第7話

その後。


しばらくして。


背中に絡みついていたアイリの腕が外れて、

やれやれと思っていた矢先に、

俺の顔に、生あたたかくて、柔らかい布が

ふぁさりと落ちた。


「え....」


嫌な予感が走る。


アイリが側にいるせいで、寝付けず、

目は爛々としていたから、その、モノが

何か、は直ぐに検討がついた。


妹は。


ショーツを脱いで俺の顔にかけてきたんだ。


この状況。

他の男なら喜ぶところだが、

生憎と俺の背後で寝ているのは正真正銘の妹。


やってほしくないことを。

俺が錯乱するのを楽しむかのように。

俺は身体の向きを変えていないが、

アイリの奴は、ふえぇ、と小さく泣きながら

やってのけていた。


更に更に。


アイリの奴が俺の右足にアイリの右足を絡ませてきた。


左手か、右手かはわからないが。

アイリの細い指が。俺の背中の上の方から

下の方に移動して、やがては

下半身に伸びてきた時。


俺は理性が飛びそうになってた。


完全に、誘ってきてて。


さっき諭したのに。

俺達は兄妹だから、なんもできないって

あれほど言ったのに。


アイリのやつは

俺がそのうち理性崩壊して、


自分に手を出してくるのを、

虎視眈々と狙っているんだと思った。


現に今。


背後でノーパンでいるわけで。


キャミは多分着てると思うけど、

それもそのうち、俺の頭の上に降ってきそうで、そうなったら俺は、もう、

どうしようもできないと思っていたんだ。



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