第518話 恐るべき天衣無縫Ⅳ
「流石に効いたようだな」
「貴方もMPを相当削っているじゃない」
「しかし効果はあった。貴様のMPと体力を相当削ったからな」
一方で
「仕方ないわね。ミクちゃんに後でMPを回復させてもらおうかしら」
デアはそう呟くと
「何をする気だ?」
「勿論コレよ?」
デアはニッと笑みを浮かべると、デアのMPが右手に集中していた。これはあのアルティメットスキルだ。
「
デアがそう叫んで巨大な光の槍を投げ飛ばすと、
「何だこれは!? 力が一気に無くなった――!」
と
「それでは続きを始めましょうか」
デアはそう呟くと
「これであおいこよ」
デアはそうは言ったものの疲労した様子を見せていた。さっきの発言も他人から見たらただの強いがりだ。それを
「これは俺が時間を稼ぐか。ミクちゃん、デアのMPを回復してあげてくれ」
「任せて」
俺はミクちゃんにそう指示をすると、早速
「ほう。時間稼ぎにきたのか?」
「ご名答。でも俺が勝っちゃうかもよ?」
「やってみるがいい」
俺が
その間にもデアはミクちゃんによる
「私も混ぜさせてもらおう」
そう言って応戦に来てくれたのはルシファーだった。俺も刀の腕は相当が上げたが、ルシファーは最強の剣士。当然、彼が応戦してくれた事で
「MPは余っているな?」
「ああ」
ルシファーの確認のサインに、
そして俺とルシファーは二人同時に刀を一度鞘に納めて抜刀の構えをした。
「
俺とルシファーの
そして、このアクティブスキルを受けた
「のう。もしかしてこのまま勝てるのではないか?」
「そうだといいが」
アスモデウスさんの発言に、
まだ体を再生しようとしているときに俺とルシファーは容赦無く斬りかかろうとした。しかし――。
完全には回復していないのに、バラバラになっている
「そうはさせんぞ」
体が完全に元通りになっている訳では無いのに俺達はそのまま後方へぶん投げられた。
空中で体勢を整えた頃には体が元通りになっていた。
「俺様の嫌いなアクティブスキルを二つ同時に使いやがって。貴様等許さんぞ」
「――本当に化け物だなアイツ」
「魔界にあれほどしつこい生物はおらんぞ」
ルシファーも思わず苦笑。これほど追い詰めているのに、倒せるイメージが浮かばないって本当にどうかしていると思う。
「待たせたわね」
「凄いなめちゃくちゃ元気になっているじゃん」
俺がそうデアに言うと、「ミクちゃんのお陰よ」とデアは笑みを浮かべていた。
「ふざけた真似を――」
俺達が
「
「何だナリユキ? 俺様に情けか?」
「情けというよりある意味尊敬しているんだよ。これほど多くのZ級に囲まれているのに絶対に勝負を諦めないその姿勢に」
「成程な。しかし俺様は全てを破壊する事で欲を満たせる生物であり、それが俺様の使命。地上を破壊すれば、
「――地上へ来てよかったな。魔界まで来ようとしていたとはな」
ルシファーはそう言って
「やはり貴様はここで殺しておかねばなるまい。覚悟はいいな? 黒龍」
ルシファーの目つきがガラリと変わった。そして邪気が高まっていく――。
「そろそろ発動しよう」
間違いない。ルシファーは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます