第4話 特訓2

 昼食後。


「武器を購入後、俺が戦闘する。翠と琴音は見ているだけで良い」


 大地が言うと琴音は怪訝な表情になった。


「大地さん。見ているだけですよね?」

「そうだ。二人とも行くぞ」

 

 大地は翠と琴音を連れ武器屋に向かった。



 武器屋でナックルダスター、弓、剣を買い大地は剣を装備。

 翠はナックルダスターを装備。

 琴音は弓を装備した。


 武器屋を出て三〇分歩かないうちに翠と琴音は疲労感を漂わせていた。

 見かねて大地は二人に魔法を使った。


「リフレッシュ」


 翠と琴音は光りに包まれ疲労が抜けてゆく。

 翠は下を向き自身の手のひらを見つめた。


(凄い。疲れがなくなる)


 光りが消え体力は完全に回復した。


「歩けるか?」


 翠と琴音は頷く。

 大地は翠と琴音と共に歩き出した。



 リフレッシュを何度か使い三人は森の付近まで来た。


 大地は荷物を下ろし地面に置いた。


「今から魔物と戦う。翠と琴音はここで見ていろ」


 大地は翠と琴音に声をかけ二人の前を歩く。

 緑色で人間の子供位の大きさが五体、大地の視界に入った。

 ゴブリンと呼ばれている人間に似た魔物だった。

 大地は剣を鞘から抜く。

 近づきゴブリンを一体斬る大地。

 ゴブリンが一体倒れた。

 ゴブリン一体が拳を放つ。

 大地は正面から迫るゴブリンの拳をかわしゴブリンを斬る。

 ゴブリン一体がうつ伏せに倒れた。

 ゴブリンは残り三体となる。

 三体のゴブリンの顔が赤くなり大地に襲い掛かった。

 

 一振り。

 二振り。

 三振り。


 大地は三度、剣を振り三体のゴブリンを仕留めた。


「凄い」


 翠の口から小声がもれた。

 自身でも気付かないうちに翠は大地に魅かれていた。


「クリーン」


 魔法で大地は自身の服に付いた汚れを落とし綺麗にした。


 

 戦闘を終え大地たちは街に帰った。


          ***


 トレーニングを始めて三日が過ぎた。

 昼食後、翠と琴音に大地は指輪を一つづつ渡した。


「これは?」


 翠の質問に大地は答えた。


「これを装備する事で技量が早く上がる」


 二人は指輪を右手人差し指にはめた。


「翠はナックルダスター。琴音は弓を装備した後、今から出かける。支度しろ」


 大地は言い終わると翠と琴音の支度が終わるのを待った。



 平原。


「翠。これが構えだ。そしてこれが正拳突きだ」

 大地は構えて正拳突きを放つ。


 ……


 大地は翠に視線を送った。


「翠。構えてみろ」


 翠は拳を構えた。

 大地は翠を観察する。


(おかしな……ところは……ないな)


 大地は声を出した。


「良し。正拳突きだ」


 翠は正拳突きを放つ。


「中々良い正拳突きだ。俺は琴音に教えてくる。翠は休憩していてくれ」


 大地は翠を褒め琴音の方へ歩き出した。



 大地は琴音から弓を借りる。


「琴音。俺の横で見ていくれ」


 琴音は大地の横に移動した。

 正面にある木に視線を合わせる大地。


「こうやって弓を引き」


 大地は集中する。


「放つ」


 大地が射た弓矢が木に命中する。

 大地は琴音に弓を返した。


「良いか。初めは矢を使わず弓を引く動作に慣れろ。慣れたら矢を持ち弓を引け。

俺は琴音の横で見ている」

 

 大地は琴音の横に移動した。

 

 大地が見ている中、琴音は弓を引く。

 琴音の腕が振るえる。


(思った以上にきつい)

 

 ……


 大地は思う。


(もっと鍛えないとだめだな)


「琴音は筋トレだ。翠にトレーニングメニューを伝えた後、俺は化け物狩りに行ってくる」

 大地は翠の方へ歩き出した。

 


 琴音は筋トレを始めた。

 足を開き上下に体を動かす。

 胸も体に連動して上下に揺れる。


 琴音と翠は汗を掻く。

 汗が地面へ落ちた。

 琴音と翠は思う。


(強くならないと)

(強くならなきゃ)


 翠と琴音はトレーニングをする。



 二人がトレーニングをしている中、大地は独り獣や魔物を狩っていた。



 

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