第4話 二度目の再チャレンジ。お前はマインド不足。

こうして私は300,000円を支払い引き続き転売に取り組みました。


そうは言ってもお金を払っただけで現状はなにも変わりません。


どうにかしなければいけない、でもどうすればいいのか


と日々悩んでいました。


そんな時に講師から


「名古屋で懇親会を開催します」


とメールがきました。


名古屋というのは自分にとってはかなり遠い距離です。


それでも何かのきっかけになればと思い参加を決めました。


たださすがにこれは...


と思った内容が


「新幹線を使う人はグリーン車で来てください」


という内容でした。


いわゆるマインドというものを重視する講師でしたので、こういったお金がある人の振る舞いを意識することが大切だという説を持っていました。


なんか変だなと思いながらも、グリーン車に乗ったことがなかったので、ちょうど良い機会かなと思い人生で初のグリーン車に申し込みをしました。


懇親会当日、快適なグリーン車に乗りながら名古屋に向かいました。


懇親会会場に着くと20人くらい揃っていました。


この人たちと仕入れメールのリストに載っている商品の取り合いをしていたのかと思うとなんとなく気まずい感じでした。


しかし、懇親会が始まると最初はぎこちない感じでしたが、徐々に打ち解けていきました。


転売をしている人というのはどちらかというと内向的な人が多い印象です。


なので、似たような人たちが集まったからこそ早くに打ち解けることができたのかなと思います。


みんな大なり小なり仕事に関する悩みや不満があって転売を実践していることがわかり、自分だけではないと感じました。


参加者のなかには副業から始めて専業にしている人もいました。


話を聞いてみると、3ヶ月で利益300,000円を達成してこれならイケると思って独立したとのことでした。


自分にとっては300,000円を達成するなど夢のまた夢だったので、かなり落ち込みました。


しかし、結果的には参加して良かったと思いました。


現実に結果を出している人がいると分かっただけでも自分にとっては収穫でした。


専業にした人からは、「納品作業まで1人でやるのは大変だから、外注を探してみたら?」というアドバイスをいただいたので、外注できる人を探してみました。


外注スタッフ探しは考えていたより簡単に見つけることができました。


これに関しては運がよかったのかもしれません。


自分がやっていたことを振り返ってマニュアルを作ってスタッフさんに送りました。


基本的にスタッフさんとのやりとりはラインとスプレッドシートだったので、顔を合わせたことはありません。


そんな感じでも上手く回っていくというのは、なんだか不思議な感じでした。


毎日のように出勤して顔を合わせている今の仕事はなんなのだろうかと思いました。


納品作業がなくなったことにより、精神的にかなり楽になりました。


自分でやっていたときは、深夜3時頃まで作業をすることは珍しくなく、商品をダンボールに詰めるのが終わったらすぐに納品できるように明け方にコンビニへ行くような生活が続いていました。


その作業がなくなって本当に気持ちにゆとりができました。


ただ、作業はなくなっても利益はあがりませんでした。


スタッフさんに報酬を支払ってしまうと今までと大して変わりませんでした。


これには頭を抱えました。


ちょうどこの頃から講師に対して不信感というほどではないのですが、なにか違うなと思うことが多くなりました。


質問に対してはかなり早くに返信をしてくれます。


しかし、返答内容がどれも要するに「マインド不足」や「行動が足りない」というものでした。


なので、講師に質問をするのではなく、ネットで情報を集めてみようと思い、独自に情報収集を始めました。


結果的にはこれが功を奏しました。


振り返ってみると、なんでもっと早くに自分で調べなかったのだと後悔しています。


「講師が言ったから」とやり方を改めることなく過ごしてしまいました。


情報を集めすぎると中途半端になると考えていました。


この頃の自分は転売を大学受験とか資格試験のように考えていました。


正解があってそれを覚えていく作業だと勘違いをしていたのです。


もちろんそういった側面もあると思います。


しかし、お金を稼ぐということに関してこの考え方は間違っていたのです。


自分で仮説を立ててそれを検証して改善をしていく作業が求められていたのです。


利益が出ないなら、取り組みを1つずつ見直して、検証して、新しいことを取り入れてと試していかなければならなかったのです。


ただ愚直に講師が言っている稼ぐ方法を実践しているだけではダメだったのです。


また、自分は本当に他力本願でした。


誰かがなんかとしてくれる、お金を払ったのだから大丈夫ととても甘い考えを持っていました。


特に、大金を払ったのだからなんとかなるという思いが強かったように感じます。


しかし、「お金を払った」ただそれだけなのです。


400,000円だろうが300,000円だろうが、それは同じなのです。


「お金を払う」という行動をしただけで何も自分自身は変わっていません。


結局は、自分でやらなければならなかったのです。


お金を稼ぐというのは誰かがなんとかしてくれるものではありません。


当時の自分はそのことは本当の意味で分かっていませんでした。

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