いつか見た光景
私達は、新緑祭が終わるまでの三日間を思う存分に楽しみ、次の街へ向かう事に。
出発前には、冒険者ギルドで周辺地域の情報や、宿屋の女性から聞いた情報が間違っていないかの確認をし、
今のフラストハルン王国は、魔物の動向は例年と大して変わらない程度らしく、旅をするにはいいタイミングじゃないかと、冒険者ギルドの人から言われた。
ただ、注意事項として、穏緑の頃初旬から獣も魔物も活動が活発になるから、主要街道でも気をつける事と、注意を受けた。
そう言えば、セレエスタの街を襲った集団、……スペリオルだっけ? その集団が何やらしていたせいで、ハルモニカ王国の魔物の動向がおかしくなってたっぽいけど、今はもう大丈夫なのかな?
魔物の動向と言えば、フルールの街の近くにあるキロの森。
まだマナは目に見えるぐらいに濃い状態が続いているのかな?
アミールさんにスティレスさん、セレンさん達は元気かな?
私にはもう確認する術はないけれど、出会ったみんなが平和で元気に過ごしている事を願っています……。
そんな事を、馬車に揺られながら考えていた。
「コンタクト!」
ルーリの声が聞こえてきたと同時に、馬車が急停止する。
私達はすぐに荷台から飛び降りる。
広い草原の少し小高くなっている場所から、こちらに向かって人が三人走ってくる。
「助けてっ!」
私達の姿が見えたのか、大声で叫んでいる。
「ウオオオオオオオオオオン!!!」
遠吠えが聞こえたかと思うと、ぞろぞろと三人の後を追い掛けてくる黒い塊。
「
ハルルが黒い塊の正体に気づいた。
「ひいっ?! もう少しでサーキスなのにっ!!!」
御者をしてくれていた女性が、遠吠えを聞いて悲鳴を上げる。
「ルーリは分断と後方支援、サフィーアも! 馬車の護衛もお願い! 私とハルルは前に出て蹴散らすよ! 瑪瑙は中衛! 私達が零した奴をお願い! 数が多いよ! 気を引き締めてっ!」
『了解!』
リステルの指示に従い、各々が即座に行動する。
リステルとハルルは武器を構えて前へと走る。
少し遅れて私も続く。
「グランドスピアー!」
ルーリが地面に手をついて魔法を放つ。
こちらに向かってくる三人のすぐ後ろ、
「ヘイル・ブルージュエル!」
槍衾が出来たことで、こちらへ向かってくる勢いが落ちた集団に向かって、サフィーアが宝石魔法を解き放つ。
深浅様々な青色の宝石が上空から無数に降り注ぎ、
「そのまま走り抜けて!」
リステルが逃げて来た三人に声をかける。
私は三人の動向に注意する。
槍衾を迂回しようと左右に分かれた
リステルを襲おうと飛び掛かった
リステルは怯むことなく剣を振る。
薄緑に輝く剣を振り下ろし、巨大な
相変らず踊っているかのように見える綺麗な剣戟で、次々と
巨大な狼達は、リステルを脅威と見て距離をとろうとするが、リステルが剣を虚空へ振るった瞬間、見えない刃に斬り刻まれ血飛沫を上げる。
ハルルは下段に構えた大鎌を振り上げ、容易く
自分の身長より遥かに大きい大鎌を軽々と振り回し、容赦なく巨大な黒い狼達を両断していく。
隙ありと後ろから飛び掛かった一匹をあっさりと躱し、その後ろ脚を掴む。
そのまま飛び掛かろうとしたもう一匹の顔面目掛けて、捕まえた
ルーリが作った槍衾を後続の
逃げて来た三人はもう限界なのか、かなり走るスピードが落ちていて、このままでは追い付かれる。
私は、この異世界に放り出された直後のことを思い出していた。
初めて出会った魔物が
そして今回の様に、三人の冒険者が
その冒険者は驚くことに、私達に
幸い、リステルがすぐに気付いて声をあげたことでルーリが対応できて、私達に被害は出なかった。
その後フルールの冒険者ギルドで、
この三人が本当に
私は氷の槍を複数空中に出現させ、走り出す。
「そのまま武器に触れず、駆けて抜けてください」
