第9話 暇がない

「はぁ」


私はため息をついた。


「どうなされましたか?」


執事のマッカンデゥーに聞かれるが、


「なにも」


と答えてしまう。

彼、大已君はドラゴンを倒したあと突如としてしまった。

なぜだ?


普通なら帰り道があるはずなんだ。

例えば住宅街なら異空間の歪みがある家がこちら側への帰り道となる。

つまり今回のは異例であったということ。


それはあちら側の過失であることが8割締めているが過失があったら大体生きていないはずだ。

あのあとドラゴンの死体は何者かに奪われていた。

あんだけ大きな死体を一瞬で盗んでいくのは人間ではできない。

それについても調べなくてはならないな。


明日も学校だからさすがに夜通しはできないな。


「マッカンデゥー、あちら側には人以外に知的生命体がいないか確認してください」

「承知しました」


そして私は部屋を出た。
















「どうやらそこまで知っているようですね、始末するのは‥‥‥今はしないで起きましょうか」


一人の老人は人ではなかった。

老人の顔をした怪物なのだ。
















「さて」


俺は部屋を出て玄関に向かう。


「あら、仆釉どこに行くの?」

「散歩しに」

「わかったわ、気をつけて」

「おう」


外に出ると住宅街の小道を通っていき河川敷にでる。

そこには桜が咲いていて、大人たち桜見をしている。


それを見てもなにも思わないようになっていた。

桜がきれいだなんてことも思わないし、桜見をしていて羨ましいと

も思わない。

多分だがあんなことがあったのだから他のことに気にする暇がないといった方がいいかもしれない。


そういえば明日には転入して初めての授業があるし戻ることにした。












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