あいご警察
@nanoto
第1話 動物愛護課
「えっ俺、異動…?」
雨宮 隼斗は突然の上司の発言に驚きを隠せなかった。
「だって俺、ちゃんと働いてたじゃないっすか!」
「上の指示だ。俺にもどうしようもない」
このハゲ上司…許さん…
「しかも、今年設立されたばっかの
動物愛護課?でしたっけ、俺動物好きな訳でもないんすよ?!」
「動物が好きじゃないから配属されたんだ…
とにかく、早く荷物をまとめるといい」
「…分かりましたっす…。」
はぁ…
何でこんな事になったんだよ…多分給料も落ちるよなぁ…、金が欲しくて警察になったってのに。とぼとぼ荷物をまとめながら愚痴を漏らすことしかできないとは…
「やあ隼斗くん、どうしたんだい?ため息なんか着いて」
妖艶な雰囲気を纏った黒髪ロングの女性が陽気な声で話しかけてきた
「あぁ、海野先輩っすか、俺異動になったんすよ…」
海野 千穂先輩は、唯一俺に気軽に話しかけて来てくれる2歳年上の先輩で、クール系美人ではあるもののよく笑うしよく喋る、
3人兄妹で男に囲まれて一人称はいつの間にか僕になったらしい
「へぇ、奇遇だね…僕もなんだよ、…はは…」
「えぇ!?どこに異動になったんすか?」
「なんだっけなぁ、動物愛護課だっけ、そこに異動になったよ。僕色々やらかしちゃったからなあ…」
「…は?」
「ん?」
「俺と同じじゃないっすか…」
まさか海野先輩とまた一緒に仕事ができるとは、これは少し希望が見えたな…
目の保養があっちの部署でもできたみたいだ。
「へぇ、きみも同じ部署に飛ばされたのかぁ。あ、でも異動は3~4年でいずれなるみたいだし、隼斗くんは早かっただけだよ…多分」
「そうなんすね…とりあえず次の部署でもよろしくお願いしますっす…」
「よろしくね~!何するかも分からない部署に2人仲良く異動なんて案外面白いかもね」
「はは…そうっすね、あ、荷物まとめるの終わったっす」
「えっ早くない?!やっば僕もさっさと済ませないと…」
なぜだろう、ハゲ上司からの視線が怖い
「そうっすね、ハg…上司がこっち見てるっす」
「ひー怖い怖い、じゃあまた後でね~」
そう言って海野先輩が去っていくと、ぽつんとまた1人になってしまった。改めて動物愛護課、何をするんだろうと、スマホで調べてみた
【動物愛護課 とは】[検索]
動物愛護課とは、動物虐待の事件増加により2030年から全国に設立された警察部署である。
動物愛護課の仕事は、次のように分かれている
(1)動物虐待犯及びそれに加担した者の逮捕
(2)動物虐待犯及びそれに加担した者の捜査
「えっ、こんだけ??刑事課はもっと正確に書かれてるはずっすよ…これ大丈夫かなあ」
どうも引っかかる上司の言葉、動物が好きじゃないから配属された?こういう仕事は動物好きがした方がいいんじゃねーの?
「まぁいいや、あっちで出世すればいいだけだし」
…そんな簡単な事じゃないけど
そんな事を考えているとハゲ上司がドスドスとこちらに歩いてきた
「おい雨宮、荷物まとめたなら配属された部署に行っていいぞ」
「あーはい、分かりましたっす。」
ハゲ上司め…
あっちの部署でお前より偉くなってやる…
そう心の中で誓い、荷物をもって指定された新しい仕事場に俺は歩いて行くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます