第10話〜昼寝なら
「また……あの…白い、部屋?」
同じ夢を見るのは良くあることだ、俺は周りを見渡す。白い部屋には新たに机と椅子が追加されておりその上にはティーカップやティーポッドがあった。そして皿が2枚とフォークが2本あった。
そして何より目を引くのがケーキスタンドにある洋菓子だった。どれも綺麗なものばかりで高そうな印象がある。
(おぉ、何か外国の絵画みたいだな。)
そして2つある椅子の内の1つに、彼女は居た。首を椅子の背もたれに置いて、脱力したように座っていた。
白い髪は彼女の顔を覆っている、髪の間の黄色の花がこちらを見ていた。近寄って椅子や机を見てみる。
「…まだ温かいな」
カップに触れると、まだ温かいので入れてからまだ時間は経っていないみたいだ。まだ二割ぐらいしか飲んでいない。
「まぁ、起こすよな。おーい、起きてくれ。また来たぞー」
声をかけてもそのまま体勢で、起きる
「おーきーろー、おーきーろー!」
「…んぇ、かぁさま待って」
俺はお前を産んだ覚えはないし、そもそも産めねぇよ。
「わぁぁ…また来てくれたの?
彼女は笑顔で椅子から立ったが、手は机についている。椅子で寝ているから足が痺れるんだよ。
「来たっていうか、いつの間にか来ていたの方が正しいな」
「うーん、
そして
「そんなに見られても何もしねぇよ。早くお紅茶をくださいな。
「えぇ、すぐにお入れ致しますわ。わざわざ遠い所からいらっしゃったから相当お疲れでしょう?お菓子をどうぞ」
「んんん〜まぁっ!ありがたき幸せですわよ!それじゃあいただきまーす!」
ケーキ屋のお高そうな洋菓子をこんなに食べれる日が来るとは思っていなかった。俺は皿を取り、フォークで美味そうなイチゴのタルトを刺して取った。
「すっげぇ…食品サンプルみてぇ…うめぇ」
「あらあら、そんなにパクパクしなくてもまだまだおかわりはありますわ。ゆっくりお食べになってください」
俺はイチゴタルトを1口食べてみる。イチゴの酸味がパイ生地のほのかな甘みで抑えられて何とも甘酸っぱい味だった。正直、これは何杯でも行けそうだ。
タルトって1杯、2杯ってどんぶりみたいに数えるもんだっけ?まあ、美味けりゃいいか。
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