第4話 犯人
19:49
買い物袋を両手に持った今回のターゲット、隣人が家に入っていった
「あー、隣人さん自宅に戻ったね~」
「そうっすね、どっかで買い物してきたんすかね」
「そうだろうねぇ、とりあえず様子を見ようか」
恐らく家で飯作ってんのかなぁ、なんかいい匂いがするし、
嗅いだことない匂いだけど
~
0:00
「くそ眠いっすよ海野先輩…隣人全く動きませんよ?」
毎日10時には就寝してる俺にとってこの時間まで起きているのは人生で3度目くらいだろう
「ダメだよ、荒木さんが目撃したのは深夜帯だったでしょ?こっからが本番だよ、ほら起きろ起きろ」
背中をバシバシ叩かれてしまった、結構痛い
「にしても全く動きがない…あっ」
隣人が玄関から出て行き、車を出してどこかへ行ってしまった。俺は海野先輩と1度目を合わせて頷くと、海野先輩も続いて車を出し尾行をはじめた
「やっと捜査っぽくなったじゃないすか!わくわくする~!」
「やっぱり荒木さんの言ってた公園の方向に向かってるね~…」
「公園の駐車場で止まりましたね」
この時間帯の公園は物静かで人の気配は全くない。隣人は車から出てなにか荷物を持ってどこかへ歩いて行った
つけよう、そう小声で海野先輩が言い俺達は隣人の後を追っていく
「ははぁ、今日も捕まってるねぇ…へへ」
近くに池があるその場所でそう隣人は言い足元を見ている、そこには捕獲器に入った猫が1匹、キジ白の小さい子猫みたいだ。
「さて、今日はねぇ、△〇※¥≠をしてあげる…」
聞き取れない部分もあったがそういうと隣人は捕獲器ごと猫を蹴ったくった。証拠は取れた
ギャッニ"ャア"ァァ"
猫の悲痛な叫びが公園に響き渡る
「…行こうか」
海野先輩はそういうと一目散に犯人の元へ走り、流れるような逮捕術であっさりと隣人、いや、犯人を取り押さえた
「隼斗!早く手錠!!」
「はいっ!手錠付けたっす!」
「おい、お前らなんなんだよ!!俺の邪魔してんじゃねえ!!」
憤怒に満ちた顔でこちらを睨んでくる
同じ叫び声でもこんなに違うのか。
「警察です。貴方を現行犯逮捕します」
真面目な顔した海野先輩かっけぇ…
「訳分かんねぇ事言ってんじゃねぇよ!離せ!!」
「猫、一旦保護した方が良さそうっすね」
「そうね、隼斗くん運ぶのよろしく。あと警察の車呼んでくれるかな?」
0:41
「いやぁ、猫、良かったっすよ」
まだ脅えているのか、キジ白の猫はこっちを警戒してるようだった。
…もう大丈夫だぞ
「猫ちゃんどうするか連絡して優男上司に聞いたんだけど、隼斗くん預かっといてだって」
「は?いや俺猫飼った事ないっすよ?!」
「大丈夫だって~!最近はネットでなんでも分かっちゃうしさ!僕んとこは猫入れちゃダメだし」
「確かに俺んとこのマンション動物OKなんすけど…」
「じゃあよろしくね?」
うっ…断れない。美人ズルすぎるぞ…
ちなみに犯人は留置所にぶち込まれたようだった
1:10
「痛ッ痛いって猫!!我慢してくれよお!お風呂気持ちいいだろ!!」
猫が水に濡れるのを全力で拒否って俺は猫にかじられ噛まれで風呂場が殺人現場かっていうくらい血まみれになるまで海野先輩がくれたシャンプーで猫を洗った。痛い
2:10
「猫ちゃんやい…早くご飯べておくれよ…俺も眠いって…」
シャアァァ!!
めちゃくちゃ怒ってる…ごめんて…
引っかき傷に消毒と絆創膏をしながら猫がご飯を食べないことについて調べていると
なになに?飯食べてくれないなら飯置いて放置でいい…?
「まじかよ…俺の苦労…一旦寝よ…」
部屋を暗くしてバタンとベットへ横になり俺は海に落ちるように深い眠りについた
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