第484話 復活後の安息Ⅲ

 始めはゆっくり出し入れを行った。ミクちゃんの両手を掴み、俺の足はミクちゃんの足の間に入っている為、どれだけ突こうがミクちゃんは逃げることができない。俺はというとこんな体位をしているから興奮と快感が入り混じっているのは当然だけど、何より後ろから密着した状態での挿入なので、ドキドキ感も味わえて俺としては、抱き着きながらの正常位と同じくらいの幸福感がある。


 なんだかんだ、密着しながらの体位が好きなんだな俺。


「あううう……!? んんんんん……!!」


 俺がペースを上げるとミクちゃんの声色がまた変わった。突くたびに声が出していて、ミクちゃんには挿入する前のような余裕は微塵もなかった。俺はと言うと、その声が興奮材料になるので、中折れする事なんて想像もできない。ほら自分で今めちゃ硬いな~って感じるときあるじゃん? 血流の巡りがギンギンに感じられるときのような感覚。あれがMAXだとしたら、そのMAXの状態が何分も続く訳だ。多分ミクちゃんじゃないとこんなに長続きしないんだろうな~。アラサーだし。


「な……りゆき君……。もう駄目っ……」


 その声を聞いて俺もさらに快感が押し寄せた。


「じゃあ一緒にいこ?」


 俺がそう問いかけても、もはや声に出せないのだろう。突かれている時の刺激で声が出てしまっているので、俺の問いに対しては首を縦に振るのみだった。


 俺がピストンを更に早めると俺達二人の間でピークがきた。そして快楽が荒波のように押し寄せてきて、そのまま一気に弾けた。恥ずかしいながら俺もその瞬間は流石に声を漏らしてしまった。


 ミクちゃんは抜いた後でも痙攣していたので、俺が後ろから抱き寄せて抱えた。そうするとミクちゃんが首を右に回して俺の方を見てきたのでそこで一度キス。またしても「えへへ」と照れ笑いを浮かべていた。


「寝転んで」


「はい……」


 もう完全に従順モードに入っているミクちゃん。俺の命令というか指示を無視する事は原則ないんだけど、しばらくしてからずっとタメ口で話をしていたのに、夜になると敬語になるって何かいい。


 俺は一度いったが既に持ち直している。


「最後いい?」


「うん。大丈夫……本当に凄いね」


「ミクちゃんだから秒で持ち直した」


 俺がそう言うとミクちゃんは笑みを浮かべた。俺はミクちゃんに覆いかぶさって、キスをしながらゆっくり挿れた。同時にミクちゃんが「んん……」と声を漏らす。


 しばらく静止した状態でミクちゃんと舌を絡めた後、ゆっくりと動き始めた。


 それからはいつも通りの正常位だ。俺はキスと挿入の二重の快感を得ることができるし、ミクちゃんも同様の理由で好き。両手でミクちゃんの頭を支えてキスをしながらの、ゆっくりと行うピストン運動。さっきと比べると激しさは無くなるけど、これはこれで挿入時間を調節できるから良い。まあ生だし、ミクちゃんの中が温かいから、ぶっちゃけすぐにいけそうだけど、何とか調整して耐えている。


 それに中に出した事もあり、ミクちゃんの秘部は言ってしまえばグチョグチョになっている。だからやたらと滑りがいい。


「旦那さん好き――」


「ちょっ――それ可愛すぎるって」


 唐突の旦那さん呼び。まさに反則級の可愛さだった。ただ、俺が可愛いって褒めた事により膣圧が一気に上がった。ゴムをしているときでも締まりが良くて気持ち良いのに、今日は前回と同様で生での行為。この時点でもう気持ちよすぎて気を抜いたら出してしまいそうなのに、今のでさらに締まりを良くされると、俺の股間を完全に包み込んだような膣圧だった。


 俺が少し顔を離していた為、ミクちゃんには俺が快感で溺れている表情を見られてしまった。そしてその顔を見られてから、さらに締まりが良くなった。


「やば――」


 我慢ができん。こんなの我慢できる男が存在するのか? いやいないだろ。どうなってんだよ本当に――!


 そう思っているのに、俺は更なる快感を求めてピストンの速度を上げていた。


「あっ……うっ……あう」


 アダルトビデオのようなやたら大きい喘ぎ声とは正反対の遠慮がちなミクちゃんの声。その声の間隔がだんだんと短くなってきているので、ミクちゃんも限界が近い。


「俺もう無理……」


「い――いいよ。いっぱい出して」


 それを聞いた瞬間。俺はミクちゃんの中に大量の精子を流し込んだ。間隔を空けていない二回戦の筈なのに、自分でも信じられないくらいの量だった。


 再度キスをして余韻に浸った後、俺はベッドの近くのサイドテーブルの上に用意していたティッシュで、ミクちゃんの秘部から溢れ出てくる俺の精子をふき取った。


「ありがとう。二回目だったのに量凄かったね」


「いや、自分でも吃驚した」


 ティッシュをゴミ箱に捨てた後、互いに裸のまま布団の中に入ってひっついていた。


「一回目の体位ハマったかも……」


「俺は犯している感じが凄いしたから良かったな。あとシンプルに気持ちいい」


「私は犯されているような感覚と、足をほぼ強制的に広げられているから、一度あの体位になったら逃げられないっていうハラハラ感と、なりゆき君が後ろがぎゅっとくっついてくれているから、ドキドキ感もあって何か全てが良かった」


「全てがよかったんだ」


「うん。これからえっちするときはこの体位必須だね。というか好きだからやってほしい」


「まあ好きと言われたらやるしかないよな」


「やった――!」


 そう言って笑顔になるミクちゃんがたまらなく可愛かった。愛おしいという感情が爆発した事もあり、俺はミクちゃんの頭を撫でていた。


 もちろんミクちゃんは満足気な笑みを浮かべている。


「そう言えば俺の事旦那さんっていなかった?」


「――私めちゃくちゃ恥ずかしい事言ってたね――。その、ものすごく旦那さんって言いたくなったからつい……」


「俺が旦那さんがいいの?」


 俺がそう問いかけると、ミクちゃんの顔は可愛いと褒めた時以上に紅潮していた。それは林檎どころじゃない。だって布団に潜って互いに背中に手を回して抱き合っているのに、紅潮しているのが確認できるのだから。


「言わない……」


 と言って俺の胸に顔をうずめた。


 その反応がもう答えのようなもんだろ。それにミクちゃんの心臓の鼓動めちゃくちゃ速くなってるし。あと、おっぱいの感触気持ちいい。さすがマシュマロおっぱい。


 俺はミクちゃんに覆いかぶさるように抱き寄せて右手で軽くミクちゃんのおっぱいを揉んだり、乳首に軽く悪戯を行った。


「ん……何で……」


「認めるまで今日は寝させない」


 俺は再びミクちゃんへの悪戯を再開。もちろん、再び舌を絡まさせたので本日三度目の触れ合い。久々にするってのもあるし、ミクちゃんがいつも以上に可愛いせいだろう。俺はもはや性欲の権化だ。

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