第11話〜二度目
俺はイチゴタルトを口に
「お人形さんやぬいぐるみと違ってお口の近くに押し付けなくても、ちゃんと食べるからすごく楽しい」
「ぬいぐるみの口に押し付ける?…おいおい、その持っているケーキを俺に押し付けるなんてしないよな?」
俺は紅茶をすすりながら、
ずっと
「あっ、あぁ、またこの部屋に来たなー。それにしても美味しいなぁ」
「また会えるなんて思ってもいなかったわ、
よし、なんとか話は変えられた。
「そんな事ないぜ、バンバン成長してるよ」
ずっとこのまま子供で守られていたいという気持ちが俺にはあった。将来の不安という種だけが、どんどん成長している。
その種が成長しきった頃には、俺は
「いいなぁ、大人に近づけて」
「大人になっても面白くないことばっかだろ、なにを羨ましいんだか」
「大人になったらどこでもいけるし、なんでも出来るんだよ?家族にもお友達にも物にも縛られないんだよ」
軽い口喧嘩に発展した。
「いーや、大人になったほうが縛られるね」
「違うよ、大人になれば自由なんだよ」
「まぁ、どっちにしろアナタには未来があるんだからねー」
「勇気づけられる歳じゃねぇよ、俺は」
「どうでしょーね?あはは」
なんというか、可愛いと思った。俺って馬鹿だと思う。どんどん彼女と話していくうちに惹かれていっているからだ。
「そーかよ」
「もーそっけなさすぎだよ」
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