番外編3 二人の女友達とお泊まりは楽しい

 意外なことに、瀬里奈せりな瑠伽るかの自宅はみなと葉月はづきのマンションからさほど離れていなかった。


 徒歩でも30分かからないくらいの距離だった。


「だって、あたしと同中だもん。そんなに遠いわけないでしょ」

「あ、そりゃそうか」


 10月ももう終わりの、土曜日――

 湊と葉月は、瀬里奈家へとやってきていた。


 時刻は午後2時。


 湊たちが通う高校は、土曜も半日授業がある。

 二人は授業を終えて、一度自宅に帰って昼食を済ませてから家を出てきた。


 そのまま瀬里奈家に直行しなかったのは、2時以降だとありがたいと瀬里奈から申し出があったからだ。


「しっかし……予想はしてたけどすげぇ家だな」

「でしょ? つっても、あたしも噂に聞いてただけで初めて来たんだけど」


 二人の目の前にあるのは、立派な――立派すぎる門構え。

 まさに、絵に描いたような武家屋敷といった雰囲気だ。


「瀬里奈の親父さんってなにやってる人なんだ?」

「普通に会社を経営してるらしいけど、なんの会社かは知らない……っていうか、かなり手広くやってるとか」

「ガチでお嬢様なんだな、瀬里奈って」


 湊は、だんだんこの門の向こうへ進むのが怖くなってきた。

 まさか、サングラスに黒スーツの怖いお兄さんたちが並んでるわけではないだろうが。


「楽しみだなー。あたし、こういう和風のお家って入ったことないから」

「葉月、ポジティブだな」


 さすがに陽キャの女王様は、この程度のことでは怯まないらしい。

 その女王様は、一度家に帰宅したのに制服姿だ。

 

 葉月に言わせると、

「あたしの私服、だいたい派手だからなあ。瑠伽ん家に行くなら、制服なら間違いないでしょ」

 とのことだった。


 湊は、葉月の私服姿も当然ながら何度となく見ている。

 特に夏は肩や谷間、太ももが剥き出しの派手な服装が多かった。


 冬が近づいてさすがに露出は減ったが、ピンクや赤など、色合いだけでも充分に目立つ服装ばかりだ。

 目鼻立ちがくっきりした葉月にはよく似合っているが。


 そんなわけで、葉月は制服姿。


 まだコートを羽織るほどではないが、紺色のブレザーもきちんと着て、その下にはおなじみのピンクのカーディガン。

 その下には白ブラウス、それにチェックのミニスカート。

 さらにその下は、花の模様が入った濃いピンクのブラジャーに、同じピンクのパンツ。


 なぜ、湊が葉月の下着の色まで知っているかというと――

 朝、登校する前に1ラウンドヤらせてもらったから――ではない。


 いや、朝にもヤったことはヤった。


 いつもどおりに葉月が湊の家で朝食を取り、葉月のFカップおっぱいを吸うだけで終わるつもりだったが、お願いしてヤらせてもらった。


 制服のスカートをはいたままで、そこが見えないのが逆にエロく、たっぷりと楽しんでしまった。

 おかげで、遅刻しそうになったが。


 学校を終えて一度帰宅してから、湊の家で適当に二人で昼食を取り――

 リビングでゴロゴロしていたら、またなんとなく始まってしまったのだ。


 ちゅっ、ちゅっと葉月が当たり前のようにキスしてきて、湊におっぱいを押しつけてくるので、あれでなにもしないのは不可能だった。


 いつものように湊がお願いすると、「瀬里奈を待たせちゃダメだからね?」と念を押してから、リビングのソファで慌ただしくヤることになった。


 時間制限はあったが、そういうときのほうが盛り上がるし、最高に気持ちいい。


 湊にまたがり、ブラジャーを着けたまま、ぶるんぶるんおっぱいを揺らしている葉月を見て、ふと湊は気づいた。


 今日はずいぶんと可愛い系のピンクブラジャーを着けていることに。


「あれ、葉月。朝は下着、白じゃなかったか?」

「さっき、モモの様子を見に戻ったでしょ。そんとき、一応下着だけ替えてきたんだよ。人様ん家に行くんだし」


 ここも人様の家だが、と湊はツッコミたかった。

 もはや、葉月は普通に湊家を自宅だと思っているフシがある。


 そんな会話もしつつ、瀬里奈家を訪ねるまでの時間をお互いをむさぼり合って、楽しく過ごして――


 1ラウンド終わってから、湊が葉月のおっぱいをしつこく吸っていると、危うく家を出る時間を過ぎるところだった。


 そんなことがあって――二人は立派すぎる門の前に立っている。

 ちなみに、湊は普通に私服に着替えてきた。


「えーと、チャイムは……ああ、あった」

 いかつい和風の門の印象を損なわないためか、インターフォンはずいぶんわかりにくかった。


『はい、すぐに行きますね』

 葉月が特に怯まずにボタンを押すと、すぐに瀬里奈の声が聞こえてきた。

 1分ほど経って、門が開いて瀬里奈が現れる。


「ようこそ、湊くん、葵さん」

「ちわーす、瑠伽」

「うっす」


 にこやかに挨拶を交わす三人。

 瀬里奈は長い黒髪を一つのお下げにして前に垂らしている。

 ちょっと幼さを感じる髪型が可愛らしい。


 胸元にフリルがついた白いワンピースの上に、淡いピンクの上着を羽織っている。

 ワンピースは膝丈で、制服のスカートより少し長い。

 瀬里奈らしい、清楚さと清潔感を漂わせる可愛らしい服装だった。


「……なんか、めっちゃ可愛いね、こいつ」

「そういや瀬里奈の私服ってあんま見てなかったな。あざとい可愛さだな」

「ふ、二人とも褒めてくれるのは嬉しいですけど……若干、トゲがないですか?」


 瀬里奈は、顔を赤くして戸惑っている。


 葉月は瀬里奈が可愛すぎて悔しそうだ。

 湊は狙ったように可愛い服装に戸惑って、照れ隠しを口にしてしまった。


 カノジョならひたすら持ち上げればいいのかもしれないが、女友達の容姿を褒めるのは難しい。

 いや、素直に褒めればいいのだろうが。


「あ、いえ、すみません。できればお昼もごちそうしたかったのですが、どうしてもこの時間でないといけなくて」

「ああ、気にしなくていい。お邪魔する身だしな」

「そうそう、遊びに来ただけなんだから、瑠伽も気楽に」


「はい。あ、こんなところで立ち話もなんですね。どうぞ」


 瀬里奈に案内されて、門から数メートル進んで、玄関に着いた。

 湊と葉月には珍しい引戸の玄関を開け、二人は「お邪魔します」と中に入る。


「大丈夫ですよ、誰もいないので」

 瀬里奈がニコニコ笑いながら言った。


 湊たちも、瀬里奈家の両親が留守であることは既に聞かされている。

 だからこそ、この家に遊びに来たわけだ。


 あくまで友達なのだから、両親にはきちんと挨拶さえすればいいのだが――

 湊も葉月も瀬里奈の親に会うのは少しばかり躊躇してしまっていた。


 豪邸に住むお金持ちで、娘の門限もきちんと決めている親と思うと、奔放な葉月も多少は怯んでしまうのだ。


 特に、湊のほうは男だし――親御さんには堂々と言えないようなことを、愛娘とヤりまくっている。


 そういうわけで、両親が留守にする隙を狙うことになったのだ。



 二人は居間らしき部屋に通された。

 軽く二十畳以上はありそうな和室で、立派な木のテーブルが置かれている。

 湊と葉月は、瀬里奈に出してもらったお茶を飲みつつ――


「でも、ご両親がいない間に上がり込むのも気が引けるよな」

「ちょっとねー。瑠伽のお父さんとお母さんに悪いような気もするよね」


「あはは、大丈夫ですよ。実はウチの両親も、留守にすることが多くて。特にお父様は会社の近くにマンションがあって、そちらに泊まることも珍しくないんです」

「へぇ……」


 お父様と来たか、と湊は思ったが家庭のことでからかうのは好きではない。


「お母様は今日からお友達と海外旅行なんです。母は旅行が趣味で、私が高校に上がってからは、よく家を空けるようになりました」

「ふーん……もしかして、瀬里奈のお母さんが出かけるのを待ってたのか?」


「あ、いえ、母は朝から出かけていきました。そうでなく、家政婦さんがいるんですよ、ウチ。通いの方ですけど」

「なるほど、そりゃいるだろうな」


 湊は部屋を見回す。

 外観を見ただけでも、この家がかなりの豪邸なのはわかる。

 瀬里奈の母親が家事を担当しているとしても、一人でこのお屋敷を維持するのは大変だろう。


「家政婦さんが、お昼までお仕事をしてたんです。今日の午後から明日いっぱいまでお休みにしてもらいました」

「今日は、あたしら三人だけってことね」

「ええ、多少大声を出しても大丈夫――って、ああっ、そういう意味ではないです!」


 瀬里奈は、急に真っ赤になって慌て始める。

 もちろん、今日この家でたっぷりお楽しみになるのは間違いないが、それを期待しているとバレたくないのだろう。


「あ、そうです、私のお部屋にいらしてください。なにもない部屋ですけど……」

「もちろん、瑠伽の部屋を見るのが目的って言ってもいいしね」


「大丈夫だ、瀬里奈。葉月が下着を漁ろうとしたら俺が止めるから」

「それ、立場が逆じゃない!?」


「葉月は、瀬里奈がどんなパンツをはいてるか興味津々だろ。俺は、洗濯してある下着にはあまり興味ねぇな」

「なるほど、一理あるね」


「な、ないです。下着は……残念ながら非公開です。あ、洗濯はきちんとしてありますから! 高校に上がってからは下着は自分で洗ってますし!」


「そんなん、家政婦さんに任せればいいのに。湊のパンツならともかく、美少女のパンツ洗えるなんてご褒美だよね」


「俺も瀬里奈のパンツは何度も見たし脱がしたし、顔を突っ込んでぐりぐりしたこともあるが、まだ洗ったことはねぇな」

「そ、そんな機会はたぶん来ません……」


 瀬里奈はパンツを見せるのも脱がされるのも、顔を押しつけられるのもOKだが、洗濯されるのは嫌なようだ。


 とりあえず、馬鹿話はそれくらいにして、三人は瀬里奈の部屋へと案内された。


 途中、長い渡り廊下を通ったのには驚いた。

 瀬里奈の話によると、彼女の部屋は“離れ”に当たるらしい。


 母屋のほうは大事なお客も来るため、騒がしい子供の部屋とは距離を空けているとか。

 瀬里奈は騒がしさとは無縁な子ではあるが。


 その離れに到着すると――


「へぇー、広くていいなあ。あたしも、こんくらいの部屋がほしい」

「マジ、広いな。めっちゃ片付いてるし」


 瀬里奈の部屋は、十五畳ほどもありそうだった。

 畳敷きの和室で、室内の家具はほとんどが木製のようだ。


 部屋の隅に置かれた立派なライティングデスクに、本がびっしりと並んだ本棚。

 本棚はほとんどが小説のようで、日本の作品だけでなく海外のミステリーやSFもたくさんある。


 それと、古びているが高級そうな桐だんすに、古風な鏡台。


 瀬里奈瑠伽という、黒髪の清楚な少女のイメージにふさわしい落ち着いた和風の部屋だった。

 なにより――ふわっと漂う甘酸っぱい良い香りが、瀬里奈からいつもしている香りと同じだ。


「これだけ、なんかすげーけどね」

「あるとは思ってたが、違和感ハンパねーな」


