第35話〜受験後の盛り上がり
試験が終わり、受験校の校門から続々と人が帰っていく。みんな真顔で平常心を保っているかのようにみえた。
「ねぇ、飴岩くんはどうだった?私はダメかも、数学と社会が本当にね…」
後ろから耳元で囁くように、狭間さんが話しかけてきた。ちょっとドキッとしたのは内緒だ。バレたらガリ勉に晒しあげられる。
「まぁまぁかな。あんまり調子のいい事を言うとほら、落ちた時のショックが酷そうだから」
「そう言って自信アリって顔してるよ〜。」
「えっ、まじで?」
「うん」
そんな顔に出ていたとは…恐ろしや。でも出来たといえば出来たのだから少しぐらい調子に乗させて欲しい。さっきの発言は
「あ、狭間ちゃんと飴岩じゃん。てか聞いてよぉ〜あたしさぁ、マジで落ちたかもしんないだけど」
また後ろから誰か来たかと思えば、クソ瀬山だった。ちょっと話し方に腹が立ったので睨んだ。
「飴岩くん、怖いよ。そんなに睨んだら目がそのままになっちゃうよ?」
「なんでそんな顔面になってんの?やば。」
「そっくりそのまま返すぜ」
「は?殺すぞドブ」
「もぉー、2人とも喧嘩はやめてよね」
こうして目的の駅までの間に言い合いをずっとしていた。その光景を見ていた狭間さんも段々と面白がってゲラゲラと笑いながらそれを見ていた。
「あはは!受験が終わったからか分からないけれど、テンションがおかしいや!」
「うっほっほっほ!うほ!うっほ!」
「瀬山どんな笑い方だよ!はは!」
みんな、笑いあっている。俺もあの時瀬山の笑い方で笑っていたが今思えば、何が面白いのか分からない。
ともかく、こうして俺のゴミみたいな受験シーズンは終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます