第6話 セシルとプラ。
公募作品が進まない。描くのが遅いのも一つあるんだけど、一番は「作品に相応しいものを聞いていない」というのがある。
こんなことを言っちゃうとアレなのだが、私は作品世界(文章の雰囲気ともいう)に似合った曲を聴きながらじゃないとうまく捗らない時がある。要するに、聞いているものから力をもらって描く、みたいなへっぽこ野郎なんである。無音でしか書けないという方が少し羨ましい。多分それは定金伸治の「姫神」のあるキャラが「音はことば、ことばは音」と言っていたのが影響している。一音を聞いて言葉と文章を生み出す感じ。
例を挙げると、同人誌で発表した「氷れる花園」と「ミッドサマー・イヴ」は、ずっとセシル・コルべルのアルバムを聴きながら書いていた。前者は日本盤も出た「SongBook Vol.2」を、後者は「Vagabonde」を聞いていた。同じ人でもアルバムによって雰囲気はかなり変わるので、この2枚を逆にしていたら違う作品になっていた気がする。もっと古くいえば、最近友人にぶん投げた10年前の作品は、Janne Da Arcの「GAIA」を聞いてた。
サブスクで該当する曲だけを購入する、というのがいまいち馴染みがなくて、CDを買う時どうしてもアルバム1枚購入になってしまう。そもそもCDを買う文化がなくなってきたのにねぇ。
そんなわけで昨日ポチったのがPlastic treeのベスト盤。だいぶ前に出たやつだけど。クラシックの2曲が肝になるんだけど、作品に漂う雰囲気はどう考えてもプラなんですよ。竜太郎さんの浮遊する感じの声。なので、プラ。
これを車の中でガンガンかけてガソリンにする。……と思った。
しかし一番進まない理由は「こんな日記を書いているから」とも思った。作家のTwitterを巡回する編集者を思い出す。ついったランドにいないで原稿やりなさいよ、と。
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