第514話 力を開放する黒龍Ⅴ
光が止んだと思えばそこに
「そんな訳ないよな」
俺がそう呟いた瞬間だった。
「甘い」
「喰らえ。
禍々しい大量の邪気と、紫色の雷を纏った極大な黒炎のエネルギー波は俺に容赦無く襲い掛かった。当然反応できなかった俺はモロに直撃。体も一度バラバラに吹き飛ばされた。
また、
「まだだ!」
「
体中が引き裂かれたような痛みを襲った――。
「こんなに攻撃を喰らっていては、俺のメンタルが持たないな」
俺は思わず苦笑いを浮かべた。
「痛みを感じる割には断末魔すら上げないとは流石だな」
「痛すぎて上げられないんだよ。しかもしれっとステータスに無い技をいきなり出しやがるし」
「貴様と戦っているうちに俺様もどんどん技を習得しているようだ」
「歓迎したくないね。スキルなんか覚えなくていいぞ」
「それほど熱い戦いが出来ているという訳だ。さあてもう少しギアを上げるか」
「ったく。止めてほしい限りだぜ」
「待たせたな」
俺が苦笑を浮かべていると、
「行くぞ!」
ってえなクソ――。
俺の体が再生しようとバラバラになった肉片が俺の頭部に集まっていた時だった――。
「
その台詞と共に俺の体は再び吹き飛ばされてしまった。これぞ手も足も出ないというやつだ。
絶対に死ぬことが無い俺は戦意喪失する事はないが、これだけ大量の邪気と攻撃を喰らっていたら、体力の消耗が激しく判断力や動きのキレも鈍ってくる。
完全に体が再生した俺は、
「こんなもの!」
俺は眼下に見える岩山に向かって
そしてその岩山の四方には北にミクちゃん。南に
「行くぞ!」
俺の号令で皆が放出系のアクティブスキルを繰り出した。
ミクちゃんは
そして俺が放ったのは
「さて――どうなった」
皆の決死の攻撃は当然ながらマーズベル森林をめちゃくちゃにしていた。半径3km程の巨大なクレーターを作りその周辺の緑は無くなっていた。え? ここって荒地だっけ!? って勘違いするほどの有様だ。まあ仕方ないか。
「どうかな?」
ミクちゃんが俺にそう言い寄って来た。
「こればかりは分からないな。アレで死ぬような戦闘値じゃないし――
「確かにそうだね。戦闘値はどれくらいまで上がっているんだっけ?」
「50,000だぜ? 信じられないよ」
俺がそう言うとミクちゃんは「ハハ――」と乾いた笑いを浮かべていた。
「それ――どうしたら倒せるの?」
「分からねえ。アードルハイム帝国に落とした
「流石にそれはいけるでしょ?」
「でも相手
「まあ――確かに」
俺がそう言って妙に納得をしたミクちゃん。これまで何回も戦ったけど結局倒せずにいるのはそういう事だ。いっそ、この世界の星のマントルに閉じ込めるとかの方法じゃないと、一生
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