h21.12.26. letter


 薄く透き通る風の色が 重なり何時いつか空をえがく様

 極光めいて移ろう 蒼穹に触れて

 指の跡にまで滲む 優しさに伝う

 過ぎる葉擦れの一時を君に。


 月と生まれた波の音が 続く潮の確かさで呼ぶ様に

 夕凪を終えた飛沫を追って

 泡沫と混ざる絵筆に香る

 海鳴りに揺らす一節を君に。


 そして注ぐ カーキへ伸べた手に

 笑みも涙も零していい

 溢れる時 添う手の一対を君に。


 遂げずにさえ想い

 果せずにさえ誓い

 叶えずにさえ願う


 花の最初の一片を 雨の最後の一滴を

 虹の最初の一筋を 星の最後の一粒を

 薄く確かなメチレンを君に

 深く遥かな群青の君に

 いだく何時かの あの青と君に。



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