マスターとお仕事

「お邪魔しまーす」

「邪魔するなら帰ってー」

空はニヤリとして資料を執務室のテーブルに置き

「はいよー」

でていった。



「待てーい!!」

バタバタドン!!

執務室の扉が勢いよく開き、廊下に中に居たギルドマスターが勢いよく出てくる。

歩いている人は何事かと振り向き、ギルドマスターを見たら次に流れるように空を探しだし見つけマスターの前に引きずって連れていき戻っていった。

仕方がないと部屋に入り冷蔵庫からコーヒーを持ちソファーに座り一口飲んだ。


「なんで出ていくんだ!」

「帰れって言ったじゃん」

「うん、行ったけどね!冗談じゃん明らかにそういう感じだったじゃん!!」

「えーわかんないです。私は上の指示に従っただけですよ?」

そこで頭を抱えたマスターだった。

冗談を言ったのは自分だから仕方ないが、それでも嬉しそうにその様子をいう姿をいるとどうしても頭痛がしてくる思いだった。

「うん、わかったから仕事しろ......」

「へいへい」

自分の席に着くマスターが報告書類を持ちながらいった。

そこから無言の時間が続き、紙を捲る音と書く音が部屋を支配していたのだった。


「なぁ 父さん」

「なんだ」

「なんでまだ学生のはずの僕がこんなに仕事してるんだ」

「ただで飯食えると思うなよ」

「うん、だとしてもこれは 働きすぎだと思うんだよね」

「そうか、とりあえず終わらせてから聞こうか」

「いやね。この内容ふつうは管理職の人がする仕事だし?

俺みたいな学生は、こんなのじゃなくて外で遊んだり?家でだらだらしたり?

ボーとしたり?できる時間なはずじゃん?」

「そうだなお前以外はそうだな」

「食べるために働くのはわかるけさ。いそがしすぎるんだよ!

僕学生まだ、未成年なの!しっかり保護しようよ!」

「うるさい!! 手が足りないんだよ!!」

「ならほかに雇えよ!! 依頼にしてでも雇えよ!!」

「人があつまらないんだよー!!!」

などなどと親子喧嘩が勃発するがいつものことであり外に聞こえていてもいつものかと、日常の一コマ扱いである。


空がこうなるのも仕方がなく、人手がどうしても足りないのだ。

なぜか、それはギルドの業務が忙しいと知られているためである。

依頼の選定、ランク付け、依頼の確認、決算、査定、依頼受領など様々な作業があり、更に依頼を受けに来る人も多いためどうしても1日の業務が多くなる。

一応本部に連絡し打診してもらっているのだが、金がかかるや、自分が出来ないからだとか難癖をつけ却下される。

どの時代でもトップに近い人間は働いている人間でなく、自分の懐が大事だというのがよくわかる回答だった。

ギルドのこういうのが、雰囲気や態度で伝わり、更に遠ざかるという悪循環

それでも働く人がいるのだからありがたいだろう。


空が受付の仕事を手伝いだしたのも可哀相なんて思ってしまったが故である。

心根が優しいがために苦労を追うことになっている不憫な子なのであった。

周りのスタッフもそんな空に申し訳なく思いつつ感謝している。やっている仕事が明らかに、難しいものが多いのも理由だったりするからだ。

差し入れのお菓子がいいとこのケーキだったり、おいしいご飯だったりするのはそんな空に仕事を続けてもらうための賄賂の意味があるのを空だけが知らず、マスターは目の前で食べる空を可哀相なものを見る目で見てしまうのも仕方ない。

マスターも同じことをしているので何も言えないのだが。


「うがああ!!なんでやる事ふやすんだよおお!!」

「ごねんね。あとでおいしいご飯持ってくるから」

「あ~ それならしかたないなぁ」

ちょろい

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