放課後 バイト
「今日はこれで終わりだ。気を付けて帰るんだぞ。
じゃあ、解散!」
先生が教室から出ていき、教室のそこらかしこでこの後のことをはなすもの。
さっさと出ていくものに分かれた。
空は悟志にいつものように悟志と話していた。
「このあとなんかあるのかぁ」
「あぁと、今日はバイトだ。」
「そうかぁ、きをつけてなぁ。
そういや、なんのバイトしてるんだ?なんも聞いたことなかったからなぁ。
おしえてくれ」
「う~ん めんどいから却下」
「それって、断る理由にならないからな?なんなんだ?
なるもんなのか?」
「そんじゃあなぁ」
悟志が悩んでいるうちに教室を出ていく空はそう口にしながら歩いていく。
学校を出て道路を歩く空は遠くに見える壁に向かい歩いていく。
少し視線を上に向けると光の反射からか、結界の張っている場所が少し虹色にグラデーションがかかって見える。囲まれている。縛られている。そうも思える。
(なんだろうなぁ、この窮屈な感じゆっくりとできないし、なんかやだ。
やっぱ外の方が自由だし、好きにできるんだろうなぁ。)
そんな何回目かもわからない考えごとをしつつ目的の場所につく。
防壁の門の前にある建物
ここは外の問題を解決するための場所、脅威を排除し安全を守るための集いの場。
自衛隊とは言えないが、警備、防衛、侵攻のための拠点だ。
名前を小説でよく出ていたことと、なじみが出やすいことからギルド。
対モンスターの対策機関だ。
まぁ、固い言い方だとそうだが行ってしまうと、力を持った者への限定バイト機関だ。
ここに空はバイトという名目で、業務を手伝っている。そして空の寝床でもあった。
「こんにちはー」
「はいはい、お帰りなさい」
「それじゃあ、今日はこれをお願いね。」
カウンターについた空に渡されたのは、会計書類や報告書などの運営にかかわる資料だ。
「うぃー 多い
もっと減らせないの?僕まだ高校生だよ?
ねぇ ねぇ」
「えーい! こっちだって情けないけど仕方ないじゃないの!
仕事がおおすぎるのよぉ~ ほんとにたすけてよおおおおお!!!」
その声に視線を集めるがいつものこととすぐに視線が離れていく。
カウンターにて受付業務をしているこの人は香帆さん、25歳にして仕事が早いことからどんどんと、処理業務が増えていき抱えきれなくなっていた。
そこにきて空が見かねて上に報告したところ
「じゃぁ、お前の勉強にもなるし手伝え」
とのお達しをうけてしまいさらに、
「暇なら働け、小遣い増やしてやる」
という学生にとっての甘い言葉により受けてしまった経緯がある。
その時中学2年生、3年前だ。どういうことだとは思ったが、お小遣い目がくらみ受けてしまった。
そして、そこから書類関係限定で業務を手伝っている。
それと空が特定の人の仕事にするんじゃなくそれぞれに合ったものを回すようにすることを提案したことで効率が上がったのだが、それでも毎日入る処理が多いためにこのように泣きが入ってしまうのも仕方がない。そして理解してもらえず、依頼にを受けに来たものや終わったものに早くしろと催促されるという。気の毒な仕事となっている。
「うん、わかるんだけどね。だけどね。
これからやると何時間かかるんだろうねぇ はぁ」
「溜息なんてやめてよぉ......」
「うん じゃあこれやるからなんかあるなら執務室にね。」
「はぁーい よろしくね」
疲れている香帆さんを背に、執務室に向かうのだった。
その姿は、学生の活気ではなく疲れ切った社会人のようであるとは、様子を見ていたほかの人の談である。
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