第16話

私は朝起きてトキドキしながら学校へ向かった。なんてったって彼にお礼を言うのだ。


それに彼に私の秘密を教えるためでもある。私が陰キャだった事。本当は彼の気持ちは分かっていたけど自分の地位を守る為に陰キャをオタクと罵り切り捨てた事。本当は言わなければいいのだろうが私は言わないといけない。



もしかしたら彼は私の秘密を知らず、ただ私に媚びを売るために助けたのかもしれない。だからこそ私の秘密を彼に伝える。


なんだかか分からないけど彼になら託せる気がする。




そうして私は昼休み。

「ちょっと多田平こっち来な。」少しヤンキーぽくなってしまったが何とか言うことに成功した。


そして私は彼をひと目の付かない場所に誘導し話しかけた。「なんで私を助けたんだ。私はお前を切り捨てていたのに」



話していると目元がジーンとしてきた。すると彼はこう言ったのだ。



「助けるのに理由なんているかよ。助けたいから助ける。それだけだろ?」

  


彼はそういった。そして彼が帰ろうとしたその時に私が彼に言う。


「今から私の秘密を見せる。それを見て嫌だと思ったらもう私に近づかないで!」


言ってるとだんだん悲しくなってきた。もし「うゎ陰キャかよ~」なんて言われたらどうしよう。


そんな不安があったが私は彼に見せた。私がバニーガールのコスプレをしている写真を…………



すると彼は「そんなことで悩んでいたの? 藤宮さん。藤宮さんは藤宮さん自身じゃん。どんな藤宮未来でも大切なひとりの人間だ。そんなことでウジウジ悩むな!!」



最後らへんは言葉が変わっていたけど私はその言葉に惹かれた。私は陽キャだ。



けど達平はヲタク。絶対に交わることはない。だけど隣のクラスの入草花音は彼と屋上でランチをしているらしい。

なんかわからないがモヤモヤする……………


もしかしたら私も彼女のように彼と一緒にご飯を食べたりできるかもしれない。


私は勇気を絞って彼に言った。


「連絡先交換してくれない?」その時私は少し頬をふくらませていた気がする。そして私は家に帰ったのであった…………




家に帰った私は家族に今日のことを話した。すると家族は笑っていた。母さんが言うには、話している時の私はまるで恋する乙女のようだったそうだ。



私は彼に恋をしているのだろうか。もししているのだったら二回目の恋だ。そう考えるとだんだんと心が暖かくなってくる。


だけど今なら自身を持って言える。



「私、藤宮美来は貴方、多田平達平のことが好きです。」



貴方を切り捨てていた私だけど貴方の横にいても良いのかな。そう思い私は眠った。…………





Side達平




未来と連絡先交換してから一日がたった。次に現れる攻略対象者は前にも言った

「荒海涼子」だ。彼女が少し頬を染めておこっているところをみてみたい。そのためには彼女の思い詰めていることを助けてあげることが必要だ。俺はそんなことを考えて目をつぶった。…………



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る