第6話 また

私は家への帰路を歩んでいる時聞かれたことを思い出した。


『あちら側の世界は知っていますか?』


そう大已君から聞かれた。

その言葉をどこからか知ったんだと聞こうと思ったが聞いたら知っているとバレてしまう。


『知らないわ』


そういい、早歩きで逃げた。

その対応に今頃どうかな?と思ってしまっている。

でも普通ならあちら側の記憶はないはずだから。


今日もあちら側に行かないと、私の本当の家に。

















「はぁ」


逃げられた。

当たり前だから別に怒りはしないし、これで怒った方が短気すぎるだけだ。

白姉はまだ仕事が残っているから一人で家に帰っている。


(家に帰ったらお菓子でも食うか)


「は?」


また落ちる感覚に覆われた。

しかし前の時のように一度止まらずそのまま森に落ちた。


(今回は森か)


一度起きたことなので混乱はしていなかった。が、


(高すぎんだろ〜!!!)


なんと木が生い茂るなか、一番高そうな木よりもさらに高いところから落ちる。

地上を見ると大体の距離は最低でも200mはある。


\(^o^)/


死を覚悟するか。

心の中で思っていても頭や体は違う。


(どうする、足から着地しても多分ではなく死ぬだろう。しかしそれでは生き残れない、悔しいのだから諦めるわけにはいかない。これは神から試練というかもしれないが俺はそう思わない。だってそんな自分の目で確認したことない存在を信じるより今ある現実を見るしかない。

足掻け、足掻いて、足掻きまくって生きる可能性を0.1%でも広げろ)


落下するのだからいつかは地面につくのだ。

それなら地面を見てなにかあるか探すしかない。


「くそ」


あるのは木々ばかりこれではない意味がない。

よく映画とかである木にしがみつくや木に引っかかるという行為は生きれるかもしれないがこのスピードではまず木がある方に空中で移動できない。

というか落下する時間を伸ばしたいから大のように体を広げて空気抵抗を使う。


しかし数秒だ。

地面は目の前だ。


(無理か)


そして目をつぶった。

















痛くない?


「え」


目を開けるとなにごともなかったかのように自分は立っていた。


(一体なにがあった?)


「ひぇ」


ふとして足元を見ると液体があった。

色はないので透明だとわかる。

しかし一体なんの液体なのかわからない。


ドンッッ!!!!!!


「うわ」


一瞬地面が揺れた。

まるでなにかが落ちてきたみたいな感じだ。

冷静にはいられずに音があった方に走っていく。


(きっとこちら側には帰れないだろう、だって前の時とは違うから)


この前は戻る方法に予想ついていたが今回は上空からで明らかに殺しにかかっているような気がする。

それなら今できるのは音がある方へ向かうだけだ。


なぜこんな行動でできる自分に理解できないけども一面を知れていいと思っている。





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