もあった。

 ……巨大な魔石を手に入れる必要が出てきた。


 そして、いよいよ人間を対象とした実験に戻る。


 最初に起こった変異は、体毛が生えることだった。

 そして、足が兎の足のように変化を始めた。


 この時ばかりは、久々の歓喜に心が震えたものだ。


 だが、耳が変化を始めたときに、大半の実験体の頭が割れたり、爆ぜてしまった。

 どうやら変化には相当な負荷と苦痛を伴うようで、苦しみ悶え、気をおかしくするものがほとんどだった。


 最初に死んだ人間を解剖すると、心臓付近に小さな魔石らしきものが生成されていた。

 あまりに小さいく脆いため、魔力石の核程度にしかならないだろうが、一応保管をしておく。

 その後の解剖した死体からも、宝輪に使った魔石と同様の属性の魔石が採取できた。


 跳ね兎バウンスラビット突撃狼コマンドウルフと、宝輪に使用する魔石を変えると、変異の仕方も宝輪に使用した魔石の持ち主だった魔物の特徴へ変わった。


 実験に使用した人間五十人程があっけなく死んだ。


 大半は急激な変質に体が耐えられず、頭が潰れたり、内臓が潰れたりして死んだ。

 中には自身の体が異形へと変貌したことにより、発狂して死んだ者もいた。


 実験は大きく進んだが、中々思ったような成果は得られなかった。


 残りの実験素材も心もとない。


 そして、いくつか欲しいものが出来た。


「さて、そろそろハルモニカ王国を出るとするのです」


「……は? いきなりどうしたんだよ?」


「さらなる実験素材を得るために、フラストハルン王国へ行くのです」


「そこへ何しに行くんだ? 実験素材って人間と魔物だろ?」


「他にも出来たのです」


「ハルモニカじゃ手に入らないのか?」


「入らないのです。この国には聖域はないのです」


「聖域って、まさか精霊の棲み処へ行くつもりか?!」


「行くつもりなのです。そこで竜の魔石と、マナクリスタルを取りに行くのです」


「マナクリスタルなんて聞いたことないし、竜の魔石って水竜ウォータードラゴンと戦うつもりか?! 何考えてんだよ!」


「落ち着くのです。別に水竜ウォータードラゴンと戦う必要はないのです。精霊の棲み処には、水竜ウォータードラゴンの魔石がいくつか眠っているのです」


「何で知ってんだよ?」


「ずいぶん前に行ったことがあるからなのです。水竜ウォータードラゴンは精霊の棲み処で最期を迎えるので、そこには土に還った死体が沢山あるのです。そして、魔石は還ることは無く、そこに残されているのです」


「……そこに行くまでが大変じゃないか。それにマナクリスタルってなんだよ」


「純粋なマナの結晶なのです。これも聖域でしか手に入らないものなのです。マナが濃く、そしてそれが妖精や精霊とならなかった、極々希少なものなのです。一つだけ持っていたのですが、さすがにとっくの昔に使ってしまったのです。しかも実験は全く成果が得られなかったのです。まったく、勿体無いことをしてしまったのです……」


「……欲しいって言うのはわかった。特に水竜ウォータードラゴンの魔石が欲しいって言うのも、今の実験の結果を見ていればわかる。竜に変異するかどうかだろ? 試したいことって」


「試したいと言うか、それはもう確定している事なのです。魔力石には人間の因子が、魔石にはその身に宿していた魔物の因子が含まれているのです。それが宝輪によって放出されて、粒子を浴びたものに変異を起こさせるのです。水竜ウォータードラゴンの魔石がどれほどの力を持っているかはわからないのですが、上手くいけば竜の因子をその身に宿した生き物が出来るのです。それがどれほどの力になるかは、未知数なのですが……」


