第11話 滅亡
昨年のはじめ中国で世界に報告された新型コロナ。今でこそ明らかになったが、その時点で世界中に感染が拡大していた。
徐々に判明してきたことだが、無症状者、軽症か重症で死に至るという両極端なものだったゆえに、原因不明の急激な肺炎、しかも抗生物質が効かないという特異な症状で重篤になり、治療が不可能な風邪症状の報告が世界同時的に報告され他時に、中国が急拡大していると発信した。
しかしそれは隠ぺいが不可能な状態になり、むしろ中国が最初の被害を受けたことを強調する手段だとされた。政府が確認したのは数か月前になり、統計を操作していたのは明らかだった。
日本は中国人観光客でどうにか景気の下支えをしており、観光客の入国を止めた。
そして個人で入国する場合は、空港での体温センサーのみで許可をした。
今思えばなんて粗末でいい加減なことをやっていたのか。
政府は水際対策を万全とやっているので、五輪は問題なく開催するとした。
そして数週間後、クルーズ船という想定外クラスターが確認され日本が揺れた。
乗客が次々と亡くなり、コロナの恐怖を現実として知ることになった。
次に北海道の札幌雪祭りでクラスターが発生し、次に札幌から移動した会社員が出張先でクラスターを起こした。
この時点でも日本はマスクさえしてれば予防できるとしていた。
マスクが不足し布マスクが急遽全国民に配布されることになった。しかしこれが日本という国のおかしさが露呈し始めた最初であった。
それまでも政権と官僚の不正が当たり前のように横行し、昭和なら何度も内閣が変わるか政権交代が起きてもいい状態であったが。ラグビーや五輪への期待が国民の視線をそらしていた。
しかしコロナは直接市民の命にかかわる重大事案。個人個人が強く政治に関心が高まっていくことになった。
日本より先に欧州がコロナの被害が深刻になり、一斉にロックダウンを開始した。
日本も横に倣えとばかりに自粛という自助をお願いするということにした。
しかしこれはロックダウンではなく、それっぽいがまったく違うことだということを国民は気が付いていなかった。
しだいにあらゆる経済活動が停まり、困窮者がでたり自殺者が急増したのにもかかわらず方針は変えなかった。
十分な収入の補償ありきがロックダウンであって、スズメの涙では全く意味ないこと。
自営や個人事業者なら理解できるが、少額のお金を毎月もらうより例え合計金額が少なくなっても全額一気に手元に無いと何もできないということ。
公務員やサラリーマンの価値観の意識しか持たない政策、国民目線を最初から持っていないことがこれではっきりしたことだった。
さらに国民の不信感を増大させたのは、五輪を開催することを決定したこと。無観客でもなんでも形だけは開催したという実績を求めた。
招致時の予算の数倍にまで膨れ上がり、後にも先にも進めない状態にしてしまう自業自得。
医療関係者もボランティアでまかなうとかという、優先すべきところにお金をかけない。会場スタッフもボランティアかスポンサー企業からの出向、公務員の業務とか、学校関係に許認可を餌に動員したりとか、丁稚奉公が令和にまで存在する違和感のある美徳。
スポンサー企業も同罪で、まったく声明を出さない。当然各自治体もだんまり。交付税など忖度が横行している関係。
しがらみのない市民ボランティアのほとんどは辞退した。残っているのは関係者ボランティアのみとなった。
世界的にこれだけ国民がバカにされたら革命や暴動が起きるレベル。
コロナによって国の民度が計られるというオマケが付いた。
感染対策がうまくいっている国はやはり政府への信頼度がが高く国民も結束している。ただし人口は日本の半分の小国に限るが。
日本はバブル崩壊から国が国民を救おうということを止めた。気づいた国民は自衛に向かい、少子化や未婚は結果に過ぎない。
若い人口が極端に少なくなり人材が不足し世界と競争できなくなった。
せめて五輪で日本ここにありきという存在感、日本人すごいぜ感を復活させようと試みたが、結果コロナで失敗に終わるが、今思えば必然のストーリーが最初かできていたとのでは。
古(いにしえ)より甚大な天災が起きるのは政(まつりごと)が腐っているからだという話がある。
コロナも天災とすれば政治がうまくいっている国が拡大を抑えているのは当然なことになる。
また都市伝説レベルになるが、五輪を開催した国は10年以内に滅びるか近いことになるという。
古くは戦前のベルリン五輪のナチスから始まって、その後の五輪を検証してみるとまさにそうだったと信じてしまう。
希望はある。日本の好景気は40年周期という話だ。バブル崩壊から数えて後10年で景気が良くなる。
しかし今回五輪が開催されることになると10年後には日本は無いことになる。
今まさに開催が決定され、滅亡へのストーリーが始まった序章ということだ。
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