第461話 変貌を遂げた黒龍Ⅰ
「させるか!」
そう言って
ガキン!
視認できる
「マズいな」
ダメ元で俺も
勿論駄目だった。
次は
直径約1km程の巨大な赤黒い斬撃はそのまま
「流石だナリユキ殿!」
「ナイス!」
そして現れ出て来た
負けず嫌いがそうさせているのか。怒りがそうさせているのか定かではないが、何度も限界突破をして俺達の前に立ちはだかる最強の敵という事は認めよう。
「ちょっと待って。これマズくない!?」
そう焦り全開で俺に問いかけてきたミクちゃん。
「マズいよ。またさらに強くなってやがる」
「ミク殿の
「戦闘値ベースだと、御二人共3,000くらいは上がっています」
「え? 3,000!? じゃあ俺今11,500あるの!?」
「余は11,000か――
「そうです。けど今の
確かにそうかも――。いやでもここは開き直って戦うしかない。どれだけ強くなったか知らんが一泡ふかせてやる。
「もういいか? 今の俺様は貴様等など相手にならん」
そう不敵な笑みを浮かべた
「荒々しさの中に妙な冷静さがある。どういう事だ――?」
そう
「いくぞ」
その言葉と同時に俺は首に強烈な痛みを覚えた。苦しい。息ができない。それに強烈な寒さも感じる。まるで台風の強風に煽られているようだ。
そう感じた2秒後くらいには頭と背中に強烈な痛みを覚えた。息が苦しく頭が重い。何なら「ゴホゴホ」と咳き込む。
身体全身に駆け巡る強烈な痛み。頭が割れそうなくらいの痛み。ここまでの大ダメージを負ったのは久しぶりな気がする。何より背中が熱い。流血しているのは間違いなかった。
ゆっくりと目を開けた。周りには瓦礫だらけでトンネルの先には太陽と、俺を見下ろす
「その程度で死なないだろう?」
一筋の黒い光が俺の腹部を貫通した。そのまま俺は
「どうだ? 今の気分は?」
「どうもねえよ……」
「そうか」
スピリチュアルな本で度々目にする魂レベルについて。輪廻転生を繰り返す中で我々には魂レベルというものが存在する。そして性格によって魂レベルが異なってくるわけだが、その人の魂レベルによって、与えられる苦難や試練が違ってくるというものだ。
またしてや、俺は二度目の人生だから、こんなややこしい事ばかりに巻き込まれる。ぶっちゃけ嫌だなとか感じることもある。特に今回の
今のこの辛い痛みも。尊い命を守る責任も。この状況全て――。
「起こる事は全て最善――」
俺はそう声を出して言った。こう唱えると流れに身を任すことができ、どんな困難な状況であっても前向きに捉えるができる魔法のコトバだ。
「何を言っている?」
「いや、何でもない。なんかちょっとワクワクしてきてな」
「ほう」
今までの
「俺様の一撃で沈んでしまったここにいる龍とは訳が違うようだな」
「ミクちゃん達を攻撃しないのか?」
今までの
「単純な話だ。確かに俺様は強くなったが、どうも貴様から目を離してはいけないような気がしてな。この絶望的な状況において、目を輝かせいている貴様からな」
「それはどうも」
そうかやっと分かったぞ。今の
「面白い」
俺は自然とそう呟いていた。
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