第14話〜優しさ
彼女は
「全肯定かよ、照れるな。まーそんなことを言う
同い年の子に応援されると、なんだか恥ずかしかった。それで照れを隠すためにちょっと煽りを入れてしまった。
しかし彼女は自分の夢を話したかったらしくまた、考えがまとまった良い時に聞かれたので意気揚々と話した。
「うん、持ってる!
「まて、待て待て。ちょっとだけ落ち着いて」
「えぇー、今は
彼女は頬を膨らませて、怒っている。話を
聞いていて思った事がある、今は夢の話をしている。それは分かるが彼女が言っている夢は俺にとっては当たり前で、日常的なものである。
「なぁ、この部屋から出たことあるか?」
「もー話変えないでよ、せっかちさん」
口調はいつも通りの小さな子供のようだが、表情は成熟したオトナのようだった。何かを覚悟したそんな顔だ。そこには触れてはいけない、そう感じた。
「今の所はない。でもね?あと来年あたりかなぁ?それぐらいには外に出れるの、思う存分にね」
「じゃあ病気がその時ぐらいに治るってことか。なら、
彼女の表情は明るいようで少し影を感じる。
「うん、そうだよ。だから来年の春あたりには
「お前ぐらいなら持てるぜ、俺」
来年の春ぐらい…俺が高校入学したあたりかね。それぐらいには一緒にデートが…あぁ!何考えてんだマジで。
でも来年の春には病気は治るって事だし、こんな夢じゃなくて、現実でも会えるんかなぁ。本当に会えれば俺はオカルト全般とゾンビは信じる事にする。
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