第20話 頓首再拝
────これで
『
第二波の衝撃により紫色の防壁は大きく揺らぎそして────
────あぁ、死んだな。
赤色の矢は紫色の光を帯びながら、転生者の額に親指程度の風穴を開けた。
転生者はその衝撃に身をフラフラと躍らせた後、急に地面に倒れ、その地面を赤黒い血で彩った。
辺りの黒雲は嘘の様に消え、再度太陽が二人とこの世界の住民たちを照らし付けた。
脳を貫いた為か転生者はほぼ即死の形で生き絶えた。
身体の一部が未だに生理反応でピクピクと動くがやがてその動きも弱まり完全に停止した。
「貴様の
『
『
しかしそれと同時に想像を絶する痛みが『
全身の筋肉が悲鳴を上げ、『
────モード『
自身の中に駆け巡る痛みに頭を抱えながらも『
────俺の正義を喰らうと言う行為は神に与えられたその心臓を喰らう事で初めて形を成すのだ。
一人目の転生者と同様心臓を喰らう為に転生者によろめきながらも近付く。
しかし突如、『
× ×
転生者が死んだ直後、とある部屋にて────
「うぅ……僕は感動したよ!あの転生者君には敬礼をしたい!二人目でこんな戦闘を見せてくれるなんて……君は英雄だよぉ!」
水晶の様なものから戦闘の一部始終を見つめていた者が実にわざとらしく似非の涙を流しながら拍手をしている。
その者は『
その神は涙を流しながら言葉を続ける。
「いやぁ、もう……
失敗作。
そう、彼は文字通り生前彼にその脳をイジられていた。
リク本人に殺した当時の記憶が無いのもあの時の心の変貌も全てこの神がイジっていた訳だった。
神は本来人間を慈しみ慈悲を与えるものなのだがこの神にはそんなことは関係ない。
「次はどんな転生者の元に向かうのかな?もっと強くなってね!僕の期待に応えるために!」
この神にとって人間など、ただの暇潰しに過ぎないのだ。
「は?ちょっと待てよ!」
しかし、突如として神の顔色が曇る。
水晶の中には突如として肩を射抜かれた『
「んん?何者……?って、まあ
しかしそんな曇り顔を一瞬で享楽的な笑みに変えて神は笑う。
「まあ、あの魔力感じとったら
いけしゃあしゃあと独り言を語る神は突如として立ち上がりある場所へ向かう────
「そろそろ僕も、歪な歯車の一部としてでしゃばりますか!」
× ×
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