第5話 猫

「は???あの猫、飼い主見つかるまで俺が世話っすか?!」


優男上司、なんて事を言い出すんだ。。

そんな金無いぞ…?


「そんな事言われても…俺金ないっすよ」


「経費で構わないぞ??」


「まじっすか…でも俺猫飼った経験とかないんすよ…?」


猫に付けられた傷がまだ痛む…手足が引っかき傷だらけなんだが…


「いやぁ、すまないね…今すぐ引き取り先は早めに見つけるからさ、ね?」


「…もう!分かったっスよ!!」


俺、もしかして押しに弱いのか?


「よかった、じゃあ猫をよろしくね!」


「はぁ…」


俺は踵を返して自分の席に座り深~いため息をついた。はぁ…


「やぁ隼斗くん、ゲンキ?」


「海野先輩っすか…いまさっきの話聞いてたっすよね…?俺あの猫世話する事になったんすよ?」


「いいじゃん猫!じゃあ名前つけてあげないとねぇ」


名前…確かに、ずっと猫って呼ぶのは少し嫌だな


「…そうっすね、考えてみるっす!」


「いい名前つけてあげてね~、じゃっ!」


それだけを言いに来たのか?

なんだ…海野先輩の昨夜の姿見たら余計に…いや、俺は憧れてるだけ!そうそう!

呼び捨てで呼ばれて嬉しかったとかない!

カッコよかったもんな!?

「隼斗!早く!」

ってかっこよかったもんな?!


「やぁ雨宮君!何妄想してるんだい?」


「ぎゃあああ!」


優男上司か…心臓がとび出そうになった、いや、ちょっと出た気がする


「ビビったじゃないっすかぁ!」


「いやぁごめんごめん、今さっき言い忘れてたんだけど、また仕事が来たよ?海野君と一緒だけどね」


「は、はぁ…」


「まぁ、明日からで結構だから、今日は猫ちゃん見てきてあげて欲しいかなぁ」


「え?!じゃあもう帰っていいんすか?!給料減ったりはナシっすよ?!」


「ははは、それで構わないよ?」


優男上司、本物の優男だった…!!


「じゃあ早速行ってきますっす!

お疲れ様でした~!!」


猫の世話で即家に帰ることが出来た!神すぎる!猫ちゃん待っててなぁあぁ!!


「…飯食ってくれてる!!」


昨日全く食べてなかったのに、完食してるじゃないか!…威嚇してくるけど


「ん~?え!?お風呂入れちゃいけなかった?!猫…ごめん!!」


猫の記事を読んでいるとまさか入れちゃいけないとは。かなり汚れていてつい洗ってしまった


シャー!シャー!

そりゃ怒るよなぁ


「とりあえず動物病院に行かなくては…」


そう思い立って早速猫をカゴに入れて動物病院に行くのであった…?

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あいご警察 @nanoto

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