第77話 アードルハイム帝国兵来訪Ⅰ
朝起きたのは6時30分頃。隣を見るとミクちゃんが静かに寝ていた。でもまあ、暑いのか布団は蹴っていたので、ミクちゃんのバスローブがはだけていて、水色のナイトブラが「おはよう」と言わんばかりに露出している。
「まあ寝ていたらそうなるわな」
バスローブきちんと整えて俺はシャワーを浴びた後、水を飲みながら本を読んでいた。
時間は朝7時。ミクちゃんも目覚ましで目覚めた。
「おはよう。なりゆき君シャワー浴びたんだね」
と、言って椅子に座っている俺に近付いて来たから、俺は立ち上がってミクちゃんを抱きしめた。
「やっぱり匂い違うな。凄くいい匂い」
と、言って俺にくっついて匂いを堪能している。
「ミクちゃんもシャワー浴びてきな」
「はーい」
そう言ってミクちゃんがシャワーを浴びているとき、部屋の扉がノックされた。
「ナリユキ! 起きてる?」
その声は
「魔物達が報せてくれたんだけど、ここに100人程の軍勢が来ているよ」
「は? マジか?」
「うん。とりあえず支度したら準備しておいて。どうやらアードルハイム帝国の兵士らしいんだ。ベリトにも確認してもらったから間違いない」
「攻撃とかしてないだろな」
「するわけないじゃん。皆ナリユキの約束守っているよ」
「それはありがたい。それでも、絶対面倒くさいことになるだろ」
「それはボクも思う。だからベリトとフィオナは絶対に隠れておいた方がいいよ」
「おう分かってるありがとうな。ノアは先に待っててくれ。俺はミクちゃんと一緒に行く」
「分かった」
ノアはそう言って扉を閉めて廊下を走って行った。俺はすぐにベリトに連絡を取る。
《ベリト。ノアから聞いたぞ。アードルハイム帝国の兵士が来ているらしいな》
《おはようございますナリユキ様。来ております。時間がまだ早かったので報告が遅れてしまいました。申し訳ございません》
《いや、気を遣ってくれているって分かっているから別に気にしていない。とりあえずベリトはフィオナと隠れておけ》
《もう実は隠れておりまして、アリスの宮殿近くにある、小さい建物で私と、フィオナとアリスで身を潜めております》
《頭の回転早いな。ナイスだ》
《勿体なき御言葉》
《そのまま俺が連絡入れるまで身を潜めておけ》
《かしこまりました》
そう言って通信を切った後、洗面所で歯を磨いていると、ミクちゃんが風呂から上がってきた。髪が濡れているときのミクちゃんは何度見ても艶っぽい。と、そんな事を考えている場合じゃない。
「いいお風呂だった」
「ミクちゃん直ぐに用意してくれ。アードルハイム帝国が来たらしい」
「え? 本当? 分かった直ぐに用意するね」
ミクちゃんの着替えを待ちそのまま部屋を出た。10分経っても
外に出ると、ノアを始め、ランベリオン、ベルゾーグ、アリシア、ミーシャも待っていた。
「揃ったな。ナリユキ殿おはよう。2日連続で忙しいな」
「ったく本当だよ。アリシア敵は強いのか?」
「感知している限りは強いですね。ナリユキ様、ミク様、ノア様と同等程度の実力者が2名います。怪鳥の魔物に乗ってこちらに向かって来ております」
「成程ね。て事は1人はガープって奴だろうな」
「ナリユキさん! あれ!」
そう言ってミクちゃんが指した方向には、怪鳥の軍勢がやって来た。こう見ると普通に怖いな。何事だ? ってなる。
その怪鳥たちは屋敷の近くで降り立ちゾロゾロと甲冑を着た兵士が降りてきた。そして前に出てきた2人は格が違う。1人は短い銀髪に顎鬚を蓄えた老人の男。
そして、もう1人は葉巻を吸っている短い黒髪をオールバックにした中年の男。青い瞳が印象的だ。
老人の男は騎士の鎧を着ており、もう1人の男は黒のスーツを着ていた。なんか嫌な予感がするが鑑定だ。
■名前:ガープ
■性別:♂
■種族:魔族
■称号:アードルハイムの魔皇帝
■勲章:☆☆☆
■MP:35,000,000
■強さ又は危険度:S
■パッシブスキル
スキルリターンⅤ:触れたアクティブスキルをランダム方向で弾き飛ばす。但し、アクティブスキルの習得難易度によって無効化できないアクティブスキルがある。
スキルバリアーⅤ:アクティブスキルを50%カットするバリアーを張る。
鑑定士Ⅴ:対象者のプロフィールやスキルを全て視ることができる。
斬撃無効Ⅴ:あらゆる斬撃攻撃を無効化する。
自動回復Ⅴ:体力が減少する度に自動回復を行う。回復速度は状況により異なる。
念話Ⅴ:対象者を思い浮かべることで、思い浮かべた対象者と頭の中で話し合うことができる。
念波動Ⅴ:対象者の強さを数値化して測ることができる。
■アクティブスキル
■ユニークスキル:
■アルティメットスキル:
まあ、とりあえずこのオッサンがめちゃくちゃ強いことは分かった。
100時間で出れないってヤバいことしか想像できないんだけど。なんでこんな強い奴がアードルハイム帝国の皇帝に従っている意味がますます分からんぞ。
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