第20話
波乱の休日が終わり学校が始まった。
俺は朝早く起きてまた学校へ行く。できれば
もうトラブルには巻き込まれたくない。けれどもヒロインを助けるためには体を張っても良いかもしれない。
そして学校に着いた俺はできるだけヒロインに出会わないように教室へと向かう。
だが俺は会ってしまう。入草花音に…………
「あらおはようございます。達平さん」そう花音は言った。俺は「あぁ おはよう。」と彼女の目を見ずに言った。なぜかって ?
恥ずかしいからだ。花音を見ると休日のことがフラッシュバックしてくる。
あぁ本当に恥ずかしい……
俺は二人のヒロインに争われたのだ
俺はそんなことは初めてだったから
どんな顔をして話し掛ければいいのかが分からない。
俺は花音にそう言った後急ぎ足で教室へと向かって行った。……
教室とは特殊な空間だ。一人がふざけているとその空気が他の人にも伝染する。また人に話しかけづらい。例えば「ある人に話し掛けたいけど周りの人と話しているから後で話そう。」そのように教室に居るだけで自分の意志とは関係なく流される。
だから俺は教室へ向かう。教室でなら俺ばかり焦点が当たらない。だから悪く言って無視されるのだ。普通はいじめと言われるのだろうが、この状況下では俺にとって好都合だ。
だがまだトラブルは俺を逃さない。
「よぉ、達平。」今度は藤宮美来が俺に話しかけてきたのだ。俺は何も言わずに教室を出た。そして屋上へと向かった。しかし俺が屋上へと着いた時もう屋上には人がいた。
その人は俺に向かってこう言った。
「お前調子のんなよ」と………
それもそうだ。俺はこのゲームのヒロイン二人と話したりしていたのだから嫉妬されるのは当たり前だろう。俺だってもしもそいつの立場だったら絶対に嫉妬していた。俺 向かって「はい、分かりました。すいませんでした!!」と大声で言って教室へ戻って行った。…………
授業が終わり俺は何も言わずに席を立った。周りの視線が少し気になるがそんな事を思っている場合ではない。俺は早く家に帰ってテレビを見ないといけないのだ。そのTVの名前は「魔刃ライダー マオ」地球で言うところの仮面ライダーのような感じだ。地球で暮らしていた頃はあまり見ていなかった。そういったものは…………
だけどこの世界で魔刃ライダーを見て本当に感動した。応援したくなる様な感じでとてもかっこいい。俺はもう高校生。
いや前前前前前前前前前前世を含めるともう1000歳は超えているだろう。そう思うとそんな俺でもはまってしまう魔刃ライダーは恐ろしいものだ。
家に帰って俺は魔刃ライダーを見てそのまま自分の部屋へと向かった。テレビを見たあとだからか何故か頭がスッキリしている。
今ならこれからのことについて鮮明に考えられるかもしれない。…………
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あれ? ふと、目を開けると時計の針は十二時を指していた。俺は寝ていたという事を 理解する。 でもいつ寝ていたのだろう?
自分には全くその時の記憶が無かった。けど知らない内に寝ているものなのだ。子供は………… それでも俺は眠気を我慢して机に立ち向かった。今日書かなきゃいけないことがあるのだ。俺は書いた。
「この世界は本当に俺がやっていた恋愛ゲーム。「恋する乙女と雨模様」の世界なのか?」 という見出しをつけて…………
何故かって? 理由は単純だ。3人目の攻略対象である荒海涼子から闇のオーラみたいのが感じられないのだ。ゲームの中で主人公の太陽は彼女の闇のオーラを感じて彼女を救う。なのにも関わらず彼女からは闇のオーラは感じない。けどもしこの世界があのゲームの世界と似ているだけの別世界だったら俺はこれからどうすればいいのだろう?
俺は怖くなってノートを閉めてそのまま眠っていった。…………
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