「――っ! ありがとうっ!」
すれ違いざまに声をかける。
この様子なら大丈夫だと思いたい。
「ふっ!」
逃げて来た三人に迫ろうとしていた一匹めがけて、鞘から剣を一気に抜き放つ。
一閃した
次に、私に噛みつこうと飛び掛かって来た一匹を左に躱しつつ、両手持ちした剣で、口から横腹にかけてを斬り裂いた。
私の横を抜けようとした
氷の槍に貫かれた
それにしても数が多い。
あと、
これは恐らく、上位種の
考えながらも剣を振り、魔法を放つ。
そして。
「ウオオオオオオオオオオン!!!!!!!!」
再びの遠吠えと共に、一際大きく赤黒い色の塊がこちらに突っ込んできた。
「フリーズランス!」
咄嗟に氷の槍をいくつも解き放つが、こちらに突っ込んでくる
「アイスウォール!」
慌てることなく私は目の前にぶ厚く巨大な氷の壁を出現させる。
ズゴンという、重く鈍い衝突音が響くが氷の壁はびくともしない。
「フローズンアルコーブ」
猛スピードで氷の壁に激突した衝撃で怯んだ隙をつき、地面ごと体を凍り付かせて行動不能に。
「メルティング」
氷の壁に手を触れ、氷の壁を腰ぐらいの高さを残して瞬時に溶かし、タンタンと氷の壁を足場にして
「エンチャントウィンド」
薄緑に輝いた剣を上段から振り下ろし着地する。
ズドンと、ワンテンポ遅れて
水を剣に纏わせ血を漱ぎ、その水を振り払い、剣を鞘に納める。
「ふぅ」
私は軽く息を吐いて、呆然と私達を見ている三人の下へと向かう。
「怪我はありませんか? 治癒魔法が使えますので、癒せますよ」
逃げて来た三人は私達と同じくらいの年の女の子だった。
「た、助かった……」
三人共へなへなとその場にへたり込む。
「あっ! 治してもらっていいですか?」
一人の女の子が、左腕の傷を見せる。
どうやら軽く引っ掻かれていたようだった。
「わかりました」
すぐに治癒魔法をかけて傷を癒す。
「すごい、一瞬で傷が治っちゃった……」
「ちょっと?! その程度の傷で治癒魔法かけてもらってどうすんのっ! お金いくらするかわからないんだからね?!」
「――あっ!!」
治癒魔法を行使していると、青い顔で仲間の一人に怒鳴る。
傷を癒した子もハッとして、顔を青くした。
もう一人は、あちゃーと言う顔をしている。
「あははは……。安心してください、私は別に治癒魔法でお金をとったりはしませんよ」
私は、まあまあと宥める。
「――っ! すみません! 助けてもらったのにお礼すらまだ言ってませんでした! 助けてくれて、ありがとうございます!」
お金の事を心配していた女の子が、青かった顔をさらに青くして、ペコペコと頭を下げている。
それにつられるように、残りの二人もお礼を言う。
「大したことがなくて良かったです」
三人に安心してもらえるように、出来るだけ優しい声音で話す。
「瑪瑙!」
「瑪瑙お姉ちゃん!」
リステルとハルルが駆け寄ってくる。
「二人とも怪我はない?」
「もちろん!」
「ないよー」
「瑪瑙は?」
「見ての通り!」
二人とハイタッチをして、お互いの無事を喜んだ。
「さてあなた達。倒した魔物の死体は私達の物ってことでいいかな?」
「あっはい!」
「了解。じゃあ私は回収できそうな死体は回収してくる。ハルル、ダメそうなやつの尻尾をとってもらってもいい?」
「ん!」
「私はこの人たちから事情を聞いておくよ。何かあったら知らせてね」
「はーい!」
リステルとハルルは、手を振って魔物の回収へと向かった。
「ここの草原は
私は、ルーリとサフィーアが護衛してくれている馬車の所まで歩きながら事情を聞く。
「いるという話しは聞いていたんですが、私達、
「この時期になると魔物が活発に動き出すので、サーキス周辺でも冒険者が増えていたんです。私達もどうにかして魔物を探していたんですが、近郊では中々見つからず。無理を承知で少し遠くまで来たら、このざまです……」
聞くところによると、彼女達三人はまだまだ駆け出しの冒険者だそうだ。
「あの、皆さんはどこからいらっしゃったんですか? この辺で活躍されている冒険者ではありませんよね?」
と、一人が聞いてくる。
「そうですね。私達はハルモニカ王国から来ました」
「えっ?! ハルモニカ王国?! それじゃあ恵みの街フルールへ行ったことってありますか?」
私がハルモニカ王国から来たというと、目を輝かせる三人。
「えっええ。私はフルール出身なので」
若干気圧されつつも答える。
「いいなー。あそこだったら私達ももっと活躍できるかもしれないのにねー?」
「だねー」
私はこの三人が戦う姿を見ていないので実力はわからない。
立ち居振る舞いで実力を推し量れるわけでもない。
「私達はレーベックの冒険者ギルドで、温かくなり始めるこの時期は魔物も活発に活動するから注意するようにと言われました。皆さんはまだ魔物狩りを続けるでしょうから、気をつけてくださいね」
「はーい」
うーん、同性で年が近いせいもあるのか、さっきまでの緊迫感はどこへやら。
なんとも気の抜けた返事が返って来た。
本当は、もっと慎重になったほうが……と、言いたかったのだけれど、余計なお世話だろうから言わなかった。
「戻ったよ」
「お帰り瑪瑙。だいぶ余裕だったわね?」
「リステルとハルルもいたからね。それに、ルーリとサフィーアが分断して数を減らしてくれてたし」
「定石道理に進んで良かったのじゃ」
馬車を護衛してくれていた、ルーリとサフィーアとも手を合わす。
「みなさんあんなにお強かったのですね! あの数の群れを危なげなく片付けてしまうなんて!」
御者のお姉さんが御者台から飛び降りてきて、私の手を取りぶんぶんとふる。
「あはははは……。運よく上手く行っただけですよ……」
「私達だって魔法が使えればあれくらい……」
小さく悔し気に呟く声が聞こえた。
それに関しては私は何も言えない。
私は元々魔法なんて使えなかったんだから。
彼女達三人の誰かが魔法を使えていたら、今回のような事にはならなかったかもしれない。
「お前さん達、駆け出しじゃな?」
「そうだけど……?」
自分達より背が低く幼い出で立ちのサフィーアに、少し動揺した様子で返事をする。
「冒険者ならもっと現実的な視点を持つべきじゃな。魔法が使えたら。もっといい装備があれば。もっと実力があれば。考えればキリがないし、考えたくなる気持ちもわからんでもない。妾もそう言った経験はある。じゃが、今お前さん達が置かれた状況で、その言葉が出るのは良くないのじゃ。冒険者は選択を誤ればあっさりと死ぬのじゃ。慎重に慎重を重ねても恐らくは足りん。駆け出しなら尚の事じゃろうに。自分たちの実力をしっかりと見極めて、それ相応の行動を心掛ける事じゃ」
「……ごめんなさい」
サフィーアが優しく諭すと、三人はしゅんとして頭を下げる。
「何にせよ、あなた達が無事で大事にもならず、良かったわ」
「うん、ありがとう」
しょげている三人にルーリが優しく微笑みかけると、三人は照れ臭そうに笑った。
「ルーリー」
「ルーリお姉ちゃーん」
後から、リステルとハルルの声が聞こえた。
振り返ると、おばけのポーズの様に手を前にだらんと垂らした二人が。
「……うっ」
「あー! 瑪瑙! 今引いたでしょ!」
「瑪瑙お姉ちゃんひどーい!」
「だって二人の手真っ赤じゃん! 血みどろじゃん!」
「魔石とってたんだから仕方ないでしょ!」
「ちょっとやだ! 触ろうとしないで!」
「あ、かちーん!」
「ぶー!」
私は二人に追い掛け回された。
「はいはい、馬鹿なことやってないでこっち来て」
「あ”-っ!!! 服についたー!!!」
「あっはっはっはー! 瑪瑙がわる――がぼがぼがぼ」
バッシャー!!!
