第128話 戒めⅠ

 俺とノーディルスはベッドの隣にある柱に手枷を繋がれる。この柱は一体何の為に――。いや考えるまでも無い。この低俗な集団が立ったままのプレイを楽しむ為にあるんや。


 ノーディルスはアンデッド。依然として平然としてる。もはや、無という表現が一番相応しいやろう。


 アズサとネオンちゃんは無理やりベッドに連れていかれて、帝国兵に押し倒されていた。


 その後に帝国兵は鎧を脱ぎ始める。


 特に――。ネオンちゃんに関しては処女――。 そう考えただけで腸が煮えくり返る。


 こういう時――。普通なら怒り狂って暴れるやろう。でも俺は至って冷静やった。俺が今暴れたところで、何も起きる訳やない。俺が暴れたところで、転生者補正でこの手枷と足枷を外せるなんて都合のいい話が起きる訳でもない。


 アズサとネオンちゃんは、まずは服の上からゆっくりとなぞるように手を這わされていた。


 2人が涙目になりながら震えてる姿は見るに堪えん。


 その手つきは気持ち悪いと言わざるを得ない。相手が嫌がってるし信頼関係も築けてないねんから、雰囲気もクソもあるかい。


 アズサの目つきは言うてもまあきっついから、怒りと恐怖と嫌悪感という3つの感情やから、嫌な気持ちが込み上げていても、まだ見れんことはない。


 ただ、ネオンちゃんに関しては、恐怖と嫌悪感という2つの感情――。やから見てるんは余計キツイ。さらに付け足すと、色白の太ももを舐めるように手を這わせているんが余計キツイ。


「想像以上にいい女じゃないか。この恐怖で埋め尽くされた顔見ろよ」


 ネオンちゃんの震え切ったその小さい顔を、汚い手で支えつつ、太ももに手を這わせながらほざいた。


「こっちは目つきはキツイが、俺は逆にこういう女が無抵抗になっていくのが大好きなんだ。いい奴隷になるぞ」


「後で交代だな。時間はいつも通りたっぷりあるし楽しむとしよう」


 1人の帝国兵はアズサの服を破り捨てて、アズサは上半身裸となってた。


「ほら、お仲間に見られているぞ? どんな気持ちだよ」


 アズサの目は裸を見られたくないというより、情けない姿を見られるのが嫌――。そんな感じの表情やった。


 見るに堪えんから一瞬目を閉じると、俺は帝国兵に顔面を殴られた。


 痛み? そんなもん学生のときはよく喧嘩しててんから痛くないわ。寧ろ心がどんどん蝕まれていく。


「しっかり見ておけよ」


 おっさんの汚い顔が至近距離であるんは控えめに言って殺意沸く。つい睨んでしまうと、俺はまた顔面を殴られた。


「テメェ生意気だな。本当に殺されたないのか? ああ?」


 ああ? って喋れる訳ないやろアホ。俺達4人の口塞がれてんねん。


「何か言えよ!」


 ガッ――。


 ほら、また殴られた。でも流石に痛いな。


「その辺にしておけ」


 すると、両目を閉じて壁にもたれかかっていたガープがそう止めに入って来た。


「お前の拳は効く方ではあるが、この人間には無意味だ。痛いという感情ではなくただの殺意しかない。そんな人間を何発殴っても、お前の気も晴れないだろう」


 すると、帝国兵は俺から離れていった。


 ガープは再び目を閉じる。


 アードルハイム皇帝はニヤニヤと楽しんでるけど、あのガープって奴は何も見やんようやな。


 アズサはまずは胸をねぶられていた。そしてもう片方の手では胸を揉みしだき堪能してた。アカンな――。イライラが収まれへん。流石のノーディルスも気は悪くしているようやった。精神作用無効言うても、心にダメージを負うストレスを避けるだけであって、怒りという感情は芽生えるからな。


 一方、ネオンちゃんも服の上から胸を揉まれていた。その豊満な胸は服の上からでも存在感を放っているんは間違いない。それにあの嫌がる反応。人によったら性癖に刺さりまくりやろ。なんで――。そんな酷い事をこのゴミ共はできるんやろうか。そうかゴミやからか。


 存分に楽しんだのか、今度はネオンちゃんの上半身の服に手をかけた。びりっと強引に服を破ると、白の下着が姿を現す。そして帝国兵のボルテージはさらに加速したようやった。


 震え切った顔と、豊満な胸を包み込む純白の下着。


「ヒヒ――。コイツはいい」


 薄汚く口角を釣り上げるゴミの目の色が変わっていた。


 そして、テープをゆっくりと剥がして、ネオンちゃんの口元が露わになった。久々に声を出せる状況やと言うのに、ネオンちゃんは声を上げることができず、ただただ震えていた。体のどこに触れられる度に、ビクッと過剰反応を起こしてるから、相当な恐怖感を与えられてるんが分かる。


 そのままゴミは、顔を近づけて顔を反らすネオンちゃんに、無理やり唇を重ねた。されるがまま――。その瞬間俺は目を閉じた。


 そしたら腹部に強烈な蹴りが入った。何度も何度も蹴られて呼吸するんが辛くなってきた。


 目をゆっくり開けたら、ゴミとネオンちゃんの口元に透明の糸が引いていた。それが余計に俺の感情を搔き立てた。


「お前の唇は柔らかくて最高だな」


 そう言いながら下着の中に手を入れて、胸の感触を直に触れて楽しんでた。


 大切な仲間がこんなことになって誰が冷静でいられるねん――。


 存分に楽しんだ後は、乳首をねぶられていた。たっぷり含まれた唾液で乳首は妙に光っていた。掻き立てられた欲情――。


 ゴミは、ネオンちゃんの下半身の下着の部分に肉棒を押し当てながら、ネオンちゃんの身体という身体を存分に楽しんでる。


 殺したい――。


 殺したい――。


 静かな感情と激しい感情が混ざっている中、ふとアズサに目を向けると、もう1人のゴミがアズサのテープを剥がして肉棒を口の中に入れようとしてた。


 アズサは無抵抗のまま受け入れたと思ったら、ゴミの肉棒を思いっきり噛んだ。


 唐突な出来事に一瞬凍り付き、ゴミはベッドの上で血まみれの肉棒を押さえながらのたうち回ってた。


 すると、他のゴミ共が激昂し、アズサの顔や腹部を数人がかりで殴り始めた。


 そして、アズサの瞳はだんだんと光を失っていく。

 

 おい――。


 何してんねん。


 

 ヤメロ。


 

 ヤメロ。

 

 

 ヤメロ。

 


 ヤメロ! 


「止めろ!」


 ガープがそう止めに入った時には、アズサはピクリとも動かなくなっていた――。


 



 



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