第82話、「 ぎいゆう、あっかかくして」

 皆、幼児の頃から口にし、大人… 壮年の歳になっても大好きな人が多い飲み物に『 牛乳 』がある。 逆に、小さい頃から嫌いだと言われる方もいらっしゃる事だろう。 最近は、アレルギーの観点から敬遠される方も……

 だが、好きな方が多いのも事実だ。

 私も、風呂上り、腰に手を当て、コップ( コップでなければ、いけない )に並々と注いだ牛乳を、イッキ飲みするのが大好きだ。


 その『 庶民の宝 』である牛乳を、体に有害であると言い放つ者がいる。 その発言を支持する者、しない者… ネット上では、かなりの批評が飛び交い、以前、ちょっとした騒ぎになった事も記憶に新しい。

 暖かい飲み物が欲しくなって来たこの頃、何となく思い起こしたので、まとめてみた。



 発端は、平成17年に発行された本。

 本の著者である外科医によれば、臨床医としての経験から、『 乳製品を多く摂取する国には、骨粗鬆症こつそしょうしょうが多い 』。 また、『 花粉症やアトピーが増えた理由は、学校牛乳の存在にある 』との説を導き出したとの事だ。 牛乳否定論者は、これを支持していたらしい。

 しかし、この論説は、あくまでも独自の理論展開であり、経験から導き出されたデータ上の推察でしか無い。 当然、科学的根拠も無く、内容的には個人の意見として見るべきだと判断する。 だが、本を読んだ読者の多くは、それを信じて支持しており、当時、とある女性タレントの発言が、更なる波紋を広げていた。


 そもそも、骨粗しょう症や、アレルギー・アトピー等の発症原因を、多くの人たちの生活に関わる事例に決めつけるのは、どうかと思う…… 事例が多ければ、信憑性は増大するのだ。

 私が、牛乳愛飲者だから声高に言っているのではない。 そもそも、そんな学説が通用するなら、骨粗鬆症は、もっと遥か昔から、その発症の多さを指摘されているはずである。 しかも、全世界レベルで。


 まあ、この論説を信用するか否かは、個人の判断に委ねられるところだろう。 勿論、私は完全否定するが……


 私が、小学校の3年生の頃、それまで給食で配膳されていた脱脂粉乳が牛乳に変わった。 皆、鼻を摘まみながら飲んでいた脱脂粉乳…… 女子の中には、涙目になって飲んでいた者もいた。

 もう、あの『 臭い、白い液体 』を飲まなくても良い…!

 配膳室の方から、牛乳ビンが触れ合う『 カチャ、カチャ 』という音に狂喜乱舞した記憶… 私にとっては、忘れられない記憶だ。

 牛乳万歳……!

 栄養価が高く、安価で、どこででも手に入る牛乳。 最高である。


 『 牛乳、温かくして 』


 タイトルは、未だ、牛乳が大好きな娘( 2023年現在、小学校6年生 )の、2

歳頃のセリフ。(笑)

 牛乳をたくさん飲んで育った娘は、寝込むような病気をした事が無く、身長は、クラスの中でも2番目に高い。 高校3年の夏まで、身長が150センチすら無かった私の娘とは、到底、思えない。 まさに、健康優良児だ。

 ちなみに、我が家では、1ℓの紙パック牛乳を買って来ても、2日と持たない……

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