第382話 真の実力Ⅰ

「まさか――あれがLエルの正体なのか?」


「どうやらそうらしいな。ただ拙僧達では奴の本名は見えない。ただあの状態のカルディアなら鑑定士Ⅵになっているから正体は分かるだろう」


「そうだな」


 スカーの通り、俺はこの姿になると鑑定士Ⅴから鑑定士Ⅵとなり、究極の阻害者アルティメット・ジャマーを持っていようとも正体が分かる。




■名前:レガトゥス

■性別:♂

■種族:人族と森妖精エルフ

■称号:神の使者

■勲章:☆☆

■MP:68,000,000

■強さ又は危険度:S


■パッシブスキル

鑑定士Ⅵ:対象者のプロフィールやスキルを全て視ることができ、究極の阻害者アルティメット・ジャマーの干渉を受けない。

状態異常無効Ⅴ:状態異常に関するあらゆる現象が無効となる。

解除Ⅴ:あらゆる状態異常を解除することができる。

耳栓:人体に及ぼす大きな音が聞こえた際、90%カットする。

異常聴覚Ⅴ:人族の10,000倍の聴覚を有する。

洗脳無効Ⅴ:洗脳に関するあらゆる現象が無効となる。

斬撃無効Ⅴ:あらゆる斬撃攻撃を無効化する。

念話Ⅴ:対象者を思い浮かべることで、思い浮かべた対象者と頭の中で話し合うことができる。

念波動Ⅴ:対象者の強さを数値化して測ることができる。

自動回復Ⅴ:体力が減少する度に自動回復を行う。回復速度は状況により異なる。

究極の阻害者アルティメット・ジャマー:アクティブスキル、鑑定士の効果を完全に無効化する。

浮遊闊歩ふゆうかっぽ:空中を自由に移動することができる。


■アクティブスキル

身体向上アップ・バースト:自身の身体能力を向上させる。尚、所有者の実力によって上昇率は異なる。

転移テレポート:訪れた事がある場所に瞬時に移動することができる。

燦爛の光線シャイニング・レイ:掌から極大で美しく輝く光を放つことができる。

星光の聖壁ルミナ・バリアー:手から魔法陣を出現させて、物理攻撃、斬撃、アクティブスキルを防ぐことができる。

星光の聖域ルミナ・サンクチュアリ:光の魔法陣を出現させて光の壁を展開する。その陣内にいる者は、あらゆる攻撃から身を守ることができる。

星光の球体ルミナ・ドーム:浮遊する球体に対象者を閉じ込める。この球体はアクティブスキルとアルティメットスキルの攻撃を防ぐことができる。また、閉じ込められた対象は体力とMPが徐々に回復する。

十聖壁クロスエンド:このスキルの所有している10人の森妖精エルフがいるときに発動可能。如何なる攻撃をも無力化することができる光の壁を出現させることができる。

爆風嵐舞テンペスト・ブラスト:嵐を出現させる。また雷を落とすことができる。

破壊の滅殺光ディスラクション・レーズ:黒い雷を纏っている赤い強力なエネルギー波を放つことができる。

神樹の忘却セフィロト・オブリヴィオ:光る樹を出現させて、対象者の記憶を消すことができる。

神樹の支配セフィロト・インペリウム:対象者の数だけ光る樹を出現させて、その対象者を自身の配下にすることができる。

神樹の宝刀セフィロト・スパーダ:光る樹の刀を再生して、使用することができる。また、この刀は森妖精エルフしか扱う事ができない。

神樹の巨人セフィロト・ジャイアント:光る樹の巨人を創り出すことができる。


■ユニークスキル

透明な凶器インビジブル・オプロ:1つの武器を透明化させることができる。


■アルティメットスキル

光粒子の浄化ルクスグラナム・プルガーティオ:光粒子を半径5kmに出現させ。また、その場に一定の時間いた者の魂を奪う。

新生神樹降誕セフィロト・バース:世界樹のような大きさの光る樹を出現させて、大地のMPと半径5km以内全ての生命のMPを一時的に自分のものできる。




「お前、もしかして人間と森妖精エルフのハーフだったのか? それに神樹セフィロトっていう知らない攻撃もある」


神樹セフィロト森妖精エルフなら誰も習得できる。ただ力に目覚めないと使えないスキルだよ」


「成程な。じゃあお前は森妖精エルフを極めているって事か?」


「そういう事だね。まあそれもこれもあの方のお陰だ」


「あの方とは?」


「それは秘密だよ。さあここからが本番だ。少し本気を出すから僕を楽しませてくれ」


 Lエルことレガトゥスはそう言って星光の球体ルミナ・ドームIアイを閉じ込めた。Iアイは完全に気絶しているがレガトゥスに関しては俺の攻撃を受けたのにも関わらずさほどダメージを喰らっていないように思える。


「気に食わない事が多いが、この状態の俺と対等に戦える奴がいるのは楽しみだな」


「それは僕も同じさ。まあ手の内がバレているのであれば仕方ない。神樹の宝刀セフィロト・スパーダ


 そう言って出現させたのは、白く光る樹の剣だった。形としてはビームサーベルと似ている。


「次は僕から行くよ」


 そう言ってレガトゥスは俺に襲い掛かって来た。さっきとは比べ物にならないほど速い――。


「甘いな」


 俺はそう吐き捨て、奴の神樹の宝刀セフィロト・スパーダとやら素手で受け止めた。が――。


 俺の右手は容赦なく斬り落とされた。


「この神樹の宝刀セフィロト・スパーダの威力を侮ってはいけないよ」


 そう爽やかな笑みを浮かべるレガトゥス。


「そうだな」


 俺はこの状態になると、スライムの如く自動再生のスキルが使えるようになる。まあ、通常の状態だったら斬り落とされたままだったがな。少し油断した。


破壊の滅殺光ディスラクション・レーズ!」


 レガトゥスの掌から黒い雷を纏っている赤いエネルギー波が放たれた。いつもならこのアクティブスキルは怖いところだが――。


 俺はそれを手で空中に弾き返す。


 同時に後ろから殺意がした。レガトゥスが俺の背後に回り込んでいるのだ。


 俺はレガトゥス縦薙ぎを体を左に反らして避けた。そしてそのまま奴の腹部に蹴りを浴びせる。


 レガトゥスが怯んだかと思いきや、俺は左の脇腹に強烈な痛みを覚え。そのまま吹き飛ばされていた。


 っつ――痛ぇな。俺は近くにあった岩山に体が埋まったようだ。岩の破片が落ちてくる上に体が抜けない。


 それにしても、あれほどアクティブスキルがあるのに近距離戦闘も強いのか。森妖精エルフって近距離戦闘苦手なイメージあるんだけどな。まあ――奴は人間と森妖精エルフのハーフだからか。


「特別な血は君だけじゃない。僕は神に選ばれた存在だからね」


「ほう――それは面白い」


 俺は肘打ちで埋まった岩山を破壊した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る