第387話 アルボス城の調査Ⅱ
まずは本のタイトルだ。新国誕生秘話と古来の
そもそも100の国って別格すぎるな――。そんな
けれども、魔界から魔王の軍勢がやって来て、人間に扮した魔物が、地上の魔物を襲う事によって、人間と魔物との間に亀裂を走らせる。ただ、それに気付いた
『我々は神を崇高し神に全てを捧げる。それが我々の役目である』と――。推測だけど、ミロクに全てを捧げるということで間違いないし、
「何て書いているのだ?」
「神と呼ばれる
「神と呼ばれているのがミロクという人物とも限らないだろ?」
「じゃあスカーは、他に神と呼ばれている人物を聞いたことがあるか?」
「――
「だろ? ミロクを信仰している集団がいたらしいが、その集団こそが
「成程な。だとすると、
「そんなもん、3つのスキルに関する話を聞いた時からヤバいのは分かっていたから今更だよ。もう後には退けない」
「確かにそうだ」
「とりあえずそれをミク・アサギに渡しておいてくれないか?」
「ああ。分かってる」
カルディアにそう言われて、俺はミクちゃんに本を渡しに行った。
「どうだった?」
「まあミロクが
「それ、結構重要な情報じゃない?」
「まあ言われてみたらそうかも」
まあ、多かれ少なかれミロクだろうなって思っていたから別に今更って気もする。単純に
「よくよく考えたらミロクって断定していいのか?」
「何で今更?」
「この本の文末のメモ書きには、我々は神を崇高し神に全てを捧げる。それが我々の役目であるって書いているんだよね」
「絶対
「legatus――この国の言語じゃねえな」
「ラテン語だよね? 多分――」
俺はそうミクちゃんにそう言われて再度読み上げてみた。
「――なあ、これレガトゥスじゃね?」
「た――確かに。カルディアさんと戦った人の事だよね?」
「そうだな。まあラテン語が何で起用されているのかが謎なんだよ。元々俺達って普通に会話をしているけど、日本語でもなければ、英語でもない。イタリア、スペイン、ドイツ、中国、とまあ色々あるわけだし、こういう異世界ってルーン文字が使われていたりするけど、ルーン文字ですらないもんな」
「そうだね。それに不思議な事に、言語は統一されていて、主な言語が私達人間が使う言語だけど、他には竜語、魔人語、
「そうだな」
「そうなるとレガトゥスって男の人は転生者と
「そうなるよな。一体誰が名付け親なんだろう」
「まあ今考えていても仕方ないし作業をどんどん進めていこう」
「そうだな」
ミクちゃんにそう言われて俺は引き続き作業を進めた。そしてあれから数時間――。進捗率は40%といったところだろうか。まだまだ探さないといけない箇所は多いけど日も暮れてきたので、今日はここで野宿となる。
俺は家を建てたけど、この辺りは電気もガスも水も無い。アルボス城で住んでいた人々は皆スキルを使って、電気、ガス、水道のライフラインを整えていたようだ。
「屋根があるだけで楽だな」
「今までの野宿とは快適さが違う」
スカーとカリブデウスがそう感心していた。
「そうだろ?」
俺が建てた仮宿は2階建ての洋館だった。無駄に大きいがそこは気にしない。水はカリブデウスの
そして食料に関しては、カルディアがその辺りにいる魔物を狩ってくれたので、それをミクちゃんが手料理をして3人に振舞った。肉と野菜だったたけど、ミクちゃんの手が加わることによって最高の塩焼きができた。何でそんな料理ができるかって? 調味料に関しては
料理も食べ終えてからの残業タイム。5人で見つけた資料に目を通す作業が始まる。
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