第15話陰険な行き止まり
道の駅からホテルに到着した、
これから入浴という時に美佳が言った。
「私と蘭子は後でいいから、兄と中学生たちだけで先に入ってもいいわよ。」
中学生たちは何も疑わずに入浴に向かった、俺も入浴へ向かう。
しかし浴場へ向かう途中、石木は
「本当に怪しい行動するかな・・・?」
「まあ、見ればわかります。」
しかし石木の疑問はすぐに消えた、美佳と蘭子は金山と安室がチェックインしている部屋で、荷物を物色していた。
そして美佳と蘭子は、それぞれ通帳を手に入れた。
「嘘だろ・・・、何やってんの?」
「やっぱり・・・、嫌な予感が当たってしまったね」
まさか美佳と蘭子が目の前で窃盗をするなんて・・・、しかも
石木は美佳と蘭子を尾行しながら、安室に小声で質問した。
「ねえ、どうして美佳と蘭子はあんなことしてるんだ?」
「おそらく親父の計画を聞いた村瀬が二人にやらせているんだと思う、通帳を奪われてしまったら、俺たちの旅行はそこで終わりだ。親父の狙いはそれだ」
石木は
五人の中学生の通帳を持ち出した美佳と蘭子は、事前の打ち合わせで村瀬が指定した場所へ向かった。
「ここね・・、村瀬さんの言っていた場所。」
「うん、でも何だか悪い事しちゃったな・・・。せっかくの修学旅行を妨害するなんて・・・。」
「あれは修学旅行じゃない、集団エスケープよ。こんなご時世に旅行なんて、かなり常識が抜けているわ」
「美佳姉ちゃん、そんなに厳しいこと言わなくても・・・」
すると村瀬が美佳と蘭子のところへやってきた。
「二人とも、例の物は?」
「はい、ここに。」
村瀬は美佳から五人の中学生全員の通帳を受け取ると、通帳を一つ一つ確認した。
「間違いない、よくやってくれた。感謝する」
その時、石木が村瀬のところへダッシュすると、その勢いで村瀬をぶん殴った。
「兄ちゃん!?」
「うそ・・・、どうしてここに?」
美佳と蘭子は石木の登場に唖然とした、そして石木は村瀬の胸ぐらを掴むと言った。
「村瀬・・・、俺の妹に窃盗をやらせるとは・・・、良い度胸してるじゃねえか」
石木の剣幕に村瀬は顔が引きつって、体が恐怖で震えだした。
「石木さん、もういいですよ。通帳は取り返しました。」
安室が石木に言った、そして安室は村瀬に言った。
「親父に伝えてください、俺たちは修学旅行を続けると」
安室の声は低くて冷たくなっていた。
村瀬は作戦の失敗を悟って、走り去っていった。
「兄さん、あたしたちは・・・。」
「弁解はホテルに帰ってからだ、そしてあいつらに謝罪してもらう。いいな?」
美佳と蘭子はそれから大人しくなって、石木と安室に連れられてホテルへと向かった。
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