第512話 力を開放する黒龍Ⅲ
「気を付けろよ。
「貴様は
「確認しているんだけど、こんな序盤でダメージを受けまくって放つようなアクティブスキル――」
「それが無いという訳か」
「そういう事だ。あいつ、再生はしているけどしっかり体力は減っているんだ。それは皆が
「成程――」
ルシファーはそう言って何か考えていたようだけど――。
「特性じゃない?」
「確かにそうかも。でも考えていても仕方ないか。早いところ決着をつけよう。
「作戦会議は終わりか? ナリユキ」
「――いや、いっそ破壊行動止めてくれね?」
「それは無理な申し出だな。俺様は貴様と戦うのが面白いから、地上を破壊していないだけで、貴様との決着をつけたら俺様は全ての人間を地獄に葬り去り、あらゆる文明を破壊する。それが俺様の目的だ」
「――そうですよね」
まあ、俺との戦闘中にあちこち破壊行動しなくなっただけマシか。
「少し本気を出すぞ? ナリユキ」
「いくぞ。これは挨拶代わりだ。
「ほう――これを挨拶代わりか。冗談キツイな」
「ねえ、ナリユキ君。これ15mくらいあるよね?」
ミクちゃんは苦笑を浮かべながら俺にそう問いかけてきた。
「その通りだな。ミクちゃん任せた」
「うん」
「いや、私に任せろ。巫女の力を持つミク・アサギのMPをここで大量に消費するのは惜しい」
マシンガンの如く飛んでくる巨大な黒い炎の塊に立ち向かうルシファー。ルシファーが刀を振るうと全ての巨大な黒炎は消し飛んだ。
「いくぞアスモデウス」
「そうじゃのう。あやつばかりに出番を取られたくはない」
アスモデウスさんの
「やられるな」
ルシファーがそう言った途端。二人は
「こやつ底知れないのう」
「呑気な事を言っている場合ではないぞ。次の攻撃がくる」
「喰らってみろ。
「
「私行ってくるね!」
ミクちゃんは急いで二人に
「指先が光ったと思えば次の瞬間には腹部を貫かれていた。天眼でも追えないとは出鱈目な速さのアクティブスキルだな」
「避け方も防ぎ方も分からんのう」
「あのアクティブスキルは対象を指す必要がある。その瞬間から防衛スキルを発動するしかない」
ルシファーがそう呟くと、「それは納得じゃな」とアスモデウスさんは頷いていた。
「悪いが私でもあの攻撃は放たれた時点で防ぎようがない」
「それは私も同じ」
ルシファーの意見にミクちゃんは同意していた。それほど
「どうした? その程度か二人とも」
「いいだろう。余の全力を持って貴様を倒そう」
「望むところじゃ。我、魔族における最大の力を発揮せん。我が道を阻む者総て破壊の対象となる。真紅の瞳が
「人の邪気を勝手に力にするとは、とんでもない
「其方も開放すればよかろう。
「いや、私まで発動すると終盤の戦況が不利になる。ユニークスキルを使おう」
お! 皆やる気を出してきたな。これは俺もギアを入れないとな。
「やっと
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