第78話 アードルハイム帝国兵来訪Ⅱ

■名前:ジェノーバ・マカロフ

■性別:♂

■種族:人族

■称号:裏世界の王

■勲章:☆

■MP:13,000,000

■強さ又は危険度:S


■パッシブスキル

鋼の体Ⅴ:打撃、斬撃、スキル系の攻撃は、自身へのダメージを95%カットする。

狙撃手Ⅴ:銃を扱っているとき、狙いたい場所に必中する。尚、防衛系のスキルや、ガードをされた場合はこのスキル効果は無効となる。

駆ける者Ⅴ:自身の走力を500%アップする。

鑑定士Ⅴ:対象者のプロフィールやスキルを全て視ることができる。

精神作用無効Ⅴ:あらゆる精神的ダメージを無効にする。

究極の阻害者アルティメット・ジャマー:アクティブスキル、鑑定士の効果を完全に無効化する。


■アクティブスキル

悪の破壊光アビス・ディストラクション:巨大で邪悪なエネルギー光を放つ。

身体向上アップ・バースト:自身の身体能力を向上させる。尚、所有者の実力によって上昇率は異なる。

紅炎放射プロミネンス・バースト:口から紅炎を射出する。

悪魔の分身イビル・アバター:自分の分身体を最大5体まで出すことができる。


■ユニークスキル:復讐の時限爆弾リベンジ・タイムボム:ナノサイズの爆弾を対象に触れる事で体内に埋め込む事ができる。対象への憎しみが強いほど威力が増大する。爆弾は自身のタイミングでいつでも爆発させることができるが、爆破タイミングが早いほど威力が下がる。


■アルティメットスキル:終幕の宴グラウンドゼロ:猛毒が含まれている核爆弾を3発同時発射することできる。効果範囲は、3発合計で着弾地点から20km前後。




 コイツがマカロフ卿か。正直俺からするとガープよりマカロフの方がヤバい気がするんだよな。


「朝早く大人数で押しかけて申し訳ない。単刀直入言うと、ここにフィオナという女性は来なかったかな? この辺りにいるはずなんだ」


 そう言ってきたのはガープだった。今のところは、ルイゼンバーンさんと同じく、オーラがある爺の魔族だ。


「来ていないよ」


 俺がそう言うと5人の兵士が槍を向けて前に出てきた。


「貴様! ガープ様に向かって何という態度だ! 万死に値する!」


 うわあ。面倒くさいなこいつ等。と思っていた時だった。


 バアンと銃声が鳴り響いた。


 前に出てきた5人のうちの1人の兵士を、マカロフ卿が兵士のこめかみに鉛玉を浴びせていた。


「ちっ――。黙ってろ」


 そう言った後にマカロフ卿は葉巻の煙を吹いて続けた。


「ガープ、教育がなっていないじゃないか。この五月蠅うるさはえのせいで荷物が増えてしまった。お前たちもこうなりたくなければ出しゃばった事をするな。いいな?」


 平気で人の命を奪うこのマカロフ卿という男は何なんだ。


「すまない。失礼な態度を取ってしまった。私の顔に免じて許してほしい」


「あんたは人の命を簡単に奪えるんだな。少しやり過ぎじゃないか?」


「貴様転生者だろ? それも国籍は日本だ。だから甘いと言われるんだ」


「そういうアンタはロシア人か?」


「ああそうだ。よく分かっているじゃないか。仲良くはなれなさそうだな」


「それは俺もそうだ」


「少年、少し私と手合わせしてくれないか?」


「いいぜ。武器は何でもいいのか?」


「ああ」


 マカロフ卿が挑発してくるが、あっち側では止める者は誰もいない。いや止められる人間はガープしかいないのだ。他の兵士は怯え、ただ植え付けられた恐怖で支配されているだけだ。


「ナリユキ殿。待った。拙者にやらせてくれないか?」


 そう申し出てきたのはベルゾーグだった。


「お前強いが近接特化の魔物じゃないだろ。刀を持っているようだが、止めておいたほうが身の為だぞ?」


「ナリユキ殿はマーズベル共和国の国主だ。大事があっては困る」


「情報通りだったか。貴様がナリユキ・タテワキだったか。知り合いからマーズベルに国を造るって騒いでいるクレイジーな奴がいると聞いていた。お目にかかれて嬉しいよ」


「そらどうも」


 マカロフ卿はニッと笑みを浮かべると腰からナイフを取り出した。そんな物どこで調達したのか疑問でしかなかった。あの形状は――。


「スペツナズナイフですね」


 ミクちゃんが先に言ってくれた。そうこのナイフは刀身が射出できるナイフで、ゲームではバリスティック・ナイフとして登場していた。だから俺とミクちゃんには分かる。


「お嬢さん、このナイフの形が分かるのか? 日本人で分かるってなら、ミリオタか何かだな?」


 正解だ。それにしても頭がキレるな。何者なんだ。前職は一体――。


「で? やるのか?」


「貴様がそれでいいならな。別に殺し合いをしようって訳ではないし、私は鋼の体のスキルという鉄壁の肉体を持っているので、ダメージを一撃入れた者が勝利ってルールでどうだ?」


「いいだろう」


「来い」


 マカロフ卿の合図でベルゾーグが、刀を両手持ちして斬りかかった。マカロフ卿は煙草を上空へ高く投げた。同時に全身が脱力したかのようなリラックスさが出ていた。


 刀身がそのままマカロフ卿に襲い掛かったと思えば、マカロフ卿は上半身を軽く反らすと、刀がすり抜けるように空振る。本当にほんの少し動いただけだ。


 そして、ベルゾーグの伸びきっている腕を、マカロフ卿は左肘を上げて、腕を無力化したと思えば、次の瞬間にはベルゾーグの腹部にはスペツナズナイフが突き刺さっていた。


「終わりだな。私の勝ちだ」


 マカロフ卿はそう言って落ちてきた葉巻をキャッチして再び吸い始めた。


「ベルゾーグさん大丈夫ですか?」


 ミクちゃんはそう言ってベルゾーグに駆け寄り回復ヒールを開始した。


「変わった動きだったな」


 ランベリオンの台詞に同意見だ。そしてあれは恐らく――。


「マカロフ卿。さっきのはもしかしてシステマっていう近接戦闘技術じゃないのか? もしかして元軍人か?」


 すると、マカロフ卿は目を大きく見開くなり驚いていた。


「物知りな日本人だな。まさかアジア人の若い青年がシステマを知っているのは、ロシア人として誇らしいよ。私は元反乱軍のリーダーで、スペツナズの特殊部隊に所属していた元軍人。合点がいっただろ?」



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