第21話 急変


「珍しいですね……こんな事するなんて……」


 地上から遠く離れたに位置する数々の世界線や現世、あの世を繋ぐ神が鎮座する場所。

 その場所で今、とある件について話し合いが開かれようとしていた。


「ん〜まぁね。今回の件はまだ被害こそ小さいけど今後必ず被害が拡大する案件なんだ」


 そんな神が居座る様な場所で明らかに周りと違う『豪華絢爛ごうかけんらん』という言葉が似合う服を纏い身長は二メートルはあるであろう男とその横をその男の助手と思わしき眼鏡がよく似合う女が共に歩いていた。


「何故その様な心配を……?」 


「あの魔力には少し思い入れがあってね。昔酷く殴り合った仲のものと酷く類似してる気がしたんだけど……彼は今死んでいるしそんな訳は無いと思っているんだけれど一応ね」


 男は視線を前から背けずに淡々と過去を懐かしむ話を口にした。


「そんな仲の人が居たのですか?」


「うん、もう何千年前かな。よく神の名に泥を塗る様な悪戯ばかりしていたよ」


「大神にそんな過去があったなんて……少し笑えちゃいますね」


 男の助手と思わしき女はそんな男の話を聞いて頬を緩ませる。普段からの男を見てそんな行動はあまり予想出来ないのか物珍しい様である。


「誰にだってそう言う過去はあるものさ。今はもう立場的に出来ないけどね」


「そうですね。そろそろ部屋に着きます。顔の緩みを元に戻してください」


 助手の言葉を聞くと同時に男はすぐさまその態度を切り替え、巨大なドアの前に立つ。


、リューア様が部屋に入られたます!」


 助手の言葉と同時に目の前にそびえ立つ扉が重々しく開かれ、それと同時に最高神と呼ばれた男が大きな声で口を開いた。



「現世、或いは転生者として新たな世界で生活を送る民よ。まずは謝ろう!この度は唐突な収集をかけて大変すまない!しかし今回の件は君たちの力が必要なんだ!」


 男はうやうやしく礼を述べた後に手を大きく広げ自身が集めた者達に協力を仰ぐ。


我儘わがままなのは百も承知だ。命を落とす危険もあるだろう!しかしどうか私に協力をしてくれないか!多いなる力を与えられた現世の民、そして転生者達よ!」


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