第7話 ドラゴン

「え」


驚く。

一つの感情しかでなかった。

目の前の光景にあったのはこの世界にいるかもと思っていたものだった。


「ふ、今の攻撃を耐えるとは初めてだ」


一つ一つ真紅の殻だと思わすほどクリアな鱗、そしてクリーム色のはっきりした皮膚。

そういわゆるドラゴンと呼ばれている生き物だ。


「ええ、この程度なんともないわ」


で戦っているのはフレドリアさん。

言っていることは嘘とわかるほど悔しそうな顔している。


(倒せないのか互角なのかどちらかか)


俺は草むらの中に隠れて観戦することにした。

いやそうしようとした。


「隠れているものがいるな出てこい」


ドラゴンさんにバレました。

これ出なかったら殺されそうな気がするのでおとなしく出てドラゴンとフレドリアさんの前に姿を現す。


「え」


フレドリアさんは驚いている。


「貴様はどうやってここに来た?」


「えーっと、空から落ちてきた」


するとドラゴンをなにかを臭う動作をする。

フレドリアさんもただ見ているだけ。ここで攻撃をしたら俺が殺されることがわかっているみたいだ。逆を取ればドラゴンはそれほど強いということがわかる。


「ふむ、嘘はついていないな、どうやら迷い人か、なら言うがここにこちら側に帰る方法はない、諦めろ」


「っ!」


驚くのは俺ではなくフレドリアさん。

多分帰る方法ないから死ぬよということを教えてくれているのだろう。

それは絶望ではない。


(これってドラゴンは臭いで嘘かどうか分かるのか便利だな)


これが現実だ。こんな非日常性が多くても現実だ。

内心と上辺だけの思考とは違うことを考えていた。


「ウハハ」


(笑えてくる)


自分独特の引き笑いをしてしまう。

さすがにドラゴンも驚いているみたいだ。


「つまりさぁ、ここから帰る方法はなくても移動をしたらいいだけだろ?」


「ああ、そうだが」


ドラゴンは少し戸惑って言ってくれる。


「しかしここから移動しようとしても迷い人は数日かかるから、その間になにも食べるものがなく餓死するのがオチさ」


つまり誰かが俺を殺す気でここに来させたのか。

こんなもんで諦めるわけがない。


「さて、死ね」


ドラゴンはフレドリアさんと俺に向けて攻撃をしてくる。

フレドリアに向けて火を吹き、俺にはしっぽでしかけてくる。


『さぁ、やるぞ』


突如として男性の声が聞こえてくる。その瞬間俺のなにかがかわった。

血管が圧迫されるように力が湧き出るような感覚に覆われる。その感覚に不思議と懐かしいと思ってしまった。


「なに」


ドラゴンのしっぽを掴み、自分の指をめり込ませる。

そしてドラゴンを地面に叩きつける。


ドンッ!!!


巨体が倒れて振動が伝わる。

安心からか力が抜ける。


「よくやったわ、私では倒せなかった相手だったから」


(やっぱし)


バタ。



















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