第34話〜受験当日の空気
電車に揺られる。いつも乗っている電車とは少し違うような気がした。いつもいる筋肉ゴリラやガリ勉がいないので心細くなっている。どうにかして受からないと。
「大丈夫?体調が優れないの?」
「いや、大丈夫だよ。ありがとね、心配してくれて」
そういえばこの電車の中に俺を泣かせた瀬山もいるんだった…最悪だ。
「男ならシャキッとすればァ?狭間ちゃんも相手しなくていいじゃん」
「瀬山さん、そんな言い方しなくても…。」
「そうだそうだぁー。俺を泣かせたのまだ根に持っているからなぁー、俺はネチネチしているぞ」
狭間さんは少しオドオドしながらも瀬山を注意してくれた。俺もそれに便乗してあの日の事を言った。
「あの時は…本当にごめん。謝るタイミングなかった、これで許して」
「駄目。言ったろ?俺はネチネチしてるって。だから駄目ですね」
「もう飴岩くんも意地悪は駄目だよ」
こうやって3人で話して緊張をほぐした。受験前のあの気持ちの
「はっ、はぁ…なんで今日本番なのにこんなに笑えるんだろう?ふぅ…」
「分かんねぇよ、あたしに聞くなぁ…ははっ!はぁ…」
「ちょっとハジけすぎちゃったね。はぁっ…はぁ…」
そして電車から降りて改札口に切符を入れる。俺はまだmelonを持っていないが2人ともmelonを持っていた。
「それいいよな、そこに置くだけですぐに行けるんだからな」
「飴岩持ってないんだ、草生えるぅー」
「瀬山さん、切符持ってるおじさんがこっち睨んでるよ」
「え、まじ?…マジじゃん、これ痴漢?」
「見ただけで?!」
こうやって話しているうちに受験会場に着いてしまった。予想通り大量の人だかりでその中には俺と同じ中学の人も沢山いた。
(俺は頑張ってきた。
自分を奮い立たせて試験は始まった。
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