 ライティングデスクの横に、もう一つ――室内で唯一のスチール製の家具である机が置かれている。


 その机の上には、どーんと巨大なデスクトップPCが鎮座している。

 フルタワーと呼ばれる、もっとも大きなサイズのケースだ。


 ケースサイドの部分がガラスになっていて、内部に透明のパイプが通してあり、中がピンク色の澄んだ液体で満たされている。


「……本格水冷、やってんじゃん」

「ちょ、ちょっと試してみたら楽しくなってしまって」


「へー、あたしPC全然知らないけど、綺麗でいいね、これ」

「クーラント……この冷却液は毒が含まれてますけど」

「毒っ!? あんた、えらいもんつくってるね……プロペラみたいなのもキラキラ虹みたいに光ってるし」

「まあ、自作PCを光らせるのはロマンなんだよ」


「そうです、そうです。やっぱり、自作するなら無意味だとわかっていても光らせたくなるんです」


 瀬里奈は嬉しそうにPCを見つめている。


 水冷のパイプが這わせている上に、ケースの前面と背面、上部にもファンが取りつけられていて、七色に輝いている。


 ここまで行くと実用よりも趣味の世界だ。

 この清楚な黒髪美少女が派手なキラキラゲーミングPCをつくっているとは……湊は予想していたものの驚かされている。


「前に三人でお買い物したときのグラボ、付けてますから。これでレジェンディスもヌルヌルですよ」

「おおっ、ちょっとやってみたい! いいか?」

「もちろん、どうぞ。モニターも144Hz対応ですから」

「マジかー!」


 湊は目を輝かせてしまう。

 彼は生粋のゲーマーだった。


 瀬里奈がマウスを操作して、レジェンディスを立ち上げる。

 以前、瀬里奈は自宅のマウスとキーボードは普通のものだと言っていたが、マウスはボタンがいくつもあり、キーボードは七色に輝くゲーミング仕様になっている。


 湊が勧めたので、買い替えたのだろう。

 なんとなく、嬉しかった。


「あのさー、瑠伽。あたしはその辺、適当に見てていい?」

「はい、どうぞ。あ、こっちもどうぞ、湊くん」


「サンキュー」

 湊は礼を言って、瀬里奈のPCを操作させてもらう。


 スタート画面前のオープニング映像を観ただけで、湊家のノートPCとの違いを感じるほどだった。


「うおっ、なんだ今の! あれでこっちが撃ち勝てんのか!」

「やっぱり上級プレイヤーはいいモニターとPCを揃えてるみたいですね。まず、そこがスタート地点といいますか」

「マジかよ……」


 出会い頭の撃ち合いでも、まるで溶けるように敵が死んでいく。

 湊のノートPCとはまったく異次元の操作感だ。


「こりゃ、ガチで瀬里奈にPC組んでもらわないとな」

「は、はい。いつでも! 湊くんのお家に泊まり込んで作業します!」

「今度、親父が出張の日を調べとくよ」


 瀬里奈は、葉月の家にお泊まりと称して湊の家にたまに泊まっている。


 1日の最高記録は6個で、使わなかった回数も含めると二桁に届いたことすらある。


 瀬里奈は葉月以上になにを頼んでもヤらせてくれるので、湊は彼女が泊まる日が楽しみで仕方ない。


 もちろん、葉月も一緒のことも多く、そうなるとさらに楽しい。

 二人の美少女が頼めば好きなことをヤらせてくれるのだから。


 いや、お泊まりのことはともかく――


「死ぬ気でPC用の予算を確保するかー。もっと強くならないと、瀬里奈と組んでも足引っ張るだけだもんな」

「そ、そんな……私なんてエンジョイ勢ですらなくて」


 この清楚お嬢様は、重いゲームをハイスペックPCで快適にプレイするのが楽しいらしい。

 勝つのが目的ではないのに、毎日やり込んでいる湊よりはるかに上手いのだ。


「俺が勝ったら、3日間ウチに朝来てヤらせてもらおうかな。瀬里奈とは、泊まったときしか朝はできねぇし」

「そ、そんなことですか? じゃあ、私が勝ったら……合鍵をお借りして、ちゅーで起こしてあげますね……」

「……それって、俺が得しかしてなくね?」


 瀬里奈はこの清楚な見た目に反して、積極的なのが困る――困らない。


「口もいいんだけどさ、まず下着をなんとかしようよ、瑠伽」

「え? 下着って……きゃあっ!」


「8割くらい白じゃん。あたしも白は多いけど、せいぜい半分だよ。あとはピンクと水色か」

「け、結局、タンスを漁ってるじゃないですか!」


 湊と瀬里奈がレジェンディスを遊んでいる間に、葉月は下着を見つけ出していたようだ。


 タンスの一番下の引き出しが開いていて、そこにはブラジャーとパンツがずらりと並んでいる。


「ブラもなんか可愛いー。あー、あたしも中二のときにこれくらいのブラ着けてたわー」

「ち、小さくてごめんなさい……!」

