第72話、『 バランタイン 12年 』


 さて…… ウイスキー特集に、話を戻そうか。

 ウイスキーの醸造年数は、10年・12年・16年・25年… 中には30年越えの銘柄も存在する。 それぞれに味わいがあるのだが、やはり年数を経たものは『 それなり 』の価格となる。 年数だけで見れば、求め易い価格帯は、10年~16年だろうか…… 流通ルート・希少価値・醸造法など、幾多の要因により、価格( 価値 )は当然にして変動する。

 まあ、私が紹介する銘柄は、非常に『 庶民的 』なものになるが……(笑)

 今回、紹介するウイスキーも、決して高価な銘柄ではない。


 『 バランタイン12年 』…… モルトとグレーンのブレンデッド・ウイスキーを代表するスコッチ・ウイスキーである。

 スコットランドのスペイサイド、ハイランド、アイラ、ローランドと、4つの地方のモルト原酒に、グレーン原酒を40種類以上使用している。 キーモルトの蒸留所から見ても、ブレンデッド・ウイスキーの有名銘柄を紹介するのであれば、まず、バランタインが一番だろう。 …てか、『 問題 』無いだろう。 まあ、ブレンデットなので、あまりこだわらなくても良いとは思うが……


 最近は、華やかなテイスト感を極めた『 バランタイン・ファイネスト 』が流行りのようで、コンビニ等でも、よくポケット・ボトルを見かける。 だが、寡黙とも言える深い味わいは、やはり『 12年 』だ。

 『 17年 』・『 21年 』・『 30年 』とラインナップされ、『 マスターズ 』ボトルもあるが、個人的には『 12年 』の、古風なテイストが好きだ。


 スコッチ・ウイスキーを極めた方から見れば、「 バランタインぐらいで… 」と一笑されそうだが、『 バルヴェニー 』や『 ロングモーン 』を、チョイ飲み出来るほどの経済的余裕は、私には無い。 なので、ブレンデットで『 ちょっと、イイ酒 』的な感覚で紹介するならば、この1本だ。 おそらく、誰からも見下げられる事は無いだろう。 いわゆる、『 ちょいと、イイ酒 』なのだから。(笑)


 ほのかなスモーキーさと、かすかなバニラ・フレーバー……

 1本を飲み空けた後、しばらく間を置くが、酒屋の陳列棚で見かけると、つい手が出てしまう銘柄…… バランタイン 12年は、そんなスコッチ・ウイスキーだ。


 近況ノートに、画像をUPして置いたので、眺めてみて欲しいが、リビングのサイドチェトの上辺りに『 さりげな~く 』置いてあると、何気に良さげな存在感のボトルだとは思えないだろうか。(笑)

 まあ、しばらくすると『 手が出る 』のは、こんな所以からなのだろう。 要は、いつも傍に置いておきたい1本なのだ。


 変わらない、古風なボトル・スタイル……

 イタリック書体の印字が、ボトルに詰められた琥珀の色彩を引き立てている。


 水割りグラスに、大きめのカチ割氷を入れ、バランタインを注ぐ。

 ゆっくりと傾けるグラスから、氷が滑る音色が、静かに響くのだ……


 1日の終わり…… 落ち着く『 ひと時 』を演出するウイスキー、なのである。

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