第198話 星の授与式Ⅰ
外観は3階建ての洋館だが、外には皆が大好きな温泉や日本庭園を造った。これがまた評判が良くて、幹部は勿論、仕事で疲れた国民達が、団子を食べながらお茶を飲むという光景も見られる。これ意外とリラックス効果があるらしく、そのまま俺の部屋に来て、こういうお店やってみたいので、今度練って来ていいですか!? って食い気味に来たり、もっと国をこうしませんか? っていう提案があったりする。
新しい刺激を与えることによって効果は絶大だ。
そして、今日一番のメイン行事だが、幹部達の意見を擦り合わせて結論に至った事を行う。
俺とミクちゃんは
宴表場では既に
会場に続々と人が集まってくる。
「大分集まってきているみたいだね」
ミクちゃんは会場の様子を映しているモニターを見ながらそう言った。
「いよいよって感じだな」
「そうだね。皆の前で発表するって本当に国主っぽいことをしているね」
「まあ、一応国主だからな」
俺がそう笑みを浮かべると、ミクちゃんも「そうだね」と呟いていた。
しばらくすると、会場に全員が集まったようで
ランベリオン、ノア、ベリト、アリシア、ベルゾーグ、アリス、フィオナ、アマミヤ、メイは勿論、タツノオトシゴの魔物、タツオさんも招いていた。
そしてカイルに関しては、黒い紳士服に黄色の蝶ネクタイを付けており、ユイは淡い桃色のパーティードレスを着ていた。オジサン臭い事言うが、2人共めちゃくちゃ似合っている。
そして、舞台に上がってマイクを持っているのはミーシャ。彼女を今回は進行役に
「長らくお待たせ致しました。本日はご来場頂き誠にありがとうございます。及ばずながら進行役に務めさせて頂きます
ミーシャが一礼を行うと会場が拍手に包まれた。
「さて、今回皆様お集り頂きましたのは、我が国の主ナリユキ・タテワキ閣下が、
ミーシャのその言葉でランベリオンへの視線が一気に集まる。それによりランベリオンは少し戸惑いを見せる。
「ランベリオン・カーネル様はカーネル王国に行けば、皆が知っている有名人となっています。それはカーネルという名前が付いているように、ランベリオン様は先代のカーネル王から、王族の1人としてカウントされるほど、カーネル王国に貢献してきました。その勇敢なる姿に、カーネル王国の国民は胸を打たれて、ランベリオン様の存在は伝説級となったのです」
ミーシャがそう嬉しそうに語っていると、会場が拍手に包まれて、ランベリオンはデレデレとしていた。「褒めすぎではないか?」とか何か言ってそうだ。隣にいる久しぶりの登場のロドベルトは当然だと言わんばかりの表情を浮かべていた。
「これで☆の重要性を少しでもご理解頂けたかと思います。マーズベルから出た事ない方も中にはいらっしゃると思いますのでご説明させて頂きました。それでは☆の授与式典を行います。国主ナリユキ・タテワキ閣下、腹心のミク・アサギ様にご登場頂きましょう。盛大な拍手でお出迎え下さい」
すると、会場は耳が痛い程の盛大な拍手に包まれた。嬉しいけど歓迎度合いが凄いな。
「行くぞミクちゃん」
「うん」
そうして俺とミクちゃんはミーシャの紹介で登壇することになった。俺達が出て行くと歓声が凄いのでライブのようなノリになっていた。嬉しいんだけどね?
「御二人共こちらへ」
ミーシャにそう言われて俺とミクちゃんは壇上の中央に立ち会場を見渡した。俺はいつもとは違い淡いペイズリー柄が入ったグレーのファンシースーツを身に纏い、ブラウンの無地のネクタイをしていた。
一方ミクちゃんは腕の部分がシースルーのライトカーキのパーティードレスに身を包んでおり、後ろでまとめた髪を編んで結っている。正直言って可愛すぎる。
まあそれもそのはずだ。
「ミク様素敵!」
「ミク様あああ!」
このように黄色い歓声や野太い声が聞こえる訳だ。
ミクちゃんはこっちを見てくるもんだから――。
「きゅんです」
「声出てるよ。でもありがとう」
と、2人にしか聞こえないくらいの声量で話をしていた。
俺に関しては、ミクちゃんのような歓声は少ないものの、人間と
言うまでもなく、一番肝心なミクちゃんの反応は凄く良かった。対面したときいきなり抱き着かれたくらいには性癖に刺さったらしい。
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