第105話、投稿漫画『 4429F 』3次選考結果掲載誌、発見!

 実家の倉庫から『 発掘 』された数十冊の少年漫画雑誌を調べた結果、このカクヨムにも掲載している拙作小説『 4429F 』の3次選考結果が掲載されている号がある事が判明した。

 小賞を受賞した次の年の作品で、個人的に、手塚治虫 先生の監修を受けて創作した、私にとって大変に想い出深い作品だ。


 小説版『 4429F 』をお読み頂いている方ならお分かりになるかとは思うが、ストーリー・テーマ共に、大変に重い( 暗い )内容の作品であり、とてもじゃないが、少年誌にはこれまた、合うワケもなく……

 編集部からは「 とにかく、明るく、ワクワクするようなストーリーでお願いします 」と、再三、注進があったにも関わらず、当時の私は、全くもって、無視。 手塚治虫 先生もお好きだった『 命 』と言うテーマを、今で言うならば『 ダーク・ファンタジー 』的な、スプラッター表現を含む描写で表現してみたかった為、重い・暗い・流血の、3拍子揃った『 見事な 』作品となった。(笑) 手塚先生からの私的なコメントでは、結構、好評だったのだが……

 編集部からは、見事に『 切り捨てられ 』、最終選考へは進めなかった。


 後日、担当編集者の方から電話を頂き、「 画力・構成力・着眼点の秀逸性は認めているので、とにかく、少年誌に合う内容のものを描くように 」と言われたのだが、手塚先生に認めてもらえさえすれば充分だった私は、担当の方の話しは、全くもって、聞いていなかった。(笑) プロになると言う選択は、既に、放棄していたので、まさに『 怖いもの無し 』。 当時の担当の方にとって、さぞかし掴み処の無い、扱い難い『 若モン 』だった事だろう。 だって、投稿している者の、ほぼ99.9%は、デビューする事を目標にしているのだから……

「 言う事を聞かんと、デビューさせんぞ! 」

 この殺し文句が、一切、効かない私だったのだ。(笑)


 誌面を見ると、十数編の3次選考突破作品のタイトルが列挙されており、その中に『 4429F 』のタイトルがある。

 掲載された当時、「 へぇ~… 何だかんだ言っても、編集部の選考委員の人は、3次選考まで残してくれたんだ 」と、ある意味、感心した記憶があるが、選考委員の方は、私と担当編集者の方との『 やり取り 』は、おそらく、ご存じなかったのだろう。 最終選考で、担当者の方の意見が入り、落とされた…… そう推察出来る。



「 何回も、3次選考・最終選考に残りながらも、大賞に手が届かない。 イマイチの作家なのだろう 」


 毎年、応募を重ね、投稿分野では『 常連 』となっていただけに、この後に描いた『 46本のインスツゥルメンツ 』創作以後、私は、そう思われたくはない… と考えるようになった。

( 不本意だが、編集部の言う通りの作品を描き、大賞を手にしてみるか )

 大賞を受賞したのに、プロにはならなかった……

 それも、非常に痛快な事だろう。 選択の価値はある。


 かくして私は、興味本位も手伝い、その後、編集部の希望通りの展開のストーリーを創作する事となる。 『 結果 』はまた、この拙作エッセイで後日……



  *近況ノートに、『 4429F 』3次選考結果が載った誌面の画像を

   UP致しますね。

   ちなみに、タイトル下にある『 南 洋一郎 』と言う作者名は、漫画

   を描いていた時にだけ使用していた、私のペンネームです。

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