私はリステルの顔に水をかけた。
「ハルルも水かけて欲しい?」
嬉しそうに両手を挙げて私を追い掛けていたハルルをじっと笑顔で見る。
ハルルは一瞬でピタっと止まり、とんでもないスピードで首を横に振る。
「お姉ちゃん、おめめ笑ってない」
「ちょっと瑪瑙、酷くない?!」
髪がびしょびしょになったリステルが私に抗議する。
「酷くないっ!」
「あーもう! じっとする! 全員に水かけるわよ!」
ルーリの絶叫で私達はピタっと動きを止めて、ルーリの前に並ぶ。
「……え、妾もか?」
ぎょっとした顔でルーリを見るサフィーア。
「みんなって言ったらみんなよ! はい、リステルとハルルは手を出して!」
「はーい」
「ん!」
ルーリは魔法で二人の手を綺麗にする。
「瑪瑙の服はまた後でね! あと、リステルの髪をちゃんと乾かしてあげなさい! と言うか、瑪瑙も普通に返り血浴びてるんだから、気にする必要なかったんじゃない?」
「えー? 仕方なく血が付くのと、わざとつけられるのって違うもん!」
私は少し頬を膨らませる。
私達のじゃれている様子をポカーンと口を開けて、助けた三人組は見ていたのだった。
「やれやれ。何とも締まらんのう」
そう言ってため息を吐くサフィーアも、何処か楽しげだった。
私達が倒した魔物は、
死体を三十一匹、尻尾を二十三本と魔石二十三個と、中々の数になった。
私達はサーキスの街へ到着してすぐに、助けた三人に案内してもらい、冒険者ギルドへ向かった。
「魔物の査定はこっちですよー」
常設依頼に
少しの鉄錆た臭いと、獣の匂いが漂ってくる。
供えられた机の上には、魔物の死体や体の一部が乗せられていて、制服を着た冒険者ギルドの職員が査定を行い、それを持ち込んだ冒険者が見守っている。
「それじゃあ私達はこれで。助けてくれてありがとう! 忘れないからね!」
「うん! 案内してくれてありがとう。バイバイ!」
馬車の中で色々と世間話をして、敬語じゃなくなる程度には仲良くなった彼女達と別れる。
「なんか査定所に来るの久しぶりな気がする」
「前に来たのっていつだっけ?」
「クラネット以来じゃない? セレエスタで魔物と戦ったけど、死体は全部セレエスタに寄付だったし」
「そう思うと随分前じゃな」
他愛も無い話をしながら査定所の受付へ向かう。
「こんにちは。どれだけの魔物をお持ち込みですか?」
「えっと……。
「尻尾は二十三本、残りは死体よ。リステル」
「ありがとうルーリ。それでお願いします」
「……」
受付のお姉さんは、口をパクパクして固まっている。
おいきいたか?
ああ、嘘だろ?
あんな子供にそれだけの魔物が倒せるのか?
そんなことより、この近くでそれだけの魔物が出たって事だわ!
