【神隠しと花嫁】

@RK10221

第1話

昔から、夜が怖くて泣いていた私に祖母が聞かせてくれた歌。


「幼き童や、何処へ行く?夕暮れ時は出歩くな。神様、モノノ怪降りてきて、攫いに来るぞ、そら逃げろ」


詳しくは知らないけど、我が家に昔から伝わる古い歌らしいの。


だから私は両親に「昔から、この辺りでは神隠しが起こりやすい。だから…夕暮れ時になったら必ず家から出ては駄目」って言われて育ってきた。


しかし、両親はある日…突然交通事故に巻き込まれていなくなってしまった。まだ幼かった私にはショックが大きかったから、しばらくの間、何も口を聞けないでいた。


祖母はそんな私を1人で大切に育ててくれた。たくさんの愛情をくれたし、高校にも行かせてくれた。でも…もう歳だった祖母は2年前に病に倒れてしまい、両親と同じくこの世を去った。


亡くなる前、病室のベッドで祖母がこんな事を言っていた。


「良いかい…お前はもう18になる。18の誕生日を迎えたら3日間は寺の敷地から外に出てはならないよ。もし【何か】をみたとしても、話しかけたり答えたりしては駄目だよ」


私の家はお寺で、敷地内にはよくモノノ怪と呼ばれる者達がいくらか住み着いている。しかし、祖母が言う「何か」とは一体何なのだろうか。


そんな事を考えながら時が過ぎ、18歳になった私は事件に巻き込まれる事となる。

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