「じゃあマナクリスタルは何に使うんだ?」


「精霊の棲み処にあるのは水のマナの結晶、ブルーマナクリスタルなのです。それには一体何の因子が含まれているのかを確認するのです」


「あー、なるほど。変異するとしたら、何に、どう変異するか、確かに気になるな……」


「本当は、宝珠の解析も進めたいのですが。そろそろ人間の補充もしなくてはいけないのです」


「この村の人間片っ端から、変異させたからな」


 ルアラが用意をしてくれた食事を食べつつ、窓の外を見る。

 窓の外は、人の出す声や物音が微塵も聞こえず、静まり返っていた。


「後五人残っているけど、どうすんだ? 殺すか?」


「ああ、後で処理しておくのです。そんな事をより、さっさとフラストハルン王国に拠点を作るべきなのです」


「そんな簡単に、この国から出られるか?」


 ルアラはいぶかしんで、パンを頬張る。


「ワタシがどれだけ長い年月、国から国を渡り歩いたと思っているのです? 手立てはいくらでもあるのです」


「そっか。あんたが言うなら安心だ」


 翌朝から片付けを始める。


 必要な物は空間収納へ。

 不要な物はまとめて外へ出し、魔法で徹底的に焼き尽くし、焼き残った残骸は地中深くへと埋めてしまう。

 恐らく今の文明の発展具合から考えて、不要な物を残したとて、ワタシがしていることを探り当てるような事はできないだろうが、魔導具や宝珠と宝輪を発明した者がいる様に、思いもよらない事で明るみに出る可能性はある。