受付のお姉さんに話したことを聞いていた人達が騒ぎ出し、査定所は騒然とする。
「し、少々お待ちください!」
慌てた様子で受付のお姉さんは走り去ってしまった。
「あーしまったね」
「受付で先に話しておけばよかったかも?」
「ん。久しぶりだから忘れてた」
やってしまったことはやってしまったことなので、私達は甘んじて奇異の目を受け入れて、受付のお姉さんが帰ってくるのを待つしかなかった。
そこそこ長い時間を待たされて、ぞろぞろと人を引き連れて、受付のお姉さんが戻って来た。
「この方達です」
「そうですか。ご苦労様、あなたは業務に戻ってください」
「はい」
「お待たせしまして申し訳ありません。私、当冒険者ギルドのギルドマスターをしておりますグレイです。こちらはサブマスターのエーラ」
男性は軽く会釈をし、隣に立っている女性へ手を向ける。
「どうぞよろしく」
エーラと呼ばれたサブマスターさんは綺麗なお辞儀をする。
うーん大事になってしまった。
こちらも軽く自己紹介をする。
「その名前はどこかで聞き覚えが……」
エーラさんが小さく呟いた。
「失礼ですが、本当にそれだけの魔物をお持ちで?」
ギルドマスターのグレイさんは、訝し気に私達を見る。
「口で説明するより、見せた方が早いのでは?」
どうにも信じられていないようだった。
「ふ、それもそうですね」
少し鼻で笑い、頷いた。
「それじゃあまずは、尻尾から」
机にずらーっと尻尾を並べるリステル。
それを見た職員の一人が慌てて尻尾の確認をする。
「……し、尻尾は本当に二十三本ありますね。
職員の一人がそう言うと、査定所内がまたざわざわと騒めき立つ。
ギルドマスターさんの顔が、ひくひくと引き攣っている。
「死体はどのあたりに?」
リステルが問いかけると、
「失礼しました。すぐに机をどかします。みんな手伝って!」
『はい!』
サブマスターさんが他の職員の人にも声をかけて、急いでスペースを設ける。
「これぐらいで大丈夫ですか?」
「あー、マーダーが大きいのでもうちょっと広いほうが」
「はっはい!」
かなり慌てた様子で、机をどかしてくれている。
開けられたスペースに向かってリステルは手をかざす。
ズズンと重い音を立てて、首のない
リステルは続けて
さっきまで騒々しかった査定所は、もう誰一人とも口を開いておらず、静まり返った。
周りの目を気にせず、リステルはさらに
どの死体も一目で
首が無いのがいくつかあるんだけど。
ちゃんと首も添えられている。
「わァ……ぁ……」
一見すると、魔物の死体が山ほど詰まれた凄惨な光景に驚いたのか、ギルドマスターのグレイさんは情けない声を上げ、へなへなとその場にへたり込んでしまった。
「集合ー! 手すきの職員全員集合ぉぉぉぉぉぉ!!」
涙目のエーラさんの絶叫が冒険者ギルド中に響く。
私達はその光景を、どこか懐かしい気持ちで見守っているのだった。
「――くしゅん! くちゅん!」
「セレン、風邪ですか?」
「そんなことは無いと思うんだけど……」
コンコンと執務室の扉がノックされる。
「どうぞ」
「失礼します。あのー、魔物の死体の大量持ち込みがあったのですが……」
アミールが困った顔で執務室に入って来てそう言った。
「……あの三人ですか?」
「……はい」
「セレン、お願いしてもいいですか?」
苦笑交じりにガレーナは言う。
「わかった、行ってくる。じゃあガレーナ、書類置いて行くわね」
執務室を後にするセレンとアミール。
「ハルルさんがパーティーを抜けて色々あったのはわかりますが、人って変わるものですね」
セレンは懐かしむように、フルールを旅立っていった八人の事を思い出す。
「真面目になったのだからいいじゃないですか。この時期は魔物が活発に活動を始める頃ですし。リステルちゃん達がいなくなってからも、ずっと頑張ってくれていますよ」
「それはわかるんですが、私達にそのしわ寄せがくるんですよ?」
二人は急いで査定所に向かうと、
「遅い遅い! もっと早く来いよ二人とも―!」
やれやれと言った表情のスティレスが待っていた。
「お待たせスティレス」
「セレン、
「うわーん! 手のあいてる職集合~~~~~~~~~っ!!!」
セレンの絶叫が冒険者ギルド中に響き、その日、フルールの冒険者ギルドは大忙しになったそうだ。
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