小6(1)

先程の出来事のせいで、ようやく教師も人間だと私は気づいた。教師を絶対正義として信じていた私は、非常に混乱し、何が何だか分からなくなっていた。今まで信じていたものが信じられなくなった。

ある朝、いつもの事ながら学校に行きたくない気持ちと戦っていた。そしてふと、行く必要があるのかを考え始めた。前述の通り、信じていたものを疑うようになったので、学校という存在に必要性があるのか疑い始めた。といっても、ただ自分が休みたいだけの口実が欲しかっただけなのだろう。適当に考えた詭弁の理由をつけ、

そして私は、初めてズル休みをした。

カイロを脇に貼り、熱が出たことを偽造し、渾身の演技で親を騙した。以前から嘘にはつき慣れていたので、親に信じてもらうことは簡単だった。親は仕事に行き、妹は学校へと行った。私はのっそりと布団から起き上がり、歓喜に打ち震えた。ああ、アイツに会わなくて済む!あのクソ教師に、会わなくて済む!

罪悪感などなかった。最初に思った事がこれだ。言っておくが、私がクズになったのは、この教師のせいではない。全て、盲目的に物を信じ、嘘をつきづけた私の責任だ。つまり、自業自得だ。

とりあえず、親も行ったことだし、ゲームでもするか。

その日、私はゲームをして過ごした。非常に充実していて、楽しかったのを覚えている。それ以来、私の欠席日数は急激に増えたではないが、ただ確かに、増加していった。

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