 なので、しっかりと痕跡を消す。


「さて、後はこれの処分ですが……」


 土魔法で作った牢屋の中、人間が五人ぐったりと蹲っている。

 ワタシが近くに来たことに気づいた中の人間は、一様に怯えた表情を見せた。


 ただ処分するのはもったいないと思い、女を一人牢屋から連れ出した。


「……あの、どこへ……?」


 震える声でワタシに話しかけてくるが、話しても無駄なので無視することにした。


 村で一番大きな建物の地下へ。

 地下と言っても、途中からワタシが魔法で作った地下空間なのだが。

 その最奥の牢屋に、唯一残った実験体がいる。


 手足の指先からは堅い爪が伸び、肘より先、膝より下は毛が濃く生えている。

 右耳は不自然に尖り、左耳は千切れ落ちていた。

 歯には異常に発達した犬歯が伸びていて、口も頬がなくなるほど裂けている。


 人間から狼に成りそこなったような、不気味で歪な生き物がそこにいた。


「――ひっ?! バケモノっ!!」


「同じ人間に向かって、随分と失礼なことを言うのです」


「人?! あんなのが?!」


「しばらく暴れ回っていたのですが、与えた食事は一切食べずに、すぐにあんな風に動かなくなってしまったのです」


 ワタシはそう言って女の髪をつかむ。


「やめっやめて!! 何をするのっ?!」


「どうせなら、最期に人間を食べるかの実験をしておくのです」


「――いやあああああああっ!!! たすけてっ!!! やああああああっ!!!!」


 耳を劈くほどの叫び声をあげる女を、牢屋の中に放り込み、鍵をかける。


 女の叫び声に反応したのか、今まで丸くなって無反応だった実験体が、のそりと頭を上げた。


「……あ……ああ……」


 虚ろな目で牢屋に入れた女を見て、ずりずりと這いずって近寄ろうとしている。


「ほうほう? 水にも食べ物にも無反応だったのに、人間には反応するのです? それとも知り合いだったのです? 確か、年頃は同じぐらいで同性だったはずなのですが……」


「ひっ! 嫌っ! 来ないで! 来ないでえええええええっ!!!」


 女の体を這い上がり、抱き着くように腕を回した。


「……え? ……もしかして、心配してくれてるの?」


「あ……ああ……あああ……」


 ほっとしたのか、女も実験体にそっと抱き着いた瞬間だった。


「がああああああああっ!!!!」


 実験体が、女の首筋に噛みついた。


「……は……へ?」


 女の間の抜けた声と同時に、血が噴き出した。


「ああああああああっ?!? いだいっ!!! いだいいいいいいいいっ!!」


 叫びながら必死に振りほどこうとするも、しっかりと抱きかかえられていて、逃げることは不可能だった。


「だずげで! ごぼっ!! だずげ……で……」


 血の泡を口から吐き、とうとう息が噛みつかれた喉から漏れ始め、ひゅーひゅーと音が聞こえ始める。


「……おや?」


 最初、ワタシは肉を食べているのかと思っていたが、どうも違うようだ。

 首を食いちぎっていはいるようだけれど、食べてはいない。

 じゅるじゅると何かを啜る音が聞こえてくる。


「血を……飲んでいるのです?」


 それまで虚ろだった実験体の表情が、幸せそうな表情を浮かべていることに気づいた。


「おい、なんかすごい声が聞こえたけど、何したんだよ――って、うわ?! 食ってんのかこれ?!」


 どうやら叫び声が聞こえていたようで、慌てたルアラがやって来て驚きの声を上げる。


「いえ、血を啜っているようです」


「こいつ、発狂してから水も食べ物もなんも食おうとしなかった奴だろ? なんで血なんて飲んでいるんだ?」


「ワタシも良くわからないのです。あれだけ血を飲んで、吐く様子もないのです。普通、血を飲む習慣がない者が血を大量に飲むと、胃が拒否反応を起こして吐いてしまうのです。それがないという事は、この血を啜る行為に意味があるという事です」


