第517話 恐るべき天衣無縫Ⅲ
「私の
「何――?」
デアの言葉に
「成程。ならば俺様でも攻略できない訳では無いのか」
と、呟いていたので本当に攻略しそうな気がする。
「未来を捻じ曲げる――。さっきから俺様は思った通りに動けていないだけ」
「少しは考える事できた?」
「あとは試すのみだな」
そう呟いた
「何かあれだな。ちょっかいかけようと思えば、俺はちょっかいかけれるのに、何か手を出したら駄目な空気出てるよな。ほら、漫画やアニメでそこ手助けしたらいけるんじゃね? ってシーンあるだろ?」
「確かにそうだね。それに
「異世界の人間と言うのは呑気だな」
「本当じゃのう。まあそこが良い点ではあるがのう。そもそも妾と
アスモデウスさんに関しては
「せっかく地上に来たのに、攻撃を与える隙が無いとどうしようもないな」
ルシファーは二人の戦闘をまじまじと見ながら常に乱入できる隙を伺っているようだ。
「ねえナリユキ君気のせいかな?」
「何が?」
「
ミクちゃんの言った通りだった。
「奴も戦いのなかでスキルが増えるほど、戦闘センスの高い龍族だ。未来を超越できても可笑しくはない」
「ナリユキ。あのデアという女は普段どんなスキルを持っているんだ?」
ルシファーがそう質問してきた。そう言えば、
「デアは転生者で、コヴィー・S・ウィズダムの手によって、龍族、魔族、
「もしかして
「ああ。
「――成程。魔界で広めておくか。地上に侵攻しようものなら、神のユニークスキルを持つ二人の転生者と、
「そうしておいてくれ。敵がわんさか来るのは普通に困る」
俺とルシファーがそう会話をしている時だった。「あっ!」とミクちゃん、
「お返しだ小娘」
デアは全ての体が再生するなり「ふう」と溜め息をついていた。
「やるわね」
「これ決着つくのかな?」
「いや、しばらくは無理だろ。
俺がそう言うとルシファーが「体力勝負か――」と少し苦い表情を浮かべていた。多分体力勝負には自信ないのだろう。
突如、
「皆! 今すぐここから離れて!」
デアは剣幕な表情を見せながらそう叫んだ。
「離れよう」
俺達はデアの言った通りこの場から直ぐに離れた。事情は分からないけど、デアのあの焦り方は異常だった。そして突如としてデアと
爆風が止むと爆心地から半径10kmの場所は何も無い更地となっていた。そして隕石でも落ちたのか? と疑うレベルのクレーターは、マーズベル森林の生物を一瞬にして塵と化したのは言うまでもない。
「俺、やっぱり
「本当に酷いよね……」
「まあそこは余に任せろ。いくらでも自然を元通りにしてやる」
「ありがとうございます」
俺がそうお礼をすると、
「デアさん。大丈夫かな?」
「流石に今の爆発はマズそうだな」
そう思っていた時だった。二人の
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