第386話 アルボス城の調査Ⅰ
カルディアから一通り話を聞いた。
続いては
俺とミクちゃん。それにカルディア達で、アルボス城の跡地へと向かった。激しい戦闘のなかで幻の存在とされていたお城が見事に崩壊してしまっている。それに地面も陥没しており、完全に地図を書き換えなければならない。
「この中から手がかりって本当に見つかるのか?」
「流石にこれ全部探すのは難しいよね」
俺とミクちゃんもそう苦笑いを浮かべていると――。
「大丈夫だ。問題無い」
カルディアがそう言い放った。勿論、問題無いの意味が分からない。
「俺の魔眼の
「何の
「それでいい」
カルディアの指示に従い、ミクちゃんはカルディアに対してMP増強の
「まあ見ていろ」
俺はカルディアにそう言われてじっと見ていると、
「おいおい。
俺は思わず苦笑を浮かべた。俺達の上の空はお城の瓦礫で埋め尽くされていたからだ。
「今回、
カルディアはそう言って瓦礫と物の2種類に分けた。
「瓦礫と物に分けたから、物の中からヒントになりそうなものを手あたり次第に探すぞ。俺は魔眼を使うからそれっぽいものはどんどん見つけていく」
「魔眼ってこういうときにも役立つのね」
「探す任務で優秀な成績をあげていたのが分かる気がする」
「この中から手がかりを探すって何日間もかかりそうだけど魔眼なら直ぐに終わりそうだな」
「そうだね。とりあえず探していこう!」
ミクちゃんと気合いを入れて物を探し始めた。
「女性に瓦礫を漁らせるのは酷だよな――ミク・アサギ。俺は今から本やノートなどの書類を見つけるから、そこに何が書かれているか確認してもらえるか?」
「いいけど――ナリユキ君いいの?」
「勿論いいよ。てか、カルディアは女性に優しいんだな」
俺がニヤッと笑みを浮かべると「五月蠅いな。黙っていろ」って怒られた。何気にスカーみたいなあたりされたの初めてなんだけど。スカーとカリブデウス曰く、俺の事尊敬しているって話じゃなかった?
そんなこんなで、ミクちゃんは書類関係の確認という作業に入った。
「本当に感謝するぞナリユキ殿」
「ん? 何だよ今更」
「身体の傷を治してくれたのにこうやって手伝ってくれていることをだ」
俺が小物――といっても像やら家具やらをえいさほいさとどけているいときだった。スカーが俺にそう話しかけてきた。
「別にいいよ。それに元々三人には協力してもらっているし、大したお金も渡していないのに、大きな怪我を負っただろ? 何か俺が申し訳ない気持ちになっているだけだ」
「そう言ってくれるのは有り難い。本当に器の広い人間だな」
「よせよ」
「拙僧達も
「そうか――人間と
「まあ珍しいだろうな――それにハーフはこの世界において、トップクラスの個体値を持つと言われている。カルディアのように、人間と魔族のハーフ。レガトゥスのように人間と
「成程な」
俺はスカーの話をそう聞いていたが、スカーはこのパーティーにおけるランベリオンみたいな存在なのだろう。優しい心を持っているし、この世界についてやたらと詳しい。それに冷静になところもある。
そう話をしながら手を動かしている時だった。
「ナリユキ閣下。そのテーブルの下にある引き出しに本があるから取って欲しい」
カルディアにそう言われて木製のテーブルをどけてみた。そして出てきた引き出しの中にあったのは、ぐしゃぐしゃになった赤い表紙の本だった。見るからに怪しいなコレ。ちょっと覗いてみよう。
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