「……意味ねえ?」


 二人で話している間も、実験体は血を啜り続けている。


 ワタシは瞳に力を籠める。


「……これは。血が本当の目的じゃないのですね」


「何か見えたんだな?」


「ええ、これは血ではなく、血に含まれている魔力を啜っているようなのです」


 ワタシの目には、血を吸われている女の方から実験体の方へ、赤黄青緑の魔力の光がどんどん流れていく様が、しっかりと写しだされていた。


 徐々に徐々に女の体が干乾びていく……。

 女はとうに事切れたようだ。


 そして、実験体が血を啜るのをやめたと思ったら、


「……あ……れ……? ……ここ……ど……こ……?」


 実験体が、突然理性を取り戻した。


「――?!」


 さすがのワタシもこれには驚いた。


 完全に自我を消失していて、獣のようになって狂ったと思っていた。


 まだ意識が完全には戻ってないのか、頭をゆらゆら揺らしながら、上の方をぼうっと見ている。


「こいつ……言葉が……」


 ルアラも驚いたようで、慌てて牢屋に入ろうとするが、ワタシは服をつかんでそれを止める。


「おい、何で止めるんだよ? こいつ、実験体の最後の成功例だろ?」


「……いえ、ダメなのです」


 ワタシがそう言った時だった。


「おえええええええっ!!! がはっ!! うええええええええっ!!」


 実験体が急に大量の血を吐き始めた。


「おええええっ!! あだ、あだまがいだい!! がらだいだい!!!」


 血を吐きながら、頭を押さえてのたうち回る。

 毛で覆われていない素肌の皮膚が、赤くなっていく。


「あづい! あづい! あづいあづいあづい! だずげで! だれあだずげで!!」


 こちらに向かって手を伸ばす。


「あああ……ああああああ……ああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」


 そして唸り声とも叫び声とも判別がつかないような声を上げたが最後、突如実験体の体から赤い炎が噴き上がる。


「……たす……け……」


 伸ばした手はどさりと地面に落ち、実験体の体は瞬く間に燃え尽き炭となった。


「あー、しばらく肉食えなさそう。気持ち悪い……」


「ふ……ふふふ……。あははははは! 最後に良い物を見れたのです! これでまた実験が進みそうなのです!!! あははははははははは!!!」


「だから、その笑い方怖いって」


「……おっと失礼したのです」


 咄嗟に手で口を押さえるが、嬉しさのあまり口がにやけてしまう。


「そうそう、あんたはにやけているぐらいがちょうどいいんだよ」


 残りの四人をこの牢屋に放り込み、そのまま地上階の家ごと崩落させて、埋め立てる。

 ここに建物があったことは、わからないようになった。


「さて、残りの処理も終わったので、とっととこの国を出るのです」


「あいよ。んでさ、どこからフラストハルン王国に入るんだ?」


「さすがにフィッスルンからは出られないのです。あそこは厳重に警備がしかれているのです」


「いや、私は街の名前を言われても知らんし」


「国境沿いの街の一つにハーピアという小さな街があるのです。あそこは代々密入国を手助けする一族がいるのです」


「そんなことしてる連中がいるのか」


 残った痕跡がないかの最終確認をするために、ワタシたちは生き残った者がいなくなった村を巡る。


「とても小さな街なのです。だからそうやって裏稼業を生業としている連中がいるのです」


「なるほどな?」


 痕跡が残っていないことを確認し終え、ワタシ達は村を去る。


 歩いている最中、ルアラが唐突に話を切り出した。


「なあ。亜人の中に獣の特徴を持った奴がいるだろ? 私も一回見たことあるだけなんだけどさ……」


「ええ、確かにいるのです。狼のような耳と尻尾、犬歯を持った種族、兎のような大きな耳、小さな丸い尻尾、発達した足を持つ種族。挙げればきりがないほど存在しているのです」


「あいつらも、実はあんな風にして作られたんじゃないかって思って」


「あー、今している実験を見て、そう思ったのですね?」


「……うん」


「八千年ほど前にも存在していたので、それはないのです」


「そうなのか?」


「ワタシの話はしたので覚えているのです?」


「ああ、ちゃんと覚えてるよ」


「ワタシがいた施設には、亜人が結構いたのです」


「そうなんだ?」


「当時は確か異界から来たと、言われていたのです」


「異界?」


 首をかしげるルアラ。


「行き来が途絶えてからそれなりの年月が経ったので、今異界の事を知っているのは少なそうなのです」


 異界とは、天界、魔界、二つの世界の事を言う。

 この世界のどこかに、その二つの世界を行き来できる扉があると言われているが、ワタシも見たことは無い。


 八千年よりさらに昔の時代から、この世界と友好的な関係を築き上げてきたらしく、亜人と呼ばれている存在は、その二つの世界からの移住者だと言われていた。


「うーん、ワタシは異界関連の知識はあまり多くないのです……。エルフ辺りなら知っている者も多いかもしれないのですが」


「エルフって私見たこと無いんだけど、本当に存在しているのか?」


「この国周辺が、ただ単に亜人があまりいないだけなのです。ガラクへ行けば普通にそこら辺を歩いているのです」


「ん? じゃあなんでこの辺りは亜人って少ないんだ?」


「ああ、それは簡単な話なのです。この大陸の西端に、亜人が多く住む国があるのです。大半の亜人はそこに行くので、わざわざ危険を冒してまで、こちらの方へあまり来ないだけの話なのです。たまに見かける亜人は、宝石族ジュエリーのように元々この近くに古くから住んでいる一族か、物好きな冒険者なのです」


宝石族ジュエリーってさ、テインハレスにいるのが全部なのか?」


「まさか! この世界のあちこちに存在しているのです。まあ扱いはどこの国家も変らないようなのですが。女ばかりの街があれば、だいたいそこに宝石族ジュエリーの一族はいるのです」


「へえ? 色々聞いてみるもんだな」


「八千年、ただ生きてきたわけではないのです」


「そうだな。良かったらまた今度色々教えてくれよ」


「もちろんなのです」


 こうして、ワタシ達はフラストハルン王国へ行くために、歩みを進めるのだった。

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