h21.07.14. 手


 まだ乾かない靴で歩き始めた

 椅子に登り梯子に座った

 名を刻まれた碑の影と

 変わらぬ虫の呼び戻す声

 有り余る引き金と相応しい的の数は


 白と縁と青の夏に あの赤が混ざらない事を願う

 涙ばかりが残された老人の 誰かを育てた手の渇き

 動く事と考える事が全てと嗤うなら

 想う事を忘れていられるのなら

 亡い方がいい世界を誰もが愛した

 同じ星の上で別つものを愛と呼んで

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