第2話 始まり

「雨宮隼斗、21歳です!

よろしくお願いしますっす!!」


あまりに緊張しすぎて声が裏返ってしまった、聞いてた人ら皆笑いこらえてやがる。


「じゃあ次僕だね、海野千穂って言います~、みんなよろしく~」


男共が海野先輩に見惚れている…許さん

そう考えてるうちに次々と自己紹介が終わっていき、ついに最後の1人になっていた


「やぁ!こんにちは!今回ここの課長になった岩浦研磨37歳独身です!よろしく~」


何だこの優男は!!眼鏡をかけた俺よりも長身(俺は大体175cm)の彼はちょっと顎髭を拵えている。

The優男な顔と短めの刈り上げ、爽やかな声は確実に女からモテるだろう。

くっそ…羨ましい


「ねぇねぇ隼斗くんや、あの上司ハゲてないからハゲ上司なんて言えないね」


海野先輩がニヤニヤしながら話しかけて来た。くぅ…確かにハゲてない…


「確かに…優男上司っぽいっすね…」


「あ、なんか優男上司言ってるよ、話聞こう」


そうっすね、と返事をして視線を石浦研磨、優男上司に向けた


「早速ですが、私達の仕事内容は動物虐待犯の捜査と逮捕、動物の保護になります」


動物の保護までするのか、そんなのいまさっき見たのには載ってなかったはず…


「ニュースや雑誌で聞いていると思うけど、最近動物虐待の事件が例年の何倍にもなっていてね、僕達はそれの取り締まりをするんだ。それで早速通報があったんだ」


えぇ、早くね?まぁ流石に俺は呼ばれないだろうけど


「その捜査に、雨宮君と海野君は出向いてもらいたい」


「俺っすか!?」


「あちゃー、こりゃサボれないなぁ」


まさかこの部署の初仕事が俺達に任せられるとは…。


「いや、何で俺らなんすか?」


「前の部署で中々の問題児だった君達の実力を見てみたいんだ」


この優男上司…犯人3、4人逃がした俺は分かるけど、海野先輩はそこまでわるい事してなさそうだぞ…?


「う~ん、まぁ僕は別にいいけど、通報した人から話聞く事はできるんですか?」


「そうだね、できると思うよ、じゃあ行ってらっしゃい。あ、皆解散していいよー」


「え、俺まだOKしてないっすよ?あ、海野先輩待って下さいっす!」


「ほらほら置いていくぞ~!」


俺は海野先輩の後を付けて通報をした人物の元へ赴くのであった

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