「えぐいマウントの取り方だな、葉月」


 何度も言うが、葉月はFカップ、瀬里奈はDカップだ。

 Dは決して小さくないが、葉月と比べると小ぶりに感じられてしまう。


「でも、今日は……その……」

「ん?」

 瀬里奈が意味ありげな目を向けてくる。


 それで、湊はピンと来た。

 そういえば、初めて学校で瀬里奈にヤらせてもらったときにおかしなことを言っていた。


「瀬里奈、葉月、そろそろ二人のパンツが見たい」

「なーにが“そろそろ”よ。もっと他になんか遊ぶことが……」

「あるなら、そっちが先でもいいけどな」


「……ま、まあ、パンツくらいなら……瑠伽は?」

「わ、私も……自慢のPCは見てもらいましたし、そろそろと思ってました……」


「瑠伽、ちょっとエロくなりすぎじゃない?」

「す、すみません、えっちで……」


 素直に謝ってしまう瀬里奈だった。


「で、では……私たちのほうからお見せしますか……?」

「あ、待ってくれ。今日は後ろから見たいかも。そこの壁に手をついて、こっちに尻を向けるとか?」


「とか、じゃねーよ。まったく、一番エロいのは間違いなく湊だよね」

「わ、私はえっちなことをお願いされるの、悪くないですけど……」


 そんなことを言いつつ、二人の美少女は部屋の壁に両手を、畳に両膝をつき、尻を少し持ち上げて湊のほうへと向けた。


 ミニスカートの葉月は、それだけで裾からピンクのパンツがちらりと見えている。

 瀬里奈もワンピースが意外に薄く、下着の線が透けていて、それもエロい。


「うわ……これだけでエロすぎんなあ……」

「そ、そう言いつつスカートめくってるじゃん……」

「きゃんっ……♡」


 湊は二人のスカートをめくり、パンツと可愛い二つのお尻を丸出しにさせた。

 さっきも見て、脱がして楽しんだばかりの濃いピンクの葉月のパンツ。


 それと――膝丈のワンピースをめくった瀬里奈のパンツは、予想どおり黒だった。


「おお……瀬里奈が黒パンツって似合わないようで、めっちゃ似合うな」

「る、瑠伽、黒なの? 気合い入りまくってるじゃん……」


「き、気合いといいますか……一度、湊くんには黒の下着を見せる約束で……」

「どんな約束してんの、あんたら……って、きゃあんっ♡」


 美少女二人のパンツを観賞できるとは――

 見慣れた今でも、つい凝視してしまう。


「やべ、めっちゃ興奮する……」

「い、いっつも興奮してんでしょ、あんたは……」

「はう……お、お布団……敷きますか……?」


「いや、そんなの待てないかな……えーと、そうだ。もう一つの目的、済ませておかないと」

「な、なんですか?」


 湊は畳の上に置かせてもらっていた、自分のカバンを手に取った。

 そこから、小さくて薄い箱を――12箱取り出す。


「そ、それ……買ってきたんですか?」

「ああ、瀬里奈の家はいつ来られるかわからんし、どうせだから大量に。いっぱいあるとまずいか?」


「いえ、隠す場所はいくらでもありますから……でも、そんなにたくさん……」


「湊、買いすぎじゃない? ウチに置く分だって1箱ずつしか買わないのに。12個入りを12箱も? えーと……」

「全部で144個ですね」

「うわっ、瀬里奈、計算速っ!」


「いや、12の二乗が144は計算するまでもねぇだろ。葉月は、もうちょっとしっかり勉強教えたほうがいいな」

「う、うるさいなあ……人のお尻触りながら、なにを偉そうに……ひゃあんっ! ど、どこに指入れてんの……!♡」

「あんっ、手……は、入って……♡」


「ヤバいなあ……二人ともエロすぎる……144個なんてすぐに使い切りそうだ……」


 湊はさっそく箱を一つ開けることにした。

 まず一人に一個ずつ使わせてもらわないと、興奮しすぎて遊ぶどころではない。


「も、もう……ついさっき一回したのに……♡」

「え、ええ、さっき……? ここに来る前にも……?」


「ちょ、ちょっとね。まだ時間あったから一回だけ……」


「ズルいですよ、葵さん……じゃあ、私が先でいいですか……?」

「う、うん。どうぞ……一回だけなら……先にいいよ。湊、瑠伽を……可愛がってあげて」


「はい……♡ 湊くん、私にまず一回……どうぞ♡ 可愛がって……くださいね♡」

「ああ……」


 ごくりと唾を呑み込み、湊は小さな袋をびりっと破る。

 お互いにもう準備は万全だ。


 瀬里奈の香りが満ちているこの部屋で、黒髪清楚な美少女の身体を好きなだけ楽しめる。

 こんな楽しい遊びができるからこそ、この女友達二人との関係はやめられない。

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