叶えたいその願い
@666652
第1話
「なんでこんな暑いの。」
私は夏が嫌いだ。暑い。薄着。汗で肌がベタつく。日焼けする。水泳の授業がある。夏の嫌いな所なら簡単に何個でも考え付く。
「冷たいよ。一口いる?一口だぞ笑」
そう言って、木のスティックに刺さったソーダ味の冷たいアイスを差し出してくれるのは私が秘かに想いを寄せている男子、
「冷たぁ。ありがとう生き返ったよ。」
そう言って三口程食べたアイスを彼に返す。
「だろ。俺アイス大好き。」
そう言って彼はまたアイスを食べ進める。
私は彼と二人きりで帰るこの放課後の時間が好きだ。夏以外は私のバイトがあって、バイト先に直行だから一緒には帰れない。夏は気分が乗らないからバイトは入れてない。だからこの放課後帰り道、この二十分間は夏限定の、お互い帰宅部である故の特別な時間だ。ちなみに彼は成績が悪いからバイトを両親に禁止されている。私は成績が良い。そのため私は夏限定で彼の家で勉強を教えている。だから実質彼との特別な時間は二時間程。私は学校から直接彼の家に向かう。好きな彼と2人、帰り道が同じ、帰る家が同じなのは心臓が飛び出そうな程嬉しい。
この放課後の数時間が私のたった一つの夏の好きな所だ。
叶えたいその